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2015年3月 4日 (水)

映画「妻への家路(歸來)」

Home0 監督チャン・イーモウ(张艺谋)、主演コン・リー(巩俐)で文革を巡る悲哀を描くときけば、それほど中国映画好きでなくても気になります。

特にチャン・イーモウは、北京オリンピックの式典を演出するなどバリバリの体制側。また、シンガポール国籍をとって全国政治協商会議から外れたとはいえ、コン・リーも中国政府とはそれなりに近い位置にいるでしょうから、この中国映画界を代表する2人が、いまだセンシティブな文革をテーマにするとは、時代が変わったということなのでしょう。

そんな思いで観に行ったのですが、意外にというか、当然というか、文革そのものに対する言及はみられず、文革によって起こった出来事を物語の設定に使っているだけでした。その後、チャン・イーモウ監督のインタビュー記事を読んだら、原作となったゲリン・ヤン(严歌苓)の小説には、主人公が下放される経緯が記されていたが、その部分は映画にしなかったとのこと。上っ面を変えても、やはり共産党は共産党ということですね。

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物語は、文革で西域に下放された大学教授が脱走を図り、妻に会うために自宅に向かうところから始まります。

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もちろん自宅は監視されていて、妻と娘は、彼と会わないように役人から厳命されています。しかし、ドアの隙間から差し込まれた手紙を見た妻は、いてもたってもいられなくなり、指定された時刻に夫が待つという駅へ。

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結局、大学教授は妻に会う寸前に、官憲に捕えられてしまうのですが、そこで妻が持参するのが大量の饅頭(マントウ)。せっせと小麦をこねて蒸籠で蒸す姿から、夫に対する愛情がひしひしと伝わってくるシーンです。

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それから数年後。おそらく1977〜8年あたりでしょうか、文革が終わり、夫は名誉回復を果たして自宅に戻ってきます。しかし、妻は一種の心の病で、夫のことを思い出せなくなっています。正確にいうと、思い出の中の夫はリアルなのですが、目の前に立つ現実の夫を、夫だと認識できないのです。夫が下放された後、恩着せがましく、つけ込んできた党員の男性だという思い込みから離れられません。

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帰ってくるはずの夫を一途に待ち続ける妻と、すぐ近くにいながら妻に受け入れられない夫。夫は他人として近所で暮らしながら、娘の力を借り、妻の記憶を取り戻すための奮闘を続けます。その切なくもコミカルな関係を、ゆったりとしたタッチで描いていく作品です。

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この映画の見どころは、何といっても、呆けてしまった妻フォン・ワンイー(冯婉瑜)を演じきったたコン・リーの演技力でしょう。純真さと意固地さを重ね合わせた微妙な表情は、さすがコン・リーだと思いました。

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夫ルー・イエンシー(陆焉识)を演じたチェン・ダオミン(陈道明)、娘タンタン(丹丹)を演じたチャン・ホエウェン(张慧雯)も好演していたと思います。特に劇中でバレエを踊って見せたチャン・ホエウェンは、チャン・ツィイー(章子怡)を輩出した北京舞蹈学院の卒業生ということで期待の新人のようです。

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チャン・ツィイーといえばデビュー作「初恋のきた道」で餃子を抱えて走るシーンが印象的でしたが、本作でもちゃんと餃子を届けるシーンが登場します。チャン・イーモウ作品に餃子は欠かせないようですね。

公式サイト
妻への家路

[仕入れ担当]

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