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2019年1月14日 (月)

映画「ヴィヴィアン・ウエストウッド 最強のエレガンス(Westwood: Punk, Icon, Activist)」

00 ヴィヴィアン・ウエストウッド(Vivienne Westwood)といえばマルコム・マクラーレンやセックス・ピストルズに連なるパンクムーブメントの産みの親ということでストリートのイメージが強かったのですが、この映画を観に行って、邦題に添えられた“最強のエレガンス”が単なる反語的アイキャッチでないことがよくわかりました。この上なく優雅でスタイリッシュな存在です。

ヴィヴィアン・ウエストウッド本人と周辺の人々へのインタビューを軸に、ニュースやコレクションの映像を交えて展開していく本作。

主なインタビュイーは彼女の公私にわたるパートナーであるアンドレアス・クロンターラー(Andreas Kronthaler)、2人の前夫との間に生まれた息子ベンジャミンとジョセフ、Vivienne Westwood Ltd.のCEOであるカルロ(Carlo D'Amario)で、ブランドの歴史について家族の内輪揉めのようなネタまでオープンに語ります。

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たとえば、マルコム・マクラーレンに対する評価。ブランドの立役者でもあるわけですから、アイコン的に祀られているのかと思っていたら実は非常にネガティブで、ヴィヴィアンやカルロはともかく、彼の実子であるジョセフさえも、あれは口先だけの男だとこきおろします。揃いも揃って死者にムチ打つのは如何なものかと思いつつも、この明け透けな語りこそパンクな生き方なのかと思って興味深く観ました。

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今や一流ブランドの一角を占めるに至りましたが、当然ながら紆余曲折を経て築き上げられたVivienne Westwoodブランド。驚いたのは、ヴィヴィアン・ウエストウッド本人が生活保護を受けるまで落ち込んだ時期があったということ。上に記した話ともつながりますが、アルマーニ(Giorgio Armani)との提携で乗り切ろうとした際、マルコム・マクラーレンから物言いがついて契約が結べなかったそう。

また、BBCに出演した際のスー・ローリー(Sue Lawley)の屈辱的インタビューにも驚きました。映画「ボヘミアン・ラプソディ」もBBCの官僚的スタイルを嗤っていましたが、20世紀のBBCは何から何まで上から目線だったのでしょう。

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ちなみにヴィヴィアン・ウエストウッドは1941年生まれ、スー・ローリーは1946年生まれで彼女より5歳年下。さらに言えば、ヴィヴィアン・ウエストウッドはこの3年後の1992年にOBE(大英帝国四等勲爵士)、2006年にDBE(大英帝国二等勲爵士)を受けていますが、スー・ローリーは彼女から10年遅れて2001年にOBEを受けたのみの格下です。
そのときのTV映像は本作の予告編(Youtube)で一部を、ここ(Youtube)で全編が観られますのでご興味のある方はどうぞ。

映画を観ると、ヴィヴィアン・ウエストウッドは思いの外に慎ましく、ど根性で困難を乗り越えてきた人だとわかります。彼女はまずアートスクールに入学するのですが、自分のようなワーキングクラスがアートで生計を立てるのは難しいと気付いて退学し、働きながら教員養成学校に通って教師になります。そこで結婚と出産、離婚を経てマルコム・マクラーレンと出会い、服作りを始めるのですが、自分だけでは手が足りず、母親にも縫ってもらっていたということです。

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そういった一家総出の努力もあって、キングスロード430番地の店がパンクファッションの聖地となるわけですが、その時点では経済的にはあまり恵まれていなかったようです。マルコム・マクラーレンと別れた後にようやくファッションデザイナーとしての地歩を固めていくことになります。

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彼女を有名にした作品の一つにスーパー・エレベイテッド・ギリー(Super Elevated Gillie)があります。93年のパリコレで、この9インチの靴を履いてランウェイを歩いていたナオミ・キャンベル(Naomi Campbell)が転んで注目を浴び、ヴィヴィアン・ウエストウッドを象徴する作品の一つになっています。現在はV&Aのコレクションに入っているのですが(ここ)、なんと全高が30.5cmもあるのですね。こういうデザインができるのが彼女らしさなのでしょう。

映画では、このときの思い出話をナオミ・キャンベルが語る他、ヴィヴィアン・ウエストウッドの大のお気に入り、ケイト・モス(Kate Moss)が“あなたとなら女性同士の恋愛もアリかもと言われたの”と打ち明けます。また“そこそこ知られたラッパーなんだけど”と自己紹介したタイニー・テンパー(Tinie Tempah)に、最近の音楽は聴いていないとさりげなく切り捨てるあたりにもヴィヴィアン・ウエストウッドらしさを感じました。

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現在はコレクションの大部分をアンドレアスに任せ、自身は地球温暖化防止活動など自然保護に力を入れているヴィヴィアン・ウエストウッド。彼女の関心の移り変わりと人生の浮き沈みを見るだけでも十分に楽しめる映画です。

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公式サイト
ヴィヴィアン・ウエストウッド 最強のエレガンスWestwood: Punk, Icon, Activist

[仕入れ担当]

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