スペイン

2018年4月 8日 (日)

プラド美術館展 ベラスケスと絵画の栄光 国立西洋美術館

スペイン王室が収集してきた膨大な数の名画を所蔵するプラド美術館。今までも同館がコレクションするゴヤの名作や小さなサイズの作品に焦点を当てた展覧会(2011年2015年)がありましたが、今回はディエゴ・ベラスケスの作品を中心に17世紀絵画の傑作や当時の画家に影響を与えた作品群を紹介しています。

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1620年代、24歳のときに、6歳年下の若き国王フェリペ4世の肖像画を描き、それ以降宮廷画家として活躍したベラスケス。国王から「ベラスケス以外は私を描いてはならぬ」と言われるほど絶大な信頼を得ていたそうです。飾らない《狩猟服姿のフェリペ4世》、疲れきったローマ神話の戦いの神《マルス》、自身の家族をモデルに描いたといわれる《東方三博士の礼拝》など、誇張した描写ではなく人間らしい表現で作品を描き、西洋美術の歴史に多大な影響を与えています。

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1550年頃に描かれたティツィアーノの《音楽にくつろぐヴィーナス》は歴代国王に愛された絵画の一つですが、敬虔なカトリックの国スペインでは当時「裸婦像はいかがわしい」とされ、焼き捨てるよう命じた国王もいたとか。フェリペ4世は宮廷に特別室をもうけ、限られた人しか鑑賞できないように展示。
そのしきたりはプラド美術館にも引き継がれ、1827年~38年は裸体画だけを展示した特別室があり、入室を制限していたそうです。政治はまるでダメだったフェリペ4世ですが、ベラスケスを見出し、王室の美術コレクションを充実させた功績は大きかったと言われています。

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ベラスケスの作品は美術館の貸出条件が厳しく、これまで日本の展覧会で観られたのは最高5点でしたが、今回は最多の7点が来日。しかも2メートル超の大きな作品もあり見応え十分です。

プラド美術館展 ベラスケスと絵画の栄光
https://artexhibition.jp/prado2018/
2018年5月27日(日)まで

[店長]

2018年3月11日 (日)

映画「ロープ/戦場の生命線(A Perfect Day)」

00 マドリード出身のフェルナンド・レオン・デ・アラノア(Fernando Leon de Aranoa)監督が、2年前のゴヤ賞で脚色賞(主要な賞は「しあわせな人生の選択」が独占)を受賞した作品です。以前もゴヤ賞で監督賞など獲っているベテラン監督なのですが、おそらく日本で一般公開されるのは本作が初めてでしょう。ウガンダの少年兵のドキュメンタリー作品もある社会派の監督です。

物語の舞台は1995年のバルカン半島。場所は特定されていませんが、停戦直後ということですからクロアチアかボスニアあたりでしょう。国境なき水と衛生管理団(water and sanitation, Aid Across Borders)というNGOのスタッフたちが、井戸に投げ捨てられた死体を引き揚げるロープを探し回るうちに、紛争地域の厳しい現実に触れていくというお話です。

砂埃をあげて爆走する車に乗っているのは、NGOスタッフのBとソフィ。そこに突然現れるのが、路上に横たわる牛の死体。左右どちらかに避ければ、そこに地雷が仕掛けられているというわけです。何度も修羅場を抜けてきたBは、いっとき躊躇しながらも覚悟を決めて車で牛の上を乗り越えます。新任のソフィが悲鳴をあげようが構っていられません。

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彼らが向かった先で待っていたのは、同僚のマンブルゥと現地人通訳のダミール。死体を井戸から引き揚げていたロープが切れてしまったのでBに手伝いを頼んだのです。

Bとダミールを乗せた車はロープを探しに、マンブルゥとソフィーを乗せた車はブリーフィングを聞くために国連軍のキャンプへ向かいます。

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Bたちは近くの村落で荒物屋を見つけてロープを買おうとしますが、店主は拒否。おまえらに売るロープはないというわけです。外国人に協力したくないのか、はたまた死体を引き揚げさせたくないのか、理由は明らかになりませんが、いずれにしてもロープは手に入りません。

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一方、マンブルゥたちは、偶然、路上で苛められていた子どもニコラを助け、彼を拾ってキャンプに向かうのですが、道すがら目にしたのは給水車で水を売りさばいている一団。住民たちは水がなくては生きられませんので、高値でも文句を言いながら買い求めています。井戸が使えなくなったので水を売りに来たのか、水を売りたくて井戸を使えなくしたのか、不信感を抱えてキャンプに到着します。

