スペイン

2012年1月27日 (金)

映画「フラメンコ・フラメンコ」2月11日公開!

ご縁があって、映画「フラメンコ・フラメンコ」の宣伝担当の方から写真を送っていただきました。

Flamencoflamenco

薔薇を思わせる鮮やかな赤をまとって舞うサラ・バラス!この写真1枚見ただけで、思わずため息が出てしまうほどの美しさです。

ラテンビート映画祭で「フラメンコ・フラメンコ」を観た[仕入れ担当]によると(紹介記事はこちら)、ステージを見たような錯覚に陥る、とっても臨場感のある映画とのこと。

昨年、来日したファルキート(来日公演の記事はこちら)の踊りや、何度か来日しているトマティート(記事はこちらこちら)のギターの他、去年の買い付け時、 Teatro Circo Price でのコンサートに行きそびれたミゲル・ポベーダの歌も味わえるそうです。

ちなみにミゲル・ポベーダ(Miguel Poveda)は、ペネロペ・クルス主演の映画「抱擁のかけら」のテーマ曲を歌っていた人で、そのPVがYoutubeのここで観られます。

日本にいながら、超一流のアーティストたちの舞台が堪能できるフラメンコ映画の決定版。いよいよ2月11日(土)からBunkamura ル・シネマほかで公開です。

公式サイト
http://www.flamenco-flamenco.com/

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★新春の催事★
期間:1月25日(水)〜1月31日(火)
場所:松屋銀座 1階アクセサリープロモーションスペース

そこで本日は、フラメンコの舞台や衣装にもぴったりなピアスを一つご紹介したいと思います。

<#703:joid'art ALISON ピアス>
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ジョイドアート(joid'art)の ALISON コレクションです。2月の誕生石でもあるアメシストと、ユニークなフォルムのスターリングシルバー(SV925)に、華やかに揺れるシルバーチェーンを組み合わせた、女性らしいデザインとなっています。

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モナドのお客さまには、フラメンコの踊り手の方も多くいらっしゃいますが、とにかく女子力が高い女性ばかり。踊りをされている方は立ち姿が綺麗で、憧れてしまいます。

こちらのピアスは、ただいま開催中の、松屋銀座1階アクセサリープロモーションスペース(中央口そば、フェンディの向かいあたり)での催事でもご覧いただけます。どうぞ、週末は銀座へ遊びにいらしてください。

〜臨時休業のお知らせ〜

催事出店のため、根津の店舗は1月24日(火)から1月31日(火)までの間、臨時休業いたします。2月1日(水)から通常通り営業いたしますのでよろしくお願いいたします。

★商品の写真に品番/品名を記しております。e-monad(オンライン販売サイト)でお取り扱いしていない商品も通販できますので、お気軽に番号でお問い合わせください。

[店長]

2011年12月15日 (木)

映画「エル・ブリの秘密(El Bulli)」

Elbulli1 今年7月30日に閉店したカタルーニャのレストラン、エル・ブリ(El Bulli)。45席しかないこの店に、年間200万人の予約が殺到したという世界的な有名店でした。この映画は、創造性豊かなメニューの数々で知られるエル・ブリの発想の根源に迫ったドキュメンタリーです。

レストランがテーマになっていますが、観ていてお腹が鳴るような映画ではありません。どちらかというと、クリエイティビティが刺激される映画。ものづくりをしている人なら、もっと思いきったデザインの作品を試したくなるかも知れませんし、アイデアで勝負している人なら、今の殻を打ち破る新しい視点が欲しくなる感じです。

エル・ブリは、1年の半分、店を閉めて、新メニューの開発に取り組みます。そのメンバーはオーナーシェフのフェラン・アドリア(Ferran Adrià)の他、オリオール・カストロ(Oriol Castro)、エドゥアルド・チャトルック(Eduard Xatruch)といった10年以上この店で働いているシェフたち。

