映画「サラの鍵(Elle s'appelait Sarah)」
「イングリッシュ・ペイシェント」や最近では「ノーウェアボーイ」で知られるクリスティン・スコット・トーマス(Kristin Scott Thomas)主演のフランス映画です。大戦中と現代の二つの時代を往き来しながら悲しい物語が展開しますが、原作のおかげか後味の悪い映画ではありません。
映画「黄色い星の子供たち」で詳しく描かれていたフランス・ヴィシー政権によるユダヤ人迫害。収容先である冬季競輪場(Vélodrome d'Hiver)に因んで、ヴェル・ディヴ事件(Rafle du Vel' d'Hiv)と呼ばれるそうです。「サラの鍵」でもこの事件が下敷きになっています。
映画は1942年6月、フランス警察がユダヤ人一家のドアを叩くシーンでスタート。幼い弟とベッドの上で戯れていた少女サラは、これから連行されることを察し、弟を納戸に隠して鍵をかけます。そして家族は、弟を残したまま冬季競輪場に強制収容。
そして現代。クリスティン・スコット・トーマス演じる女性ジャーナリスト:ジュリアが、フランス人の夫の祖父母から譲り受けたマレのアパートに、大戦中、ユダヤ人家族が暮らしていたことを知ります。さらに取材を進めると、アウシュビッツに送られたのはその家族の両親だけで、幼い姉弟は行方不明のままということが判明。
アメリカ人のジュリアは、戦中の混乱に紛れたフランス人(=夫の祖父母)の略奪を疑い、行方不明になっているユダヤ人姉弟の行方を知ろうと奔走します。そんな中、長期の不妊治療の結果、年齢的に難しいと諦めていた妊娠の兆候が……。
収容所に送られたサラがどのように生きていったか、そして人生の転機を迎えたジュリアがどのように生きていくか、それぞれの生き方を重ねながら、生きること、愛することの選択を描いていく映画です。
個人的には少女時代のサラを演じたメリュジーヌ・マヤンス(Mélusine Mayance)の演技が印象的でした。映画「リッキー」で演じたシングルマザーの娘もうまかったと思いますが、今回も迫真の演技だったと思います。
映画化の都合で展開を速めたせいだと思いますが、ジュリアの取材が傲慢だったり彼女の性格が気まぐれに見える部分もあるのですが、感動的な終盤を含め、よくできた物語だと思います。原作をじっくり読んでみたいと思った映画でした。
公式サイト
サラの鍵(Sarah's Key)
[仕入れ担当]
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