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2015年4月13日 (月)

映画「パレードへようこそ(Pride)」

00 サッチャー政権下で炭坑労働者のストライキを支援した同性愛者のグループを描いた作品です。

ウェールズの田舎町で暮らすマッチョな炭坑夫たちを、ロンドンで暮らすゲイやレズビアンたちがサポートするという、ホラ話としても出来が悪すぎるような物語が、ほぼ実話ベースというのですから驚きます。先日「イミテーション・ゲーム」を観て、1950年代英国のゲイの処遇に驚いたばかりですが、それから四半世紀後を舞台に、まったく異なる背景を持つ人たちが、共に抑圧されているという共通項で連帯していく心温まる群像劇です。

監督のマシュー・ウォーチャス(Matthew Warchus)はこれが長編第2作目。といっても新人ではなく、映画「おとなのけんか」のベースになった舞台劇でトニー賞を受賞するなど、舞台で長いキャリアを持つ人です。

主人公の一人はロンドンで暮らすマーク(Mark Ashton)。最近、ゲイに暴力を振るう警官が減ったと思っていたら、炭坑閉鎖に反対するストライキのニュースを見て、あの警官たちが炭鉱労働者たちをいじめていることに気付きます。同じ虐げられているもの同士、何とか連帯できないものかと、1984年のゲイパレードで炭鉱労働者支援の募金活動を行います。

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さらっとしか描かれていませんが、ゲイ仲間から"commie"と呼ばれているあたりからみて、どうやら共産主義者として知られている人だったようです。労働組合や連帯をテーマにしながらも、左翼的になり過ぎないところは、この監督のバランスの良さだと思います。

もう一人の主人公であるジョーは、ゲイであることを両親に隠している郊外の青年。料理学校に通うという名目でロンドンに出てきて、ゲイパレードに参加してマークたちと知り合います。彼の成長譚、つまりゲイとしての生き方を見つけていくあたりも、この映画の1つの軸になっています。

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そして、ゲイ専門書店の主であるゲシンも中心人物の一人。ウェールズ出身で、炭坑町のマッチョな気風に馴染めなくてロンドンに出てきたという経歴の持ち主ですが、炭坑労働者の支援を通じて、長いこと疎遠にしていた故郷と和解していく姿も大切なサイドストーリーです。

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ちなみにこの"Gay's the Word"という書店、ロンドンのブルームズベリーに実在し、今年36周年を迎えたそうです。冒頭のゲイパレードの後でこの書店に集まったとき、店内でザ・スミスの"What Difference Does It Make"が流れているのもなかなか良い感じ。やはりアンチ・サッチャリズムといえば、まずこのバンドですよね。

マーガレット・サッチャーは、首相を退任して20年以上経って亡くなったにもかかわらず、葬列に背を向けて立つ人たちがいたくらいの政治家ですから、この時代にはさまざまなカウンターカルチャーが生み出されました。この映画でも、そんな時代を象徴する音楽がたくさん使われています。

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それはさておき、ゲイパレードで集めた募金をデュライス炭坑(Dulais)に寄付をしたマークたちは、炭坑町の集会に招待されます。もちろん、炭坑町の側にも賛否両論あり、彼らが到着した後にも一悶着ありますが、次第に打ち解けていきます。

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一時はうまく行くかに見えかけたものの、ゲイに偏見を持つ人の告げ口で新聞ネタになり、また逆風が吹き始めます。

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しかしそれを逆手にとるマーク。新聞に載って注目を集めているのだからと、大々的にチャリティコンサートを開こうと提案します。題して"Pits and Perverts"コンサート。Pitsは炭坑夫たち、Pervertsは倒錯者たちの意味で韻を踏んだわけですね。時は1984年12月10日。ストは42週目に入り、厳しい状況だったようですが、コンサートは大成功を収めて多額の寄付が集まります。

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それで、めでたし、めでたし、とならず、さらに紆余曲折があるところが実話ベースの面白いところですが、最終的にはハッピーエンディングを迎えますのでご安心を。とにかく明るくて楽しい映画です。

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出演者としては、有名どころでは炭坑町の組合書記を演じたビル・ナイ(Bill Nighy)。このブログでも「パイレーツ・ロック」を取りあげています。炭坑町でゲイ受け入れを主張する女性を演じたイメルダ・スタウントン(Imelda Staunton)は「ウッドストックがやってくる」などに出ていたベテラン女優です。

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また、炭坑町の代表としてゲイたちとの接点となるダイを演じたパディ・コンシダイン(Paddy Considine)は「思秋期」の監督。ゲイの側では、ジョーを演じたジョージ・マッケイ(George MacKay)は「サンシャイン/歌声が響く街」でデイヴィー役だった人、ゲシンを演じたアンドリュー・スコット(Andrew Scott)は「ジミー、野を駆ける伝説」で若いシーマス神父を演じた人です。

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公式サイト
パレードへようこそPride

[仕入れ担当]

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