オープニングは、風光明媚な海岸、ロセス(Roses)にある店から調理器具を車に積んでバルセロナへ向かうシーンから。市内の市場で多様な素材を仕入れてきては、クッキングスタジオのようなキッチンで、さまざまな調理法を試します。

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面白いのは、試作したものはすべてデジカメで撮影して、調理プロセスをPCに入力して、データベース化していること。記録し忘れると、ものすごい勢いで怒られます。

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撮影された年のテーマは水(agua)。もちろん水だけでは料理になりませんので、多くの秋冬の素材で試作するのですが、マツタケやサツマイモをはじめ、日本の素材もたくさん登場います。特にカキ(柿)やユジュ(柚子)などは、日本語が訛った状態で頻繁に会話に出てましたし、最終メニューには梅干しを模したチェリーも入っています。ちなみにその年のメニュー(日本語)はこちら

調理法で多いのが真空調理とエスプーマ。私自身、映画「ファイティング・シェフ」のブログに書いたように、あまりその手の料理は好きではないのですが、彼らの真摯な仕事ぶりを見ていると、ちょっと味わってみたくなるのが不思議です。

映画の後半は、開発期間を終えて店に戻り、新入りのシェフを鍛えながら、味とサービスを完成させていく場面。

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どの組織でも、いちばんたいへんなプロセスだと思いますが、偉いなぁと思ったのは、フェラン・アドリアが全スタッフを集めて、学校の先生のように講義をすること。面倒見の良い、親分肌の人のようです。

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公式サイト
エル・ブリの秘密 世界一予約のとれないレストランEl Bulli: Cooking in Progressfacebook

[仕入れ担当]

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2011年12月10日 (土)

「プラド美術館所蔵 ゴヤ 光と影」展

1819年に王立美術館として開館したプラド美術館は、スペイン・マドリードにある世界有数の国立美術館です。数多くゴヤの作品を所蔵するプラド美術館の協力のもと、「ゴヤ 光と影」展が、上野の国立西洋美術館で開催されています。

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プラド美術館から出品された、ゴヤの代表作“着衣のマハ”を含む油彩25点、素描40点、版画6点、書簡1点に、日本国内所蔵の版画51点を加えた123点を展示。

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大きく鮮やかな色彩で描かれた油彩画も華やかで魅力的でしたが、社会を風刺した素描や版画も見応えがありました。

Loscaprichos39 ゴヤの優れた観察眼と独創的な想像力が生み出した、版画集“ロス・カプリーチョス(Los Caprichos)”は必見です。

現在発売中の雑誌「ミセス」1月号の特集「GOYA激動の時代を描いた画家・ゴヤ」の写真は、いつもマドリードでお世話になっている山澤伸(Shin YAMAZAWA)さんが撮影されたもの。フラメンコ専門誌「パセオフラメンコ」や、モナドに展示されている作品でお馴染の写真家です。この「ミセス」をご覧になってから訪れると、より深く感じとることができるかも知れませんね。

国立西洋美術館
「プラド美術館所蔵 ゴヤ 光と影」展
http://www.goya2011.com/

2012年1月29日(日)まで
開館時間:9:30〜17:30(金曜は20時まで)
休館日:月曜

[店長]

2011年11月14日 (月)

Michel Camilo & Tomatito@ ブルーノート東京

Michelcamiloytomatito 先週末、Blue Note Tokyoのミッシェル・カミーロ&トマティートのライブに行ってきました。この2人の演奏を聴くのは、2009年秋のビルボードライブ以来ですから2年ぶりということになります(そのときのブログはこちら)。

前回同様、客席は超満員。曲目は「Spain」「Spain Again」の2枚のアルバムからです。

一昨年前のアンコールで聴いた、Para Troilo y Salgánからスタートし、続いてミッシェル・カミーロが「アルゼンチンの曲で…」と紹介して、El día que me quierasが続きます。