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駐車場で他のスタッフから“ロシア系美女の検査官が来ている”と聞き、嫌な予感がしたマンブルゥが上司のゴヨに訊ねると、案の定、その検査官というのは彼が関係をもったことがあるカティア。物語の本筋から言えば、どうでも良い話なのですが、マンブルゥの悩みの種が増えて話が膨らみ、彼の人間性や他者との係わり方が見えてくるわけです。

ちなみにこの映画、紛争地域と同じく登場人物が多国籍ですので会話はほぼ英語ですが、マンブルゥ役をベニチオ・デル・トロ(Benicio Del Toro)、ゴヨ役をセルジ・ロペス(Sergi López)が演じている関係でこの場面だけスペイン語になります。

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憂鬱になりながら指揮官のブリーフィングに参加すると、そこで井戸の一件をないがしろにされ、憤ったソフィが“井戸の死体には爆発物が仕掛けられている”と挑発してしまいます。これが後々、厄介な問題を引き起こすことになるのですが、それはさておき、勝ち気なソフィと訳ありのカティアを同乗させたマンブルゥは、ニコラの案内で、彼の実家にロープを取りに行くことになります。

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ニコラは、紛争が激しくなった際に両親が祖父に託した子どもで、それ以来、実家に帰っていません。ですから、マンブルゥのロープ探しをきっかけに実家へ帰りたくて仕方ないのです。

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ということで、Bとダミールを乗せた車と合流した4人はニコラの実家に向かい、そこでいろいろあった末に何とかロープを入手し、さらに別の問題を一つ乗り越えて、ようやく井戸に戻ってきます。

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もちろんそこで話は終わりません。結論を言ってしまえば、紛争地域で部外者は無力だということ。現地人が気持ちと力を合わせ、天が味方して、ようやく物事が進展するものなのでしょう。原作となった“Dejarse llover”を書いた作家パウラ・ファリス(Paula Farias)は、国境なき医師団で活躍した医師だそうで、その実体験がこの作品全体にある宿命を受け入れる感覚、ある種の諦念に通じているのだと思います。

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主な出演者としては、B役は「あなたになら言える秘密のこと」のティム・ロビンス(Tim Robbins)、ソフィ役は「海の上のピアニスト」でティム・ロビンスが惹かれる美女を演じたメラニー・ティエリー(Mélanie Thierry)、カティヤ役は「007 慰めの報酬」「トゥ・ザ・ワンダー」のオルガ・キュリレンコ(Olga Kurylenko)、ダミール役は「最愛の大地」に出ていたというフェジャ・ストゥカン(Fedja Stukan)といったところでしょうか。

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作品そのものとはあまり関係ないかも知れませんが、この映画、バズコックスやラモーンズのパンクがかかったり、ルー・リードやヴェルヴェット・アンダーグラウンドが使われていたり選曲が独特です。途中で流れるSweet Dreams (Are Made of This) もオリジナルではなくマリリン・マンソンのカバーで、不穏な空気感を強調します。

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とはいえ、エンディングはマレーネ・ディートリヒが歌う“Where Have All the Flowers Gone”で手堅く締めます。彼女はこの反戦歌を英語、フランス語、ドイツ語で歌ったそうですが、フランス語版を最初に披露したのはUNICEFのコンサートだったということです。

公式サイト
ロープ/戦場の生命線

[仕入れ担当]

2018年2月26日 (月)

映画「ナチュラルウーマン(Una Mujer Fantastica)」

00 4年前の「グロリアの青春」で日本でも知られるようになったチリのセバスティアン・レリオ(Sebastián Lelio)監督。前作は常識にとらわれず自由に生きる中年女性のお話でしたが、本作は自由に生きたくても世間の偏見で思うようにいかないトランスジェンダーの物語です。2017年のベルリン映画祭で銀熊賞(脚本)を受賞しています。

舞台は前作同様、チリのサンティアゴ。ウエイトレスをしながら歌手を目指しているマリーナは、中年男性のオルランドと暮らしています。倍ほど年齢が違う年の差カップルですが、チャイニーズレストランで彼女の誕生日を祝ってくれ、イグアスの滝への旅行をプレゼントしてくれる優しい恋人です。しかしここで小さな問題が・・・。

