国立近代美術館「ゴーギャン展」
どうしても見たかったゴーギャン展、なんとか会期終了前に行くことができました。
ポール・ゴーギャン。経歴だけ見ても興味深い人です。神学校で学んだ後、航海士となって南米やインドを訪れます。海軍に在籍し、戦争にも行きました。その後、証券マンとして成功を収め、結婚して幸せな家庭生活を送っていたようですが、株の大暴落をきっかけにあっさり離職。趣味だった絵画への情熱が高まり、画家に転向して、文明と野蛮、明と暗、生と死といったテーマを問い続けた放浪人生が始まります。
タヒチ人の妻テウラとの甘美な生活や、神さまや自然を通して夜の神秘を描いた作品が、自著「ノアノア」の図版から数多く公開されていました。個人的に細かい描写が好きなので、ツゲの木の判に、ノミ、ナイフ、カミソリ、針、紙やすりを使って細かい線を表現した版画に見入ってしまいました。
「ナヴェ・ナヴェ・フェヌア(かぐわしき大地)」。赤と黄色を使って摺られたルイ・ロア版では南国の息吹を描き出し、黒で摺られた自摺り版では闇のなかの不安を見え隠れさせています。独特な色遣いで大地を力強く描いたキャンバスとは異なる繊細な魅力を感じました。
病気と貧困に悩まされ、決して幸せな最期ではなかったゴーギャンですが、孤独の中で描かれた「我々はどこから来たのか 我々は何者か我々はどこへ行くのか」(1897-1898)が、今回のゴーギャン展の目玉となっています。この作品のための全59作品が、力のある色彩で迫ってきました。彼は今、没年の作品「女性と白馬」に描かれている墓に眠っています。
ゴーギャン展はもうすぐ終了してしまいますが、これからの季節、展覧会も目白押しですし、アートな気分になりますよね。モナドの店頭も、アーティスティックな新作が並び、すっかり秋冬の雰囲気になってきました。
ティッセン・ボルネミッサ美術館のためにエレナ・カンセル(Elena Cancer)が制作した候補作が、1点だけモナドに入荷すると仕入れ担当がブログで記しましたが、その作品も到着しています。エレナらしい精緻な金属加工と、美しいボヘミンアングラスが魅力の一品です。
穏やかで過ごしやすいこの季節、お散歩がてら、ご覧にいらしてください。
[店長]
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