トマティートのギターソロに挑むかのようにミッシェル・カミーロのピアノが被さってきて、まるでお互いの超絶技巧をぶつけ合っている感じです。

面白いのが、観客への対応をミッシェル・カミーロに任せっきりのトマティート。深々とお辞儀をするミッシェル・カミーロの横で、トマティートは軽く手をあげてみせるだけですし、一生懸命、客席に英語で話しかけるミッシェル・カミーロに対して、マイクを渡されてもスペイン語で簡単な挨拶(ここに来れて嬉しい、ありがとう、といった内容)をするだけのトマティート。

そんな対照的な性格の2人ですが、息の合った演奏は素晴らしいとしか言いようがありません。ステージの様子は、ブルーノート東京のfacebookに掲載されている写真でご覧ください。
http://www.facebook.com/photo.php?fbid=293152287373566

ラストはお約束の名曲、Spain。場内が一気に盛り上がり、その盛り上がった場内を2人の演奏が大きく包み込んでいきます。そしてアンコールは一転して静かなTwo Much/Love Theme。しっとりした気分で家路につきました。

ブルーノート東京の特設サイトにはSpainの動画があります。
http://www.bluenote.co.jp/jp/artist/michel-camilo/

iPhoneの方はこちらのリハーサル映像をどうぞ。最後の曲がSpainです。
http://www.bluenote.co.jp/jp/movie/2011/11/_michel_camilo_tomatito.html

[仕入れ担当]

2011年11月 3日 (木)

SPAINALIGHT スペインは光の国

11月1日(火)から始まった、東京デザイナーズウィーク2011。スペイン大使館で催されている展覧会「SPAINALIGHT スペインは光の国」では、“光”をテーマに、インテリアを中心としたスペインデザインの数々が展示されています。

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そこで、イベント2日目に開催された、スペインのインテリアデザイナー5組を招いたセミナー、“SPANISH INTERIORS ALIGHT スペインのインテリアは光とともに”を聴講してきました。

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若者3人で結成している、ワンダ・バルセロナ(WANDA BARCELONA)は、“折り紙”をモチーフにデザインを手掛けているグループです。日常にある紙や段ボールを使い、店舗や手作業で創り出す空間は、ロマンティックで夢があります。

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エクトール・ルイス・ベラスケス(HÉCTOR RUIZ-VELÁZQUEZ)は、大規模な公共施設から、18㎡しかないアパートメントのデザインまで、幅広く手掛けている建築家。

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マドリードの高級ブティック街、ベラスケス通りにある“50㎡のセラミックハウス”では、部屋を上下に区切ることで、狭い空間を最大限に使える工夫が施されています。階高の低い、東京の50㎡では難しく、羨ましいアイデアです。

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セミナー後は、ドリンクやピンチョスが振る舞われ、展示作品をゆっくりと鑑賞。毎年楽しみにしているデザインイベントですが、今年も刺激的な時間を過ごすことができました。

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展覧会は、11/6(日)まで開催されています。ソファや照明、ラグマットなど100点以上が展示、見て触れることができます。ぜひ、訪ねてみてください。

東京デザイナーズウィーク2011
展覧会“SPAIN ALIGHT スペインは光の国”
http://www.spainalight.com/
スペイン大使館
2011年11月6日(日)まで
開場時間:10時〜17時半

[店長]

2011年10月 6日 (木)

映画「MISS BALA/銃弾(Miss Bala)」

Bala0 東京、京都に続いて、明日から横浜で始まるラテンビート映画祭。今年は見応えのある作品が多く、このブログでも既に5本ご紹介してきましたが、この1本で締めくくります。麻薬絡みの抗争が激化するメキシコの現在を描いた映画です。

上映前、成田に数時間前に到着したばかりという主演のステファニ・シグマン(Stephanie Sigman)と、プロデューサーのパブロ・クルス(Pablo Cruz)が舞台挨拶に立ちました。

プロデューサー曰く「この映画の撮影を始めた2008年頃、4万人が麻薬抗争の犠牲になっていると言われていたが、現在では死者6万人を超える事態になっている」とのこと。映画館内の全員が起立して、犠牲者に黙とうを捧げました。

