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2018年2月19日 (月)

映画「欲望の翼(阿飛正傳)」

00 ウォン・カーウァイ(王家衛)監督がアートディレクターを務めた展覧会のドキュメンタリー「メットガラ ドレスをまとった美術館」を観て、この監督の作品をまた劇場で観てみたいと思っていたら、タイミング良く、Bunkamura でデジタルリマスター版の上映が始まりました。

この監督にとって2本目の作品ですが、実質、これでデビューしたといって良いでしょう。本作が1991年の金馬奨で監督賞に輝き(作品賞は「牯嶺街少年殺人事件」)、次作「恋する惑星」で世界に知られるようになります。

あまりにも有名なセリフ「1960年4月16日3時1分前、君は僕といた(一九六零年四月十六號下午三點之前的一分鐘你和我在一起)」のシーンで始まるこの映画、ご存知のようにストーリーそのものは大したことありません。

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養母レベッカに育てられ、実母に会いたいと願っている不良青年(阿飛)ヨディが、サッカー場の売り子スーを口説き落とし、ダンサーのミミに乗り換えて、最後は実母がいるフィリピンに旅立つというお話(正傳)。そこにヨディの幼なじみサブと警官タイドが絡んできますので、一種の青春群像劇なのかも知れません。

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ベースになるのはヨディとスーとミミの三角関係なのですが、この3人を演じる役者が最大の見どころでしょう。ヨディ役をレスリー・チャン(張國榮)、スー役をマギー・チャン(张曼玉)、ミミ役をカリーナ・ラウ(刘嘉玲)というこれ以上望めないような配役です。

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さらに、サブ役をジャッキー・チュン(张学友)、タイド役をアンディ・ラウ(刘德华)、レベッカ役をレベッカ・パン(潘迪華)が演じた上に、意味不明なチョイ役でトニー・レオン(梁朝偉)が登場するという超豪華版。

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そしてもう一つの見どころが、ウィリアム・チャン(張叔平)の美術と、クリストファー・ドイル(Christopher Doyle)の撮影。どのシーンを切り取っても絵になります。

特にクリストファー・ドイルの映像は、足元から仰ぐように撮ったり頭上から俯瞰で撮ったりと撮り方も多様ながら、技術的にもフィルターで色を変えたりコマ落とししたり当時としては画期的でした。

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いま観ても、顔が画面に入りきらないほど寄ったり、手持ちカメラでズームしたりといった、あの独特の映像にはシビレます。これを観たことが呼び水になり、改めてウォン・カーウァイとクリストファー・ドイルの世界が堪能したくなって、思わず4枚ほど買い込んでしまいました。同じことを思う人も多いようで、Bunkamura では「ブエノスアイレス」と「花様年華」の特別上映(→詳細)があるそうです。

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初公開時、私はこの作品で初めてレスリー・チャンを観て“色気のある俳優さんだな”と関心をもったのですが、この後の出演作「さらば、わが愛/覇王別姫」で彼の凄さに驚愕することになります。

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この頃から香港映画が急激に開花し、マギー・チャンも本作や「ロアン・リンユィ 阮玲玉 」で一線に躍り出たと記憶しています。彼女はその後フランスへ渡り、オリヴィエ・アサヤス監督と結婚していた時期もありました。カリーナ・ラウはそのままトニー・レオンと結婚しましたね。

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マギー・チャンもカリーナ・ラウも最近は見かけなくなってしまいました。レスリー・チャンはご存知のようにマンダリンホテルから飛び降りてしまいましたので、もういません。日本にも多くのファンがいた関係で、日比谷公園には彼を偲んで有志が寄贈したベンチがあります。

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そういったわけで、旧作にもかかわらず、やたら混んでます。私が行った回は Bunkamura の広い方の劇場が最前列までほぼ満席でした。事前予約が必須です。

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公式サイト
欲望の翼 デジタルリマスター版

[仕入れ担当]

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