« 池袋西武に催事出店。ジョイドアート最新作が勢揃い! | トップページ | 池袋西武の秋の催事が始まりました »

2010年10月18日 (月)

映画「ハーブ&ドロシー(Herb & Dorothy)」

Hd1 〈art-Link 上野-谷中 2010〉の目玉イベント、「ハーブ&ドロシー」先行上映会に行ってきました。郵便局員のハーブと図書館司書のドロシーという、一風変わったアートコレクターを追ったドキュメンタリー作品です。

この公務員夫婦が収入の許す範囲でこつこつ買い集めてきた現代アートが、結果的に非常に価値の高いコレクションとなり、それをどこにも売らず、ナショナルギャラリーに引き渡したというエピソードを基に、本人と関係者のインタビューによって夫婦の姿が描かれています。

コレクションの対象となったアーティストがたくさん登場しますので、現代アートの知識があれば一層楽しめると思いますが、アートに興味のない人でも楽しめる映画です。なぜなら、この映画の本質は、ハーブとドロシーというヴォーゲル(Vogel)夫妻のラブストーリーだからです。

映画を観て感じたのは、この夫婦は、アートを買うプロセスを、二人して非常に楽しんでいるということ。手を繋いでアトリエに出掛けていき、未完成のものまで全作品を見せてもらい、時間をかけてアーティストとの会話を楽しみます。モノとしてのアート作品ではなく、アーティストとのコミュニケーションを媒介するものとしてのアート作品を買っている感覚です。

極端に言えば、ヴォーゲル夫妻が楽しんだ時間や経験の対価としてのアート購入。だから、持っている作品が高騰しても、それを売るプロセスで夫婦の大切な経験を台無しにするリスクを取るより、ナショナルギャラリーに寄贈する方が二人にとっては理に適っているのでしょう。リンダ・ベングリス(Lynda Benglis)はこの夫婦を"greedy"だと言っていましたが、二人揃って楽しい時間を過ごすことに関して、どこまでもどん欲な人たちだと思います。

本当に仲の良い夫婦です。映画にも登場するウィル・バーネット(Will Barnet)がヴォーゲル夫妻を描いた作品(The Collectors)が捉えているように、主観的なハーブと、客観的なドロシーが、常に互いを補完し合っている感じ。映画の中でドロシーが「結婚して45年になるけど、離れ離れだった回数は片手で数えられるぐらい」と言っているように、彼らは常に一緒にいます。その仲の良さに随所でホロッとくる映画です。
Hd2

これが劇場用映画第1作目という佐々木芽生(Megumi Sasaki)監督のスピーチにもホロッときました。

下は佐々木監督が描いたヴォーゲル夫妻のアパートの見取図ですが、この1LDKのアパートのように、こじんまりとしていて、愛にあふれた映画です。機会があったらご覧になってみてください。
Hd3

公式サイト
ハーブ&ドロシーHerb & Dorothy

[仕入れ担当]

« 池袋西武に催事出店。ジョイドアート最新作が勢揃い! | トップページ | 池袋西武の秋の催事が始まりました »

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 映画「ハーブ&ドロシー(Herb & Dorothy)」:

» 映画:ハーブ&ドロシー Herb and Dorothy 「プロ」と「アマチュア」の際(キワ)が溶けていく境地 [日々 是 変化ナリ 〜 DAYS OF STRUGGLE 〜]
概要をぱっと聞いただけで、「これは絶対みたい」と思っていた映画。 それは、なんとも粋なニューヨーカーの話。 “Herb and Dorothy”とは、ヴォーゲル(Vogel)夫妻(写真)のこと。 夫ハーバート・ヴォーゲル(Herbert Vogel)と妻ドロシー・ヴォーゲル(Dor...... [続きを読む]

» NHK・おはよう日本(2011年1月13日放送)~特集「広がる“庶民コレクター”  ~映画 ハーブ&ドロシー~」 [てんしな?日々]
朝から、実にすがすがしい生き方を垣間見ました・・・ 2011年1月13日早朝の、NHKニュース「おはよう日本」で、 「広がる“庶民コレクター” ~映画 ハーブ&ドロシー~」という特集を報道していました。 『ハーブ&ドロシー』は、実在する現代... [続きを読む]

« 池袋西武に催事出店。ジョイドアート最新作が勢揃い! | トップページ | 池袋西武の秋の催事が始まりました »

フォト