ちなみにパブロ・クルスは、メキシコの格差社会を描いたガエル・ガルシア・ベルナル(Gael García Bernal)初監督作品「太陽のかけら(Déficit)」や、ホンジュラスの不法移民とメキシコのギャングを描いた「闇の列車、光の旅(Sin Nombre)」などを手掛けてきたプロデューサーです。

映画は、ミスコンへの出場を夢見るラウラが友だちとクラブに行き、そこで麻薬組織の抗争を目撃してしまう場面からスタート。パトロール中の警官に助けを求めますが、その警官も組織に通じていて、結局、組織の手に引き渡されてしまいます。組織のボスから、命を助けるかわりに犯罪の手助けをするように命じられ、裏切ったら家族を殺すと脅迫されて一味と一緒に行動するはめに……。

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映画の中には、見せしめのために遺体を橋桁から吊り下げるといった視覚的に恐ろしいシーンもありますが、それよりも、知らず知らず追い込まれていく恐怖、誰と誰が通じているのかわからない恐怖がジワジワと伝わってきて、映画を観ている間、ずっと身体をこわ張らせていたような気がします。

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終映後、再度、主演女優とプロデューサーが登壇し、観客からの質問を受け付けました。プロデューサー曰く「なぜラウラが麻薬組織から逃げ出さないのか、と思うかも知れないが、今のメキシコは、軍も警察も政治家も、あらゆるところに組織の手が伸びているので、どこにも逃げることができない。そういう意味で、ラウラは今のメキシコそのものとも言える」と言っていました。

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また、これは実際に起こったことを映画化したのか、との質問には「監督のヘラルド・ナランホ(Gerardo Naranjo)が、たまたまミスコンの女王逮捕のニュースを見て、そこからアイデアを膨らませたフィクションだ」と答えていました。おそらくこの記事(英文)で取り上げられているこの写真の事件のことでしょう。下は、映画の中で逮捕されたラウラの写真ですが、比べてみるとイメージが伝わってきます。

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プロデューサー(下の写真:右)は「これがメキシコで日々起こっている現実であり、世界の皆さんに知ってもらうことが重要だ」と言い、観客のコロンビア人の女性からは「こういった社会問題を取り上げるには困難が伴うと思うが、映画にしてくれてありがたく思う」と讃えられていました。

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確かに、こういう映画を作ること自体、リスクなのでしょう。つい先日も、麻薬組織に関する情報提供をブログで呼びかけていた地方紙の記者が惨殺されたという報道(リンクしませんが"La Nena de Laredo"で検索すると見つかります)を見かけました。この映画関係者の無事を祈るとともに、メキシコの異常な事態が早く収束することを心から願っています。

公式サイト
Miss Bala

[仕入れ担当 ]

2011年10月 5日 (水)

映画「カルロス(Carlos)」

Carlos0 これまたラテンビート映画祭の上映作品です。

監督のオリヴィエ・アサイヤス(Olivier Assayas)は、ジュリエット・ビノシュ(Juliette Binoche)主演の「夏時間の庭(L'Heure d'été)」などで知られるフランス映画界の重鎮ですが、この「カルロス」はTV番組用の素材を劇場用に編集し直したもの。

映画らしい深みを感じさせる作品ではなく、単純な構成で誰にでも理解できるように作られています。それでも2010年のLA映画批評家協会賞、LA映画批評家協会賞の外国映画部門で栄冠に輝いているのですから、たいしたものです。

主人公のカルロス、本名Ilich Ramírez Sánchezは、ベネズエラ出身の実在のテロリスト。共産主義に傾倒してソ連で訓練を受け、中東に渡ってパレスチナ解放人民戦線(PFLP)に参加します。ちなみに、PFLPは日本赤軍との共闘でも知られる過激派です。

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カルロスを一躍有名にしたのは、1975年12月のOPEC本部襲撃事件。閣僚会議開催中のOPEC本部を占拠し、11人の石油大臣を含む多数の人質をとって交渉した結果、ほとんどの要求を受け入れさせます。

