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2016年12月26日 (月)

映画「マイルス・デイヴィス 空白の5年間(Miles Ahead)」

00 先週のチェット・ベイカーに続いて、今回もジャズプレイヤーを主人公にした映画です。マイルス・デイヴィスが音楽活動を休止していた1979年頃を中心に、史実を織り交ぜながら創作のサスペンスが展開します。

監督と主演は「ホテル・ルワンダ」のドン・チードル(Don Cheadle)。スーパーヒーロー映画への出演が目立ちますが、「ヴィンセントが教えてくれたこと」のエグゼクティブプロデューサーを務めるなど仕事の枠を拡げている人です。本作も彼自身が数年来あたためてきた企画だそうで、マイルス・デイヴィスを研究し尽くしたというだけあって素晴らしい熱演です。物語の作りも、ちょっと盛り込みすぎのような気がしないでもありませんが、初監督作品ということですので、個々のエピソードに思い入れがあるのでしょう。

もちろん、音楽へのこだわりも非常に強く、マイルス・デイヴィスの甥、ドラマーのビンス・ウィルバーンJr.(Vince Wilburn Jr.)をプロデューサーに迎えたことが奏功したのか、遺族の協力が100%得られたそうで、オリジナルの楽曲がふんだんに使われています。

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また、音楽を担当したロバート・グラスパー(Robert Glasper)の曲も聞かせます。特にエンディングの“What’s Wrong With That?”(→vimeo)は、マイルス・デイヴィスに扮したドン・チードルを中心に、マイルス本人と共演していたハービー・ハンコック(Herbie Hancock)がキーボードを弾き、ウェイン・ショーター(Wayne Shorter )がサックスを吹くという豪華版。

そのうえ、ドラムに「バードマン」「セッション」のアントニオ・サンチェス(Antonio Sanchez)、ベースに今をときめくエスペランサ・スポルディング(Esperanza Spalding)と新たな才能を取り込み、必聴の1曲になっています。ちなみに、実際にトランペットを吹いたのはケヨン・ハロルド(Keyon Harrold)だそう。先週に続き、本作のサントラも買ってしまいました。

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マイルス・デイヴィスが、麻薬と鎮痛剤の影響で演奏活動から遠ざかり、自宅に引きこもってテープを編集していると、ローリングストーンズ誌のライターだと名乗るデイヴ・ブレイデンが訪ねてきます。復帰の噂を聞いたが、それに向けてインタビューしたいという用件。追い払おうとしますが、諸々あって、結局は一緒にコロンビアレコードに向かうことになります。

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重役室に乗り込み、自分の音楽を勝手に売るなと文句を言うマイルス。横で聞いていたA&R担当のケン・シュウィンが、契約してレコーディング代も会社が払っているのだからテープは法的に会社のもの、と言ったところ、ぶち切れたマイルスが拳銃をぶっ放して周りを震え上がらせます。そして、そこでせしめた紙幣を持って、デイヴの知り合いのドラッグディーラーの部屋に。

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そこでまた一悶着あってようやくコカインにありつくのですが、その間、マイルスが自分のアルバムについて持論を語ったり、ディーラーのガールフレンドが“Freddie Freeloader”のイントロを口ずさんだり、作り手のマイルス愛がじわっと滲み出す場面でもあります。どうやらドン・チードルのお気に入りのアルバムは、劇中で言及される“Sketches of Spain”と、この曲が収録されている“Kind of Blue”のようですね。

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その後、マイルスの自宅から編集済みのテープが持ち去られ、それをマイルスとデイヴが追う流れになります。ボクシングのリングやジャズクラブなど、それっぽい舞台を使って展開するサスペンス物語と、マイルスの別れたばかりの妻、フランシス・テイラーとの思い出が入れ子になり、現在と過去を行き来しながらマイルス・デイヴィスの人となりを描いていきます。

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ライターのデイヴ・ブレイデンはまったく架空の人物で、本作のための創作だそう。そのデイブを演じたのが「砂漠でサーモン・フィッシング」「インポッシブル」のユアン・マクレガー(Ewan McGregor)。歳を感じさせない人ですね。こういう物語ですからコカインを吸引するシーンが出てくるのですが、ふと「トレインスポッティング」を思い出してしまいました。来年は「トレインスポッティング2」が公開されるようですが、それも楽しみですね。

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公式サイト
MILES AHEAD/マイルス・デイヴィス 空白の5年間Miles Ahead

[仕入れ担当]

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