用意していた旅行のチケットが見あたらなくて、どこに置いたか思い出せないというのです。マリーナが歌うクラブに迎えに行く前、サウナに寄ったときはあったはずなのに・・・ということで、旅行に招待すると書いた手紙を手渡し、1週間以内に行く約束をします。

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その晩、うめき声を聞いてマリーナが目を覚ますと、ベッドの端でオルランドが苦しんでいます。病院に連れて行こうと、マリーナが鍵を探している間にオルランドが階段で転倒。何とか車で救急外来に運び込みますが、あえなくオルランドは逝ってしまいます。

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映画が始まったばかりですので、観客の受け止め方は、サウナに行ったのが引き金になったのか、とか、物忘れは病気の徴候だったのか、といった程度でしょう。しかしこの出だしが実はとても重要で、感動的な終盤に繋がっています。

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最愛の恋人を失い、悲嘆に暮れるマリーナですが、それだけで済まないのが、性的マイノリティの辛さ。病院では、家族か?と訊かれて返答に困ります。オルランドの親族とは付き合いがありませんので訃報を伝えることもできません。病院に居づらくなって夜道を歩いていると、警察官に同行を求められ、病院に戻って事情聴取を受けることになります。どれもこれもマリーナがトランスジェンダーであるが故の困難です。

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オルランドの電話を探し出して彼の弟ガボに連絡します。ガボが後のことを請け合ってくれたのでひと安心と思いきや、その翌日、職場であるレストランに婦人警官が訪ねてきて、死因を確かめたいと言います。遺体に打撲と出血がみられたので、犯罪の可能性があるというのです。ずっと性犯罪を担当して修士まで取っているので、あなたのような人のことは理解していると言いますが、だからと言って偏見がないわけではありません。場合によっては、直截的な差別をする人より厄介な相手です。

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そしてもう一人、厄介な女性がオルランドの元妻ソニア。自分の夫を奪ったマリーナを良く思っているはずがありません。その上、オルランドがトランスジェンダーと交際していたことを家族の恥だと思っているのです。最初は事務的に、車とアパートを明け渡して欲しいと言うだけでしたが、次第に憎しみと蔑みが噴き出してきます。息子のブルーノは最初から偏見丸出しですので、オルランドの親族で若干まともなのは弟ガボだけです。

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散々に傷つけられながらも、マリーナには心の拠り所、歌があります。老先生の部屋を訪ね、彼の伴奏で歌うのがヴィヴァルディのアリア“Sposa son disprezzata(私はないがしろにされた妻)”。予告編にもある、倒されそうになりながら逆風に向かっていくマリーナに繋がる場面ですが、この曲を選ぶセンスはこの監督ならではでしょう。

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前作でもテーマ曲グロリアで観客を引き込みましたが、本作でも選曲の妙は健在です。たとえば、映画の序盤、マリーナがクラブで歌っているのがエクトル・ラボーの“Periódico de ayer(昨日の新聞)”という1970年代後半のヒット曲。歌詞が全体に対する弱い伏線になっています。ちなみにエクトル・ラボーは、マーク・アンソニー主演で「エル・カンタンテ」という伝記映画が作られたほど人気があったラテン系の歌手です。

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また、オルランドとマリーナが二人で踊る場面はアラン・パーソンズ・プロジェクトの“Time”で、エンドロールでも使われていて、しっとりした余韻を残してくれます。その直前にマリーナが決意を込めて歌う曲は、プラタナスの木陰の心地よさを歌ったヘンデルのアリア“Ombra mai fù”ですね。もちろん、邦題の元ネタになったと思われるアレサ・フランクリン“(You Make Me Feel Like) A Natural Woman”も使われています。

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映画の中盤、オルランドの車の床で拾った鍵が物語のキーになっていくのですが、この鍵を使うシーンがとても感動的です。ここに至る仕掛けも、その後の展開も素晴らしいとしか言いようがありません。実生活でトランスジェンダーとして暮らしているダニエラ・ベガ(Daniela Vega)の内面が滲み出る最高の見せ場でしょう。彼女は元々オペラ歌手だそうですが、本作の後は女優としても活躍しているそうです。

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ガボを演じたルイス・ニェッコ(Luis Gnecco)は「ネルーダ」で詩人ネルーダ、「No」で左派の中心人物を演じていたパブロ・ラライン作品の常連。なおパブロ・ラライン監督は本作にプロデューサーとして参加しています。

