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2013年12月29日 (日)

映画「ブリングリング(The Bling Ring)」

Blingring0 ソフィア・コッポラ(Sofia Coppola)監督の作品にエマ・ワトソン(Emma Watson)が出演するということで話題になりました。ソフィア・コッポラ監督としては、ヴェネチアで金獅子賞を獲った前作「SOMEWHERE」に続く作品、エマ・ワトソンとしては、ハーマイオニー@ハリーポッターからの脱皮に向けて、奔放な高校生を演じた「ウォールフラワー」に続く不良少女役ということになります。

映画の主題はセレブの邸宅を狙った高校生窃盗団。 2008年10月から2009年8月にかけて実際におきた事件を扱った映画です。

原作となったのは2010年にバニティフェア誌に掲載されたNancy Jo Salesの記事“The Suspects Wore Louboutins”(≒ルブタンを履いた容疑者:「プラダを着た悪魔」のもじり)で、原文はこちらにあります。

ごく普通のティーンエイジャーがハリウッド・セレブの自宅に侵入し、1年間で300万ドル相当の盗みを働いていたわけですから、それだけでも話題性抜群ですが、西海岸の三流高校に通う男女や、学校に通わずに自宅学習している姉妹が中心となったグループとはいえ、彼らにまったく罪の意識がないところも、世間に衝撃を与えたようです。

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たとえば、自宅学習している姉妹の1人、エマ・ワトソンが演じたニッキー(実際の名前はAlexis Neiers)など、事件の後、TVのリアリティ番組に出演したり、モデルをしたり、といった具合。ちゃんとウェブサイト(itsalexisneiers.com)もあります。

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それよりも私が気になったのは、その母親ローラ。もうアメリカ的というか何というか、自分のことを棚に上げて、二言目には世界のためだとか、人々を助けるだとか、上滑りな社会貢献を口にする人。日本でも最近、こういう浮薄な人が目立つようになりましたが、さすが本場アメリカ、おバカっぷりもハイレベルです。

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おかげで娘のニッキーも、この犯罪に学びがあったと、セレブ気取りでインタビューに答えていたり、一家揃ってダメな感じ全開です。

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ソフィア・コッポラは、満たされた生活の中の空虚感を掴むのが上手ですが、こういう中身が空っぽな人たちを、何の思想性も絡めずに映画化できるのは、彼女だからこそでしょう。仮にこの感覚を映像に残したいと思う若い監督がいても、彼女のようなバックグラウンドがなければ映画化するのは難しいでしょうし、意識が高い映画監督にはコミットできないネタだと思います。

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そういう意味で、ワイドショーの再現フィルムのような構成ながら、映像には雰囲気がありますし、なかなか興味深い映画だと思います。ちなみに撮影監督は「永遠の僕たち」「SOMEWHERE」のハリス・サヴィデス(Harris Savides)。撮影中に病に倒れ、昨年、55歳の若さで亡くなっています。

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見どころは、コネを活かして、本物のパリス・ヒルトン邸でロケしているあたりでしょうか。グウェン・ステファニーのダンナ、ギャヴィン・ロスデイル(Gavin Rossdale)が、盗品を買い取るクラブオーナー役で出ているあたりもソフィア・コッポラらしい人脈だと思いました。

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公式サイト
ブリングリングThe Bling Ring

[仕入れ担当]

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