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インパクトの大きさから、テロリストとしては大きな成功でしたが、政治的目的がほとんど果たせなかったため、組織から追い出され、フリーランスの請け負いテロリストとしての生活に入ります。

東西冷戦、石油利権に係る各国の駆け引き、パレスチナ問題といった国際政治の歪みの中で生業を得ていくわけですが、冷戦の終わりとともに彼の存在意義が失われ、次第に居場所を失っていきます。1994年にスーダンで拘束され、フランスに移送。フランス国内で犯した殺人などで有罪となり、現在も服役中です。

映画「カルロス」は、フランスでのテロ活動から始まり、OPEC本部襲撃事件を経て、ハルツームで拘束されるまでを描いた、3時間近いドキュメンタリー風の作品ですが、どちらかというとテロ活動よりカルロス個人の生活に焦点を合わせて描いたもの。

たとえばテロリスト仲間の人間関係や裏切り、OPEC占拠中の内輪もめ、妻との結婚生活といった、おそらく史実としては裏付けのないような事柄が丁寧に描かれています。そういう意味で、ドキュメンタリーというより、史実に基づいたTVドラマといった方が適切かも知れません。

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とはいえ、私のようにヨーロッパの現代史に疎い人間が観ると、いろいろと学ぶことがあります。たとえば、カルロスの最初の妻であるドイツ人のマグダレナ(Magdalena Kopp)のこと。

映画の中で「6月2日運動」という言葉が何度か出てきますが、これはデモに参加したドイツ人学生が警官に射殺された日に因んで結成された無政府主義者の組織だそう。ドイツ語では「Bewegung 2. Juni」、通称「2JM」というそうですが、マグダレナの周辺のドイツ人たちはどうやらこれに関係しているようです。

彼女もそうですが、カルロスはじめ、この映画の登場人物たちは皆、共産主義やアナキズムを標榜しながら、結局は犯罪で生計をたてる流れ者になってしまうあたりが、オリヴィエ・アサイヤスが描こうとしたことなのかも知れません。

要するに「イデオロギーでは喰えない」ということ。理想に燃えるのも束の間で、貢献したつもりの国々からも見捨てられ、あげくの果てにイエメンやスーダンの砂ぼこりにまみれて、不自由な逃亡生活を送ることになります。

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フランスで無期懲役が確定したとき「Viva la Revolución(革命万歳)」と叫んだと言われるカルロス。潜伏のためにイスラム教に改宗しておきながら、酒浸りの自堕落な生活を送っていたそうで、拘束時のあの弛んだ身体では、いくら革命を叫んでも説得力はないでしょう。そんな浅薄なイデオロギーを後ろ盾とする儚さ、無力さを感じさせる映画です。

それから、つまらないことですが、カルロスの語学力には感心しました。母国語のスペイン語以外に英語ができるのは当然としても、行く先々で、フランス語、ドイツ語、アラビア語を使い分けます。カルロスを演じたエドガー・ラミレス(Édgar Ramírez)も、カルロス同様ベネズエラ出身で、実際に何カ国語も使える人だそう。どんな仕事にしても、グローバルに活躍するのは大変ですね。

公式サイト
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[仕入れ担当]

2011年10月 3日 (月)

映画「幸せパズル(Rompecabezas)」

Puzzle0 ラテンビート映画祭から、あと2作ほどご紹介しようと思っているのですが、今回は映画祭から離れて、日比谷シャンテで上映中の作品をご紹介します。

国内での上映は珍しいアルゼンチン映画、スペイン語です。監督はこれが初の長編作品というナタリア・スミルノフ(Natalia Smirnoff)。

とりたてて劇的なことが起こらない静かな映画ですが、女性監督らしい細やかな描写が魅力です。以前、ご紹介した「グッド・ハーブ(Las buenas hierbas)」がお好きな方なら、きっとお気に召すでしょう。