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また、歌の老先生を演じたセルヒオ・エルナンデス(Sergio Hernández)は「グロリアの青春」で相手役ロドルフォを演じていた人。パブロ・ラライン監督「No」ではピノチェット側近の軍人、「ローマ法王になる日まで」では老いてからの法王を演じていたチリのベテラン俳優です。

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公式サイト
ナチュラルウーマンA Fantastic Woman

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2018年1月 3日 (水)

ビルバオ・グッゲンハイム美術館 アート・アフター・ダーク

昨日も登場したビルバオ・グッゲンハイム美術館正面の「パピー(Puppy)」です。ライトアップされた夜の顔は、また違った感じですね。

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この美術館では、月に一度、面白いイベントを催しています。その名も「アート・アフター・ダーク(Art after Dark)」。

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毎月、いずれかの金曜日に開催されるイベントで、夜が更けてからアートを楽しもうというコンセプトのもと、夜22時から深夜1時までオープンしています。

ちょうど、ビルバオ滞在と重なったので出掛けてみました。

エントランスの仮設カウンターで飲物も売っていて(と言っても種類はありません)、館内でお酒を飲むことができます。

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23時近くなるとDJが登場し、クラブさながらの盛り上がりをみせます。

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地元の若者にも人気のようで、たくさんの人たちが続々とやってきて楽しんでいました。

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昼間と同様に、作品も鑑賞することができます。

ジェニー・ホルツァー(Jenny Holzer)のインスタレーションは、夜の美術館にぴったり。

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リチャード・セラ(Richard Serra)の巨大な作品「The Matter of Time」は圧巻です。人がいないとサイズ感がわかりにくいかも知れませんが、うずまきの高さは4m以上あります。

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こちらは「パピー」と同じアーティスト、ジェフ・クーンズ(Jeff Koons)の作品「チューリップ(Tulips)」です。美術館の裏手に置かれています。

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現地でもチケットは買えますが、人気DJのイベントだと早々に売り切れてしまうそうですので、事前に美術館のウェブサイトで購入しておく方が安心かもしれません。
https://aad.guggenheim-bilbao.eus/

さて、ビルバオと言えば、芸術だけではありません。お腹が空いては、芸術鑑賞もできません。美食の街ビルバオも堪能してきましたよ。

街中に点在するバルを立ち飲みで巡るのも楽しいし、テーブルに着いてしっかり食べるのも美味しい。下の写真はホセリート(Joselito)の生ハムを自慢げにずらっと提げたLa Viña del Ensanche の店内です。

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まずはバスク豚。

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ツナ(マグロですね)をSUSHI風にした創作料理も。

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アスパラの天ぷらもさくさくっと美味しかった。

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シンプルなエビのプランチャも、

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柔らか煮のようなタコのガリシア風も、

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鰯のオイル漬けも、

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こんなにアーティスティック! まるでお皿が一枚のキャンバスのようです。

地元の名物は微発砲酒のチャコリですが、飲めない人にはモストと呼ばれる甘めのブドウジュースもあります。

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芸術も美食も、どちらも楽しめるビルバオ。地元出身のスティーブ・モノ(Steve Mono)創業デザイナー、ゴンサロさん曰く、バスクと日本は料理人の交流が盛んなので、日本人好みの食べ物が多いそうです。どうりで何を食べてもおいしいはず。スペイン旅行の訪問先に是非とも加えたいエリアです。

近いうちに、サン・セバスチャンや周辺地域の味覚もご紹介したいと思います。

[仕入れ担当]

2018年1月 2日 (火)

あけましておめでとうございます

戌年の今年の年賀状は、ジェフ・クーンズ(Jeff Koons)の「パピー(Puppy)」の写真にしました。

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スペイン北部の街、ビルバオ(Bilbao)にあるビルバオ・グッゲンハイム美術館(Museo Guggenheim Bilbao)の入り口近くに鎮座しています。

昨秋、パリの展示会へ行く前に立ち寄ったとき撮りました。波打つダイナミックな建物が有名過ぎるビルバオ・グッゲンハイム美術館は、ご存知、フランク・ゲーリー(Frank Gehry)の設計です。

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ビルバオはスティーブ・モノ(Steve Mono)の創業デザイナーであるゴンサロさんの出身地です。また、このブログでも記していますが、ヘレナ・ローナー(Helena Rohner)はビルバオ・グッゲンハイム美術館のためのエクスクルーシブなコレクションを制作しています。なので、モナドにも縁のある街なのです。

