映画「エル・ブリの秘密(El Bulli)」
今年7月30日に閉店したカタルーニャのレストラン、エル・ブリ(El Bulli)。45席しかないこの店に、年間200万人の予約が殺到したという世界的な有名店でした。この映画は、創造性豊かなメニューの数々で知られるエル・ブリの発想の根源に迫ったドキュメンタリーです。
レストランがテーマになっていますが、観ていてお腹が鳴るような映画ではありません。どちらかというと、クリエイティビティが刺激される映画。ものづくりをしている人なら、もっと思いきったデザインの作品を試したくなるかも知れませんし、アイデアで勝負している人なら、今の殻を打ち破る新しい視点が欲しくなる感じです。
エル・ブリは、1年の半分、店を閉めて、新メニューの開発に取り組みます。そのメンバーはオーナーシェフのフェラン・アドリア(Ferran Adrià)の他、オリオール・カストロ(Oriol Castro)、エドゥアルド・チャトルック(Eduard Xatruch)といった10年以上この店で働いているシェフたち。
オープニングは、風光明媚な海岸、ロセス(Roses)にある店から調理器具を車に積んでバルセロナへ向かうシーンから。市内の市場で多様な素材を仕入れてきては、クッキングスタジオのようなキッチンで、さまざまな調理法を試します。
面白いのは、試作したものはすべてデジカメで撮影して、調理プロセスをPCに入力して、データベース化していること。記録し忘れると、ものすごい勢いで怒られます。
撮影された年のテーマは水(agua)。もちろん水だけでは料理になりませんので、多くの秋冬の素材で試作するのですが、マツタケやサツマイモをはじめ、日本の素材もたくさん登場います。特にカキ(柿)やユジュ(柚子)などは、日本語が訛った状態で頻繁に会話に出てましたし、最終メニューには梅干しを模したチェリーも入っています。ちなみにその年のメニュー(日本語)はこちら。
調理法で多いのが真空調理とエスプーマ。私自身、映画「ファイティング・シェフ」のブログに書いたように、あまりその手の料理は好きではないのですが、彼らの真摯な仕事ぶりを見ていると、ちょっと味わってみたくなるのが不思議です。
映画の後半は、開発期間を終えて店に戻り、新入りのシェフを鍛えながら、味とサービスを完成させていく場面。
どの組織でも、いちばんたいへんなプロセスだと思いますが、偉いなぁと思ったのは、フェラン・アドリアが全スタッフを集めて、学校の先生のように講義をすること。面倒見の良い、親分肌の人のようです。
公式サイト
エル・ブリの秘密 世界一予約のとれないレストラン(El Bulli: Cooking in Progress)facebook
[仕入れ担当]
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