主人公のマリア・デル・カルメンは、首都ブエノサイレスで暮らす専業主婦。自動車整備工場を経営する夫と、立派に成長した息子2人の幸せな家庭を営んでいます。

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映画のオープニングはホームパーティの準備をしているシーン。パンをこね、丸鶏を焼き、ケーキのデコレーションをしていくマリア・デル・カルメンをカメラが追います。

続いてパーティのシーン。ここでも忙しく立ち働くマリア・デル・カルメンは、慌てて運んだサラミの皿を割ってしまったりバタバタです。その後、キッチンでケーキにロウソクを立て、リビングに運んでいったところで、これが彼女の50歳のバースデーパーティだったことがわかります。

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そんな、家事に浸りっきりのマリア・デル・カルメンですが、誕生日プレゼントに贈られたジグソーパズルで遊んでいるうちに、自らの隠された才能に気付きます。パズルに興味を持った彼女が専門店に新しいパズルを探しに行くと、パズル選手権出場のためのパートナー募集の広告を発見し、早速、応募して訪ねていくことに……。

パートナーを募集していたロベルトはパズルマニアの裕福な紳士。マリア・デル・カルメンの才能を見抜いたロベルトは、彼女をパートナーに選び、週に2回、彼の邸宅で一緒に練習しようと提案します。それまでの狭い世界から新しい世界に踏み出したマリア・デル・カルメンですが、選手権優勝者はドイツで行われる世界大会に参加できるという話には、さすがに及び腰です。

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自宅では、事業承継の話で夫と息子が言い争ったり、息子の独立資金にしようと空いている土地を売却したら、その使途で息子ともめたり、次男のガールフレンドがベジタリアンでマリア・デル・カルメンの肉料理に否定的だったり、小さな問題はいくつもありますが、だからといって家族の絆が壊れることはありません。

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そんなありふれた日常の中で、違う世界に暮らすロベルトの生活に興味を持ちつつ、家族に気付かれないようにパズルに没頭するマリア・デル・カルメン。映画の終盤、パズルの腕前を褒められた彼女が、「パズルを広げて見ることを教えてもらったおかげ」と応えるシーンがありますが、平凡な主婦が違った視点をもつことで変化していく内面を丁寧に描いていく映画です。

特にラストシーンの気持ちよさは格別。こういうしっとりした小品は、秋の晴れた午後にぴったりだと思います。

公式サイト
幸せパズル

[仕入れ担当]

2011年9月29日 (木)

シンポジウム「景観再生」

今月26日から日本初となる国際建築家連合(UIA)2011東京大会(第24回世界建築会議)が開催中ですが、その一環として「建築はランドスケープである」と題した建築展がセルバンテス文化センターで行われています。

そのメインイベントである、バルセロナの建築家たちと、日本の建築家・隈研吾氏によるシンポジウム「景観再生(La reconstrucción del paisaje)」に行ってきました。

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まず、エステバン・テラダス(Esteban Terradas)氏が開催中の建築展を解説し、続いてジュセップ・フェランド(Josep Ferrando)氏によるバルセロナの都市形成に関する講演、そしてヴィクトル・ラホーラ(Victor Rahola)氏とカルロス・フェラテル(Carlos Ferrater)氏から事例を挙げながらの各氏のアプローチ手法の説明がありました。

その後、隈研吾氏が登壇し、北上川運河交流館、登米町の森舞台、那珂川町の広重美術館、高根沢町のちょっ蔵広場といった、主に東日本の作品例を示しながら建築と自然についてのお話があり、万里の長城のBamboo House、フランスのBesançon City of Arts and Culture、ヴィクトリア&アルバート博物館新館(V&A Dundee)など海外事例のお話がありました。

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スペイン関連では、学生時代に初めて行った欧州がバルセロナであったことや、2008年のコンペで選ばれたグラナダ・パフォーミングアーツ・センター(Granatum – Granada Performing Arts Centre)は、部屋の中に小さな部屋があるザクロにインスパイアされたもので、ガウディも使っていた90度でないジオメトリーを採用したいうエピソードを披露されていました。スライドの1500人収容のホールは、50席の六角形の部屋が30室ある構成だそうです。