色とりどりの花々をまとったパピーに小鳥たちもやってきました。

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六本木ヒルズの巨大蜘蛛が、ここにもいました。ルイーズ・ブルジョワ(Louise Bourgeois)の作品「ママン(Maman)」。

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スペイン北部屈指の港湾都市だったビルバオ。鉄鋼や造船で栄えた街が時代の趨勢で衰退したものの、芸術と美食で都市再生に成功した例として有名ですよね。そして、その立役者になったのが、このビルバオ・グッゲンハイム美術館。シンボル的存在です。

実際、ビルバオの街はきちんと整備されていてコンパクト、とても歩きやすく感じました。

美術館近くの川沿いはゆったりとした遊歩道があり、芝生の上をトラムが走り、トラムの線路のすぐ横に自転車道、その向こうに自動車道と歩車分離されています。おかげで子どもや老人が安全に行き交い、観光客がのんびり歩いてまわれます。

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ちょっと座っておしゃべりしたり、休んだりできるように、街中にベンチが置いてあるのですが、浮浪者に占拠されている様子も目にしませんでした。

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というわけで、ビルバオには初めて行ったのですが、とても気に入りました。

さて、明日は、このグッゲンハイム美術館で催されている面白いイベントについて書いてみたいと思います。

[仕入れ担当]

2017年12月 8日 (金)

ブボ バルセロナ 世界一のチョコレートケーキ「シャビーナ」

慌ただしい12月、寒さも増してきて無性に甘いものが欲しくなり、、、スペイン発のパティスリー bubó BARCELONA に出掛けてきました♪

バルセロナにある bubó は、ジョイドアート(joid’art)ヘレナ・ローナー(Helena Rohner)マラババ(Malababa)の直営店もある旧市街のオシャレなエリアにありますが、日本第1号店は今年2月に表参道にオープン。1階ブティックでは、ショーケースにずらりと並んだケーキやチョコレート、ヴィエノワズリーが購入できます。

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2階カフェでいただいたのは、パティシエの世界大会で世界一のチョコレートケーキに輝いた「シャビーナ(xabina)」と釜炒りのオーガニックほうじ茶。店名をデザインした可愛らしいデコレーションで、食べるのが惜しくなります。

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天然のバニラシロップをしみ込ませたスポンジ生地や、オリーブオイルを使ったケーキ生地を濃厚なチョコレートムースでサンドし、つやつやのグラサージュショコラでコーティングしたケーキです。甘さを引き立てるシナモンや爽やかなクローブなどスパイスをきかせた大人の味で、お呼ばれしたときの手土産にも良さそう♪

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帰り道は、7年ぶりに表参道全域でライトアップしているイルミネーションを楽しんできました♪♪

bubó BARCELONA 表参道本店
http://www.bubojapan.com/
営業時間:11:00~20:00

[店長]

2017年11月27日 (月)

映画「エンドレス・ポエトリー(Poesía Sin Fin)」

00 3年前に日本公開された「リアリティのダンス」の続編です。もちろん監督は御年88歳の巨匠、アレハンドロ・ホドロフスキー(Alejandro Jodorowsky)。監督の自伝的作品の第2弾ですので、前作を観ていないと背景も流れもわからないと思います。また、ホドロフスキーの他の作品を観ている方が楽しめると思います。

前作はトコピジャでの暮らしが中心でしたが、本作は12歳のときに移住したサンティアゴを舞台に展開します。共産主義者だった父親は商店主としてユダヤ人らしいカネの亡者になり、母親は相変わらず歌で会話し、一人息子のアレハンドロ(要するに監督の子ども時代)は父親に怯える気弱な少年のままです。

映画の始まりは両親が経営する商店で万引きの見張りをするように言われていたアレハンドロが、遅刻して父親から叱責される場面。続いてアレハンドロが万引きの男女を見つけ、足蹴にする父親に促されて一緒に蹴りを入れる場面。

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そして父親がその女性を店頭に引きずり出し、公衆の面前で服を脱がして辱めるという展開になるのですが、その万引き犯というのが2人とも侏儒。日本人の感覚だと、障碍を持つ人にそんな酷い仕打ちを、と思ってしまいますが、これがホドロフスキーの世界ですね。よく言えば、すべての人に平等、悪く言えば、誰に対しても容赦ありません。

