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2018年2月27日 (火)

映画「ウイスキーと2人の花嫁(Whisky Galore)」

00 原題は“ウィスキーたっぷり”という意味。1941年にスコットランド西岸、ヘブリディーズ諸島で起きた貨物船座礁事故から着想を得て作られた古い映画のリメイクで、積荷のウイスキーを勝手に持ち出した島民たちを描く、ほのぼのとしたコメディ作品です。

ナチスとの戦争でウイスキーの配給が止められてしまい、島民たちは鬱々とした日々を過ごしています。郵便局長のジョセフ・マクルーンもその一人。妻を失ってから男手一つで二人の娘を育ててきましたが、姉のカトリーナは地元教師のジョージ、妹のペギーは北アフリカ戦線から帰還したオッド軍曹と交際中で、彼女たちが結婚して出て行く日のことを思うと、なおさら落ち込みます。

娘たちにとってもウイスキーの配給停止は由々しき事態です。なぜなら婚約パーティでウイスキーを振る舞うのがこの島の伝統だから。ウイスキーなしでは結婚どころか、婚約すらできないのです。

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そんなある日、近くの岩礁で貨物船の海難事故が起きます。救命ボートで脱出した乗組員に積荷は何かと訊くと、米国に輸出されるウイスキー5万ケースという答え。乗組員たちは早々に本土に帰ってしまいましたが、貨物船はウイスキーを積んだまま沖合に放置されていて、ウイスキーが枯渇した島民たちにしてみれば、このまま沈没させるのはあまりにも惜しい。

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安息日が終わるのを待ち、真夜中に小舟を出すほど信心深い島民たちですが、もちろん行き先は座礁した貨物船。船倉には見慣れたブランドだけでなく、国内では飲めない輸出専用のウイスキーまであります。せっせと運び出して入り江に隠す島民たち。久しぶりのウイスキーで挙げる祝杯は格別です。

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もちろん、ウイスキーの勝手な陸揚げは違法です。普段は民兵の訓練をしているワゲット大尉が積荷を守る任務を負いますし、積荷は保税貨物ですから本土から税関吏もやってきます。そしてウイスキー好きの島民たちとの攻防が始まります。

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攻防といっても可愛らしいものです。たとえばワゲット大尉から貨物船を見張るように命じられたオッド軍曹。自分の結婚がかかっていますので、顔見知りの民兵に歩哨の襲い方を指導して、わざと縛られてしまいます。地元の名士であるはずの牧師も医師もウイスキー派ですし、ワゲット大尉の妻でさえも、どちらかというと島民たちの味方です。

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物語のベースになるのは、マクルーン家の娘2人の結婚話と、一癖も二癖もある島民たちと官吏たちの追いかけっこ。そこにほんの少し興を添えているのが、原作にはなかったというウィンザー公のエピソードで、積荷の中に“王冠を賭けた恋”の秘密が含まれていたという設定が用意され、そのために島に渡ってきた謎のツィード業者ブラウンが随所で顔を見せます。

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率直に言って他愛ないストーリーですが、出演者たちが揃いも揃ってチャーミングで、気持ち良くエンディングまで楽しめる映画です。また、実話の舞台であるエリスケイ島の代わりにロケ地となった、スコットランド東岸アバディーンシャーにあるポートソイ(Portsoy)の景色が美しいこと。このような物語にぴったりな、のんびりした雰囲気がとても良い感じです。

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出演者にそれほど有名な俳優はいませんが、郵便局長ジョセフを演じたグレゴール・フィッシャー(Gregor Fisher)は「ラブ・アクチュアリー」でビル・ナイ演じるロックスターのマネージャー役だった人。カトリーナ役のエリー・ケンドリック(Ellie Kendrick)は「17歳の肖像」で主人公の同級生、その恋人ジョージ役のケヴィン・ガスリー(Kevin Guthrie)は「サンシャイン/歌声が響く街」でエディンバラに帰ってきた帰還兵アリーを演じていました。牧師役のジェームズ・コスモ(James Cosmo)はこれまたエディンバラが舞台の「T2 トレインスポッティング」で主人公のお父さん役でしたね。

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監督を務めたギリーズ・マッキノン(Gillies MacKinnon)は、ケイト・ウィンスレット主演の「グッバイ・モロッコ」を撮った人。「愛を読むひと」のブログで触れたように、私の大好きな映画の一つです。

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公開を記念して、劇場ではグレート・ハイランド・バグパイプの生演奏がありました。バグパイプというと普通、キルトスカートをはいたむさ苦しい中年男性をイメージするかと思いますが、このときの演奏者はAllyさんという若い女性。おかげさまで珍しい体験ができました。

Bagpipe

公式サイト
ウイスキーと2人の花嫁Whisky Galorefacebook

[仕入れ担当]

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