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その後、東日本の職人たちとともに「新しい生活」のためのプロダクトを提案していくという、EAST JAPAN PROJECTのお話があり、最後にスペイン人建築家を交えた質疑応答がありました。

スペインと日本の建築の違いについて、日本における外部と内部の考え方や、抽象的な日本と具体的な欧州といった興味深い意見が出たり、隈研吾氏が感銘を受けたというコロニア・グエル教会(Cripta de la Colònia Güell)のお話が出たりと知的刺激を受けた晩でした。

[仕入れ担当]

映画「The Last Circus(Balada triste de trompeta)」

Triste0 これもラテンビート映画祭の上映作品です。

去年のヴェネチア国際映画祭で審査委員長のタランティーノ監督に絶賛されて、銀獅子賞(監督賞)を獲っていますが、確かにタランティーノ好みかも知れません。ちなみにこのときの金獅子賞(作品賞)は「サムウェア(Somewhere)」でしたから、ずいぶん毛色の違う作品が並んだものです。

ということで、この作品、映画でしか表現できないことを片っ端から盛り込んだという感じの壮絶なラブストーリーというかロマンティックなブラックコメディというか、とにかくハチャメチャな映画です。

間違いなくカルト的な人気を集めると思いますが、かなりクセの強い作品ですので、好き嫌いが分かれそうです。個人的には非常に面白かったので、公開されたら、ディテールを確かめに改めて観てみたいと思っています。

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さまざまな要素が盛り込まれた映画ながらストーリーはいたってシンプル。三角関係に陥った男2人の争いが泥沼化していくお話です。

人気ピエロだった父親に憧れてピエロになったハビエル。悲壮感ただよう泣き虫ピエロ(Sad Clown:Payaso Triste)としてサーカス団に職を得ます。

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一緒にステージに立つ団長のスターピエロ(Happy Clown:Payaso Tonto)、セルジオは、交際相手であるブランコ乗り、ナタリアに暴力を振るう乱暴な男。

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美しいナタリアに一目ぼれしたハビエルは、次第に彼女と親しくなり、狂気の三角関係に展開していきます。

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幕開けは、ハビエルの父親が、働いているサーカス小屋で人民戦線に徴用され、ピエロの衣装のまま反乱軍(フランコ側)の兵士を切りまくるシーン。

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いきなり狂気的な世界が展開しますが、これはスペイン内戦が激化した1937年のことで、ピカソのゲルニカもこの年の空爆を題材にしたものと言われています。その後の反乱軍の勝利で父親も捕えられ、そこから始まる独裁の歴史が息子のハビエルの人生にも影を落とすわけです。

そしてハビエルがサーカス団に入団するのが1973年。映画の中で自動車の爆破シーンが出てきますが、これは、フランコの後継者と目されていたブランコ首相がETAに暗殺されたときの映像で("Operación Ogro"で検索すると事件を題材にした映画が見つかります)、この2年後にフランコが死去して独裁体制が終焉を迎えます。

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つまり、1937年の狂気で始まり、1973年の狂気で終わる物語ということで、フランコ政権の時代性を下敷きにしながら、一途な愛に生きる、悲しいピエロを描いていくわけです。そういう視点で観ていくと、いろいろとディテールが気になるわけですが、あまり深く考えず、映画の勢いに身を委ねるだけで十分に楽しめると思います。

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スペイン語の原題は、トランペット吹きの悲しいバラードという意味で、映画の中で使われている曲、Balada de la trompeta に由来しているようです。途中、ピエロの衣装で歌う映像が流れますが、調べてみたら、Raphaelという人気歌手が出演した1970年の映画「Sin un adiós」(さよならも言わずに、という意味)の1シーンだそうで、このムード歌謡のような裏ぶれた Balada de la trompeta が、破滅的な物語に切なさを添えていて、なかなかいい感じでした。

The Last CircusBalada triste de trompetafacebook

[仕入れ担当]

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