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息子たちの扱いも同様です。前作と同じく父親ハイメ役が実の長男ブロンティス・ホドロフスキー(Brontis Jodorowsky)、その子どもであるアレハンドロ役は末子アダン・ホドロフスキー(Adan Jodorowsky)なのですが、アダンにも全裸で演技させていて、そのおかげで18禁になっています。

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ついでに記しておくと、監督の現在の妻であるパスカル・モンタンドン=ホドロフスキーが衣装担当で参加しているのですが、彼女は1972年生まれなので1979年生まれのアダンとは7歳差。妻と息子がほとんど同世代ということになります。ちなみに監督は1929年生まれですから40歳以上離れた夫婦です。

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万引き犯が落としていった籠に詩集を見つけ、それを読みふけるアレハンドロ。父親からは医者になるように命じられていて、本当は生物学の本を読まなくてはいけません。しかし、文学はオカマ(maricón)がやることだと全否定されながら、詩の魅力に取り憑かれていってしまいます。

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ここで彼が読む詩はフェデリコ・ガルシア・ロルカの「夢遊病者のロマンセ(Romance sonámbulo)」。“Verde que te quiero verde”で始まる有名な詩ですね。カルロス・サウラの映画「フラメンコ×フラメンコ」の冒頭(Youtube)でも使われていました。

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その後も親と衝突するのですが、最終的に家を出て、従兄弟リカルド(Ricardo)の紹介でセレセダ姉妹(hermanas Cereceda)の芸術コミューンで暮らすことになります。

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カフェ・イリスで赤毛の詩人ステラ(Stella Díaz Varín)に魅了され、彼女に触発されて“La víbora(蛇女)”を書いたニカノール・パラ(Nicanor Parra)と知り合ったり、後にチリを代表する詩人になるエンリケ・リン(Enrique Lihn)と親友になったり、芸術家としての基盤が作られていった時期です。ステラとの出会いが1949年といいますから、アレハンドロが20歳の頃のお話ということになりますね。

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ちょっと面白いのが、映画「ネルーダ」同様、パブロ・ネルーダを甘ったるいとけなしているところや、前作で父親ハイメが暗殺に失敗したイバニェスが帰還してくる場面でハーケンクロイツがはためくところ。そこかしこでホドロフスキーの立ち位置が見え隠れします。

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また、ホドロフスキーの母親サラと、ホドロフスキーが惹かれる詩人ステラを、一人二役でパメラ・フローレス(Pamela Flores)が演じているあたりも興味深いところです。マザコン的な嗜好を示しているのか、単なるギャラの節約なのか、ちょっとわかりませんが・・・。

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撮影はクリストファー・ドイル(Christopher Doyle)。出演者に特にスターがいるわけではありませんが、芸術コミューンの一員で、合体ダンスのパフォーマーとして登場する女性は伊藤郁女(Kaori Ito)という、その世界では知られた日本人ダンサーだそうです。

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公式サイト
エンドレス・ポエトリーPoesía Sin Fin

[仕入れ担当]

2017年11月22日 (水)

ロエベ クラフトプライズ 21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー3

スペイン王室御用達のメゾン LOEWE が2016年に設立した「クラフト プライズ」は、伝統的なクラフトマンシップと革新的なデザインを支援し、さまざまな職人たちの作品を広めることを目的としたアートコンペティションです。今年春に大賞が発表された第1回の応募総数は3,900を越え、その中からファイナリストとなった26名の作品を 21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー3 で紹介しています。

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本展のポスターになっているのは、第1回大賞を受賞したエルンスト・ガンペールによる《Tree of Life 2》という作品。嵐により根元で折れてしまった樹齢300年を超えるオークを切り出した木製の器です。家具づくりの内弟子を経て、木材旋盤加工の熟練工となったあと、ドイツとイタリアに自らのスタジオをオープンした工芸家で、木材を生かしたデザインとオーガニックな仕上げで国際的に人気を集めています。

下はメキシコ先住民族の末裔が営む工房、アステサニアス・パニクアによる《Tata Curiata》。黄金色に輝く小麦の藁、数百本を美しく織り上げ、戦いと火を意味する太陽神をモチーフにし、クラフトと神話を融合させた作品で特別賞を受賞しています。

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こちらは、アーティストからアルチザンになったスペイン・カディス生まれのファティマ・トコーナルの作品《Dreamers》です。身につけられるポートレートとして、ニッケルとシルバーメタルにエナメルワークを用いたジュエリーコレクションを手掛けています。

