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2014年2月14日 (金)

映画「大統領の執事の涙(The Butler)」

0 34年間にわたってホワイトハウスの執事を務めた黒人男性、ユージン・アレン(Eugene Allen)の生涯から着想を得て製作された映画です。

ベースになったのは、黒人で初めてバラク・オバマが大統領に選出された2008年の選挙後にワシントンポストに掲載された“A Butler Well Served by This Election”という記事(原文はコチラ)。監督は「プレシャス」「ペーパーボーイ」のリー・ダニエルズ(Lee Daniels)です。

物語は、第34代のアイゼンハワーから第40代のレーガンまで代々の米国大統領に仕えた執事の目を通して、米国近代史をなぞっていく形で展開します。

映画では、執事の名前がセシル・ゲインズに変えられており、演じたのは「ゴースト・ドッグ」「ラスト・キング・オブ・スコットランド」で異彩を放っていたフォレスト・ウィテカー(Forest Whitaker)。

歴史上のエピソードとしては、ジョン・F・ケネディの就任(写真の少女が駐日米国大使になるのですね)から暗殺に至る部分が大きく扱われますが、全体を通して描いているのは、もちろん公民権運動の史実です。

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特に、セシルの長男ルイスがアフリカ系アメリカ人としての問題意識を持ち始め、セシルが勧めたハワード大学ではなく、テネシー州のフィスク大学に進んだあたりから、その要素が強くなります。折しもケネディが大統領に就任し、黒人学生を守るために連邦軍を派遣した、いわゆるメレディス事件が起こり、1964年公民権法(Civil Rights Act of 1964)を公に提案したことで、公民権運動に光明が見え始めた時代。

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白人の使用人として働いて家族を養ってきた父親と、黒人の権利獲得のために戦うべきだという息子が精神的に対立していくわけですが、この難しい父子関係をどちらの立場も排除せず、温かい視線で描いていくリー・ダニエルズ監督に共感を覚えます。

そして、綿花畑の農奴の子として育ったセシルの複雑な心情を、抑え気味に演じてみせるフォレスト・ウィテカーの技量の高さと、彼の妻グロリアを演じたオプラ・ウィンフリー(Oprah Winfrey)の素晴らしい演技。この難しい題材を扱いながら、単なるイデオロギー映画やお涙ちょうだい映画にならなかったのは、彼らをキャスティングしたおかげでしょう。

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また、ルイス役のデヴィッド・オイェロウォ(David Oyelowo)やそのガールフレンドのヤヤ・アラフィア(Yaya Alafia)が演じた若者の青臭さや、セシルの同僚を演じたレニー・クラヴィッツ(Lenny Kravitz)やキューバ・グッティングJr(Cuba Gooding, Jr.)、隣人を演じたテレンス・ハワード(Terrence Howard)といったリアリティある共演者たちも良かったと思います。

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その他、大統領役で、ロビン・ウィリアムズ(Robin Williams)、ジョン・キューザック(John Cusack)、アラン・リックマン(Alan Rickman)やリーヴ・シュレイバー(Liev Schreiber)、ファーストレディ役でミンカ・ケリー(Minka Kelly)やジェーン・フォンダ(Jane Fonda)が出演していますし、子ども時代のセシルの母親役でマライア・キャリー(Mariah Carey)、綿花畑の女主人役でヴァネッサ・レッドグレイヴ(Vanessa Redgrave)が出演していて、脇を固めた俳優陣たちの豪華さも見所でしょう。

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リー・ダニエルズ監督の従兄弟は、アフリカ系アメリカ人として初めて小児科医になった人だそうです。黒人の子どもたちが診療を受けられずに死んでいく姿を見かねて医師を目指した方だそうですが、当時、米国に黒人が入学できる医学部はなく、ドイツに渡ってドイツ語を覚え、ようやく医学を学ぶことができたそうです。

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来月にはアカデミー賞の有力候補といわれている「それでも夜は明ける」が公開されます。描かれている時代は1世紀ほど違いますが、その間、米国はほとんど変われなかったわけで、だからこそ、このような映画が作り続けられる必要があるのだと思います。

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舞台挨拶に立ったリー・ダニエルズ監督が、大手製作会社のすべてから出資を断られ、日本を含む世界中で資金を集めてこの映画を作ったと言っていたことが印象に残りました。

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公式サイト
大統領の執事の涙The Butler

[仕入れ担当]

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