映画「SOMEWHERE」
ソフィア・コッポラ(Sofia Coppola)監督が、ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を受賞した話題作です。このときの審査委員長が元カレ?のタランティーノ(Quentin Tarantino)監督でしたので、そういう意味でも話題になりましたが、観た印象としては、やはりちょっとお手盛りっぽかったのかな、という気もしました。
ストーリーはシンプルです。自堕落な生活を送っているハリウッド俳優が、離婚した妻の元にいる娘と、短期間、一緒に暮らすことになり、娘との触れ合いを通じて自らを見つめ直していくというもの。ソフィア・コッポラ自身の少女時代を反映させた自伝的作品ということです。
陽光降り注ぐ西海岸の空気感と、11歳の娘を演じたエル・ファニング(Elle Fanning)の演技が印象に残ります。彼女が「ドア・イン・ザ・フロア(The Door in The Floor)」に出演した時、まだ演技ができる年齢ではないのに、はっきりと存在感を示していて驚きましたが、今回は演技力も増し、映画全体を彼女の透明感が支えている感じでした。
何よりも素晴らしいのが、彼女がアイススケートをするシーン。その直前、主人公の俳優がシャノン姉妹(Kristina Shannon, Karissa Shannon)のポールダンスを見て退屈するシーンがあり、それとは対照的に、彼女のスケートを見ているうちにだんだん引き込まれていきます。これが父親としての自覚の発端となるのですが、このシーンに説得力があるのも、エル・ファニングの演技力の賜物です。
ソフィア・コッポラらしく、映像も美しいし、選曲も良い映画です。またハリウッド・セレブのライフスタイルを覗き見した気分になれるのも楽しみの一つでしょう。映画の舞台となるホテル、シャトー・マーモントのことはよく知らないのですが、主人公の俳優とエレベーターに乗り合わせたベニチオ・デル・トロ(Benicio del Toro)が「その部屋はボノが泊った部屋だ」と言うように、いたるところに内輪話が振りかけられています。
ただ、ちょっと残念に思ったのは、主人公の俳優を演じたスティーヴン・ドーフ(Stephen Dorff)。ソフィア・コッポラは当初から彼を想定して脚本を書いたそうですが、成功した俳優らしいオーラが感じられず、個人的にしっくりきませんでした。もしショーン・ペン(Sean Penn)のような俳優が演じていたら、もう少し感情移入できたような気がします。
また、ヨーロッパの映画っぽく長回しで撮るシーンが多いのですが、観ている側が、居心地悪くなってしまうような間の悪さがあります。映画の作りとしては「ロスト・イン・トランスレーション(Lost in Translation)」よりレベルが高いような気もしますが、ヨーロッパ映画っぽくしたいんだろうな、と透けて見えてしまうような違和感が、随所にありました。
いろいろ文句を書いてしまいましたが、「ロスト・イン・トランスレーション」がお好きでしたら、映画館で観ておいて損はないと思います。エル・ファニングの成長も、ソフィア・コッポラの今後も楽しみになる映画です。
[仕入れ担当]
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「SOMEWHERE」★★★☆
スティーヴン・ドーフ、エル・ファニング、クリス・ポンティアス出演
ソフィア・コッポラ監督、
98分 、2011年4月2日公開
2010,アメリカ,東北新社
(原作:原題:SOMEWHERE)
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ヴァンパイアや暴力的な映画の印象が強いが、
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2010年アメリカ
原題:SOMEWHERE
監督・脚本:ソフィア・コッポラ
出演:スティーヴン・ドーフ、エル・ファニング他
2011年4月9日 ワーナーマイカルシネマズ板橋
評価★★★★(4/5)
ハリウッド・セレ...... [続きを読む]
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