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このほか陶芸、金属、家具、テキスタイル、ガラス、ペーパーアートなど、職人のアイデアとスキルが融合した多種多様な作品がご覧になれます。

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お持ちのスマートフォンで、カタログにあるQRコードを読み込むと、LOEWE のLINE@につながり本展のオーディオガイドがご利用になれます。作品ひとつひとつの詳しい解説がお聞きになれますので、会場においでの際はイヤホンも持参されると良いかも知れません。

LOEWE FOUNDATION CRAFT PRIZE
http://craftprize.loewe.com/
2017年11月30日(木)まで

[店長]

2017年11月 6日 (月)

映画「ゴッド・セイブ・アス(Que Dios nos perdone)」

00_2 一昨年のワールド・エクストリーム・シネマで上映されたスペイン映画「マーシュランド」が予想外の大当たりでしたので、この「ゴッド・セイブ・アス」もかなり期待して観にいきました。夜の上映だったせいかも知れませんが、観客は10人もいなかったと思います。それも納得という気がしないでもない作品です。

スペイン本国ではまずまずの評価で、2016年ゴヤ賞で主演男優賞、同年のサン・セバスティアン映画祭で脚本賞を受賞しています。ちなみに今年の脚本賞は先週ご紹介した「家族のように」でしたが、それに比べて展開やセリフが平凡で、悪くはないけど今ひとつ、という1本でした。

いわゆるバディムービーで、2人の刑事、粗暴なハビエルと緻密なルイスが難事件を解決していくミステリーです。その事件というのが老女の連続殺人なのですが、これが恨みや物取りではなく暴行殺人、つまり被害者である高齢の女性たちは強姦されて殺されているというところに特殊性があります。

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最初の事件の捜査では、被害者と交際していた男性を探したりするのですが、それが連続殺人であることが判明し、老女に異常な感情を抱いている人物という犯人像が示されます。しかし、被害者同士には繋がりがみられませんので、特定の老女を狙った事件ではありません。僅かな物証と、猫に餌を与えたのではないかという曖昧な手がかりしかないなか、2人の刑事は推理を進めていきます。

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バディムービーですから、主人公たちも個性的です。ハビエルは暴力が原因で妻と別居し、今は娘と2人暮らし。少し前に署内で同僚刑事を殴って片目を失明させたことが映画の冒頭で示されます。アンガーマネジメントできない性格は、この捜査の過程でもたびたび表面化してトラブルを引き起こしますが、熱血漢らしい情熱で犯人に迫っていきます。

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対するルイスは、吃音がある関係でコミュニケーションを避けるタイプ。よく片付いた部屋で独り暮らしており、共用部の清掃に来る女性をドアスコープからのぞき見たりする屈折した性格です。刑事としては緻密に証拠を積み上げていくタイプで、過去の類似事件の膨大な資料を洗い直したりしていきます。

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2人の捜査にはいろいろと邪魔がはいり、遅々として進みません。一旦は、犯人らしき人物を見つけるのですが、地下鉄オペラ駅を封鎖するという大捕物を演じた揚げ句、取り逃がしてしまいます。

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また、この映画の舞台となっている2011年夏のマドリードはローマ法王の訪問を控えており、警察上層部はこの猟奇的事件を闇に葬ろうと圧力をかけてきます。なおこれは、2011年8月16日から21日までマドリードでワールドユースデー(World Youth Day Madrid 2011)が開催され、この公費支出に関する反対運動が盛り上がったという事実を絡めて描いている部分です。

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ハビエルが警察から追い出されてしまったり、私生活で問題が発生したりといろいろありますが、結局はスペイン映画らしく教会に行き着き、そこから謎が解き明かされていきます。原題の“神様お赦しください”はそのあたりに因んで付けられたのでしょう。しかし、それだけで終わらせないところがこの監督の持ち味かも知れません。

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本作でハビエル(Javier Alfaro)を演じてゴヤ賞に輝いたのは「私が、生きる肌」で事件の鍵となる家政婦の息子を演じていたロベルト・アラモ(Roberto Álamo)。ルイス(Luis Velarde)を演じたのは、イグレシア監督の「気狂いピエロの決闘」「刺さった男」、アルモドバル監督の「ボルベール」「アイム・ソー・エキサイテッド!」の他、「マーシュランド」で被害者の父親、「静かなる復讐」で主役ホセを演じていたアントニオ・デ・ラ・トレ(Antonio de la Torre)。出演作ごとに雰囲気をがらっと変えて登場するスペインの人気俳優です。

