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2013年10月11日 (金)

ラテンビート映画祭「アイム・ソー・エキサイテッド!(Los amantes pasajeros)」

Pasajeros0 今年で10周年を迎えたラテンビート映画祭。そのオープニング作品です。

監督はスペインの巨匠、ペドロ・アルモドバル(Pedro Almodóvar)。この映画祭では、一昨年の「私が、生きる肌」に続く上映となりますが、オープニングセレモニーで行われた主催者挨拶によると、同監督の「バッド・エデュケーション」がこの映画祭の第1回上映作品だったそうで、何かと縁のある監督のようです。

その「バッド・エデュケーション」に出演していたハビエル・カマラ(Javier Cámara)が、今回の「アイム・ソー・エキサイテッド!」にも出演していて、女優のブランカ・スアレス(Blanca Suárez)と共に舞台挨拶に立ち、終映後の質疑に答えていました。

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映画の内容はというと、はちゃめちゃなコメディです。主催者は「アルモドバル監督にはゲイを扱った作品が多いが、今回はオカマ(maricón)の映画」と解説していましたが、お下劣なネタがてんこ盛りですので、ご家族で楽しむような作品ではありません。

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幕開けは、駐機場で旅客機の車輪留めを外していた空港職員がちょっとしたトラブルを起こすシーン。いきなりペネロペ・クルス(Penélope Cruz)とアントニオ・バンデラス(Antonio Banderas)が登場するので、さぞ重要な場面かと勘違いしますが、実はその後の展開にはほとんど無関係です。

離陸後に車輪が出せなくなっていることがわかり、メキシコに向かう予定を変更して、トレド上空を旋回しながら緊急着陸の指示を待つことになります。機長は、クレームが出ないように、エコノミークラスの乗客の飲み物に睡眠薬を入れて眠らせてしまい、機長と副操縦士以外で起きているのは、ビジネスクラスの乗客と、担当の客室乗務員だけという状況に……。

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この客室乗務員たちが、ゲイというかオカマというか、クセのある3人組なのですが、ビジネスクラスの乗客たちも負けず劣らず一癖ある人物ばかり。飛行中の旅客機という密室の中で、これらの人々が繰り広げる人間模様をおもしろ可笑しく描いていきます。

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終映後の質疑応答でハビエル・カマラが、この映画はルイス・ブニュエル(Luis Buñuel)監督の「皆殺しの天使(El ángel exterminador)」の影響を受けていると語っていましたが、閉鎖された空間の不条理さという意味で似ているかも知れません。

とはいえ、この映画は不条理劇ではなく、スラップスティックに近いコメディですので、金融機関や王室、薬物の密輸や闇社会の結び付きなどを風刺しつつも、笑いをとることを最優先している印象です。そういう意味で、英題や邦題になっている、ポインターシスターズの"I'm So Excited"、これを客室乗務員たちが踊るシーンが実は最高の見せ場なのかも知れません。

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原題の"Los amantes pasajeros"というのは、おそらく「旅する恋人たち」という意味に「束の間の愛人たち」という意味を重ねているのだと思いますが、いずれにしてもこの映画の根底にあるのは恋愛の多様さです。そのあたりがアルモドバルの持ち味というか、得意技というか、この映画を単なるドタバタ喜劇以上のものにしている由縁です。

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彼の作品では衣装に有名デザイナーの作品を使うことも多いのですが、本作の衣装担当はDavid Delfínという若手だそうです。彼のサイトを見ると、これがなかなかのイケメンで、アルモドバル的な人選なのかも知れませんが、客室乗務員の制服からあらゆる衣装についてアルモドバル的な感覚に彩られています。

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最後に出演者について少し。

今回来日したハビエル・カマラが「トーク・トゥ・ハー」、ブランカ・スアレスが「私が、生きる肌」で重要な役を演じていた他、「ボルベール」のロラ・ドゥエニャス(Lola Dueñas)、「オール・アバウト・マイ・マザー」のセシリア・ロス(Cecilia Roth)、「抱擁のかけら 」のカルメン・マチ(Carmen Machi)、そしてペネロペ・クルスやアントニオ・バンデラスといったアルモドバル作品の俳優たちがたくさん出ていますし、印象的なキャラクターを演じた「気狂いピエロの決闘」のカルロス・アレセス(Carlos Areces)など、スペイン映画の主要な俳優たちを一覧できるような作品です。

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中でも来日したハビエル・カマラ(下の写真の右端、いちばん上の写真も)は、コメディ向きなのか、なかなかノリの良い演技をしていて、舞台挨拶の際も「オ・モ・テ・ナ・シ」の仕種をしてみせたり、「アルプスの少女ハイジ」の主題歌を歌って見せたり、サービス精神旺盛な人でした。

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余談ながら、欧州では「ハイジ」がよく見られていたようで、私も学生時代、フランス人とイタリア人の友人と一緒に「ハイジ」や「キャンディ・キャンディ」で盛り上がった経験があります。

公式サイト
アイム・ソー・エキサイテッド!Los amantes pasajeros

[仕入れ担当]

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