スペイン時間 - エレナ・カンセルとの午餐
今回のマドリード滞在中に、デザイナーのエレナ・カンセル(Elena Cáncer)とランチをご一緒する機会がありました。ランチといっても、そこはスペイン。午後3時からの午餐です。
彼女に案内されたのは、ベラスケス通りにある、建物の奥にパティオがあるとても素敵なレストラン。屋内にも席があったのですが、屋外の方が雰囲気があるからと、パティオのテーブルを用意してもらいました。暑そうだなぁと思ったのですが、大きなアンブレラの下はそれほど暑さを感じることなく、植えられた緑が逆に涼しげでした。周りは家族やカップルでゆっくりと食事をしている方々ばかり。週末は、こうやってのんびりと時間をかけて食事を楽しんでいるのでしょうか。スペイン時間はゆったりと過ぎていきます。
お料理は創作系スパニッシュ。エル・ブリ効果で、モダンなスペイン料理が増えてきています。
前菜は、今回の滞在で2回目のガスパチョ(1回目はこちら)。この季節しか食べられないわけではありませんが、なにぶん夏場が旬の料理ですから、暑いと無性に食べたくなります。こちらのガスパチョにはマンゴーのシャーベットが添えられていて、それを溶かしながら、食べていくというもの。メインはイカのプランチャ(鉄板焼き)。バルサミコが利いた甘酸っぱいナッツたっぷりのソースでいただきました。デザートのフルーツと最後のエスプレッソまでしっかりいただき、心もお腹も満たされました。
その間も、彼女は、最近の創作活動の話をいろいろとしてくれました。彼女に限らず、スペイン人はよくしゃべり、よく食べます。ずっとしゃべり続けていても、ちゃんと食べているのですから、感心してしまいます。エレナは気難しい芸術家タイプではありません。とても気さくで、優しい方です。3時間近くにおよんだランチの後、お別れ際に、「何かあったらいつでも私の携帯に電話してちょうだい。すぐに来れるから」と言ってくださるほど。
彼女とのおしゃべりの中で知ったのですが、彼女の作品の最新イメージフォトは、実は旦那様の撮影だとか。旦那様は映画関係の方で、仕事では、スティル写真ではなく、ムービーを撮られる方なのです。アーティスティックな関係って、素敵ですね。憧れます。
エレナはその前日までポルトガルのカスカイス(Cascais)でジュエリーと彫刻の個展を開催。レセプションでは、黒のドレスをまとったオペラ歌手が彼女のジュエリーを手にとり、まるでそのジュエリーの魂がのり移ったかのように即興で歌い上げるさまは、それはそれは素晴らしかったと、話してくれました。
ポルトガルはとても良いところで、彼女のお気に入りだそう。でも「ポルトガル人は物静か。スペイン人はうるさいでしょ?」って言われても、同意してよいものやら、よくないものやら。そのレセプションでは、きちんと正装した小さな女の子が花束を持ってきてくれたんだけど、そういう昔ながらの良きしきたりがまだポルトガルには残っているのよ、と絶賛していました。
エレナの次なる構想は、アフリカの民族が身に着けている洋服のようなジュエリー(甲冑に着想を得たものに彼女独自のモダン・スパニッシュな洗練された味付けをプラス)をデザインして、展覧会を開催することだとか。今回のようなオペラ歌手とのコラボもいいわね、と。彼女のアートへの情熱は消えることがなさそうです。
以前、エレナの作品が美術館で扱われているという話を記しましたが、彼女の作品の独自性は、スペイン王室(Casa de Su Majestad el Rey de España)も認めるところです。
スペイン国王と王妃がヨルダン王家を訪問したとき、ラニア王妃(Queen Rania)への贈り物として進呈されたのがこちらの作品だそう。その類い稀なる美貌と知性、早々とtwitterを使う等の流行感覚で、アラブ世界のみならず、世界のロイヤルファッションリーダーとも言えるラニア王妃への贈り物だけあって、なんという存在感! ご興味おありの方はご連絡ください。特注いたします!
[仕入れ担当]
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