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2015年6月 3日 (水)

映画「ジェームス・ブラウン(Get on Up)」

Jb00 先日も「JIMI」をご紹介したばかりですが、今年は音楽映画と縁があるようで、正月の「デヴィッド・ボウイ・イズ」から「はじまりのうた」「君が生きた証」「セッション」と、なぜか毎月、ミュージシャンを題材にした映画を取りあげているこのブログ。今回はファンクの帝王、ジェームス・ブラウン(James Brown)の伝記映画です。

日本でも、カップヌードルのCMなどを通じて広く知られているミュージシャンですが、よほどのマニアでない限り、彼の生い立ちについて詳しく知らないと思います。あの傑出した人物が、どのように世に出てきたのか、それを2時間半で描いた映画です。

監督は映画「ヘルプ」のテイト・テイラー(Tate Taylor)。今回も黒人問題を扱っていますが、監督自身は白人で、以前は俳優として活動していた人です。ジェニファー・ローレンスの保証人の役で「ウィンターズ・ボーン」に出ていました。

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そして本作の主人公であるジェームス・ブラウン、JBを演じたのは、チャドウィック・ボーズマン(Chadwick Boseman)。実際のJBは、何人ものミュージシャンとのコラボレーションを通じて、多くの才能を開花させた人物だったそうですが、この映画では彼の独善性や金銭欲といった部分にスポットを当てている関係で、見ようによってはひどい人間に描かれています。

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そういった我が儘な部分を前面に押し出しながら、傲慢さと愛嬌を併せ持つ特異なキャラクターを巧みに演じ、魅力的な人物に見せているチャドウィック・ボーズマンの演技は一見の価値ありでしょう。歌唱シーンは実際のJBの音源を使っているそうですが、動きといい、喋り方といい、とってもリアリティがある演技も見どころの一つです。

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映画は、JBの少年時代と大人になってからの時代を往き来しながら展開していく形式。スタートはショットガンを持って警官隊とカーチェイスになった有名な事件のシーンで、これで服役した後、日本でCMに出るわけですが、そのあたりは割愛されていて、少年時代の場面に続きます。

その中で、暴力を振るう父親、自分を残して出て行ってしまった母親、育てての親である娼館の経営者の叔母といった、彼の人格形成に影響を与えたさまざまな人々との関係が語られていくわけです。

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彼が育った1940年代はまだ黒人へのリンチが行われていた時代です。本作にも、ビリー・ホリデイが歌ったような(時代は違いますが「それでも夜は明ける」にあったような)縛り首にされた遺体から、こっそり靴を盗んでくるシーンなど、随所に時代性を感じさせるエピソードが織り込まれます。

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そういった意味では、キング牧師が暗殺された1968年4月4日の翌日、ボストンで行われたコンサートを描いたシーンもポイントです。JBのファンの大多数が黒人であることから当局はコンサートの中止を要請しますが、それを押して決行。ステージに上がろうとするファンを押し戻す警官を制して、客席に語りかけるJBの言葉に、彼の黒人問題に対する考え方がよく表れています。

ちなみに、このコンサートの実際の映像は“Live At Boston Garden: April 5, 1968”というタイトルでDVD化されていて、当時のJBの対応もYoutubeで観ることができます。ついでながら、JBと終生親しかったボビー・バード(Bobby Byrd)を本作で演じているネルサン・エリス(Nelsan Ellis)は、「大統領の執事の涙」でキング牧師を演じていた人ですね。

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また、本物のJBと「ブルースブラザーズ」で共演していたダン・エイクロイド(Dan Aykroyd)が、JBのプロデューサーだったベン・バート(Ben Bart)の役で出ていたり、アルバム“Who Is Jill Scott?”や“Beautifully Human”で有名なミュージシャンのジル・スコット(Jill Scott)がJBの妻の一人、ディーディー・ブラウン(DeeDee Brown)の役で出ています。

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それ以外にも「ヘルプ」に出ていたヴィオラ・デイヴィス(Viola Davis)やオクタヴィア・スペンサー(Octavia Spencer)といった実力派女優が、それぞれJBの母親、叔母を演じ、チャドウィック・ボーズマンの演技を支えているあたりもこの映画の魅力です。

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公式サイト
ジェームス・ブラウン最高の魂(ソウル)を持つ男Get on Upfacebook

[仕入れ担当]

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