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監督を務めたロドリゴ・ソロゴジェン(Rodrigo Sorogoyen)は1981年生まれの若手で、2008年に「8 citas」でデビューし、2013年の「Stockholm」がゴヤ賞にノミネートされて注目を集めた人。「チコとチカ(¿Chico o chica?)」などで知られる映画監督アントニオ・デル・アモ(Antonio del Amo)の孫だそうです。

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公式サイト
ゴッド・セイブ・アスQue Dios nos perdone

[仕入れ担当]

2017年10月30日 (月)

ラテンビート映画祭「家族のように(Una especie de familia)」

00 こちらも「ネルーダ」「サマ」と同じくアルゼンチン映画です。今年のラテンビート映画祭は、直前に上映中止になったり、上映日が変更になったりして思うように作品を選べず、結局3作だけの観賞、それもすべてアルゼンチン映画となってしまいました。

本作はディエゴ・レルマン(Diego Lerman)監督の第5作目。先月開催されたサン・セバスティアン映画祭(Festival Internacional de cine de Donostia-San Sebastián)のコンペティション部門で脚本賞を受賞しています。

2014年の最優秀映画賞に「マジカル・ガール」を選んだこの映画祭、今年度の栄冠はジェームズ・フランコ監督・主演の米国映画「The Disaster Artist」に輝きました。ちなみ贈られるコンチャ・デ・オロ(金の貝殻賞)は、サンティアゴ巡礼の目印と同じくホタテ貝のデザインです。

この映画祭にはドノスティア賞という功労賞が設けられていて、今年はリカルド・ダリン、モニカ・ベルッチ、アニエス・ヴァルダが選ばれた関係で、街中いたるところに彼らの写真が飾られていました。どんどんメジャーになってきたリカルド・ダリンと、じわじわ復活を遂げたモニカ・ベルッチはこれからも注目ですね。下はサン・セバスティアンの素敵なお花屋さんのショーウィンドウに並べられていた2人の写真です。

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話が逸れてしまいましたが映画「家族のように」のお話です。

物語は、新生児を養子にしようと試みて翻弄される女医が主人公。これも巻き込まれ型サスペンスというのでしょうか。さすが脚本賞を受賞しているだけあって、何かに絡め取られるようにドツボに嵌っていく展開が自然です。

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オープニングは夜の街道沿いに佇む女医マレナで、何に躊躇しているかといえば、自分が貰い受けることになっている子どもが産まれるという知らせを受けて、現地に赴くべきか否か決めかねているのです。結局、アルゼンチン北部のミシオネスに向かうことにします。

マレナは女医ですから一種のエリートで、首都ブエノスアイレスでそれなりに裕福な生活をしています。それに対してミシオネスという地域は、パラグアイとブラジルに挟まれた僻地で、住民たちの生活もみるからに厳しそう。その顕著な経済格差が、闇の養子縁組を成り立たせているようです。

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アルゼンチンの法律のことはわかりませんが、どうやら新生児を養子縁組することはできないようです。しかしマレナには、成長した子どもを養護施設から迎えるより、産まれて間もない赤ちゃんを貰いたいという強い思いがあるようです。

現地の病院でコスタス医師から迎えられたマレナは、まだ若いマルセラと対面します。既に2人の子持ちのマルセラは3人目を妊娠しており、養子に出すことに対するストレスのせいか身体的にも精神的にも不安定です。少しハラハラさせますが、無事に赤ちゃんが生まれ、その赤ちゃんを一時的に世話してくれる人も見つかって、ひと安心。

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と思いきや、マルセラの夫が出稼ぎ先のブラジルで問題を起こし、刑務所に入れられたという話が親族から伝えられます。つまり、これからのマルセラの生活を支えるために、いくらか出して欲しいという要望です。

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エリートにとって出せない金額ではないようですが、元もと赤ちゃんの対価を払うつもりはない上に話そのものも眉唾ものです。また、これは闇の取引ですから、この先さらなる要求が続くかも知れません。そう簡単に承諾できない話です。

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とはいえ、新生児を抱いてしまったマレナに、赤ちゃんを手放す気持ちは毛頭ありません。結局、別居中の夫に相談して捻出してもらうことになります。それでハッピーエンドに進むと思わせておいて、また新たな困難が立ちはだかるのですが、この先は観てのお楽しみです。

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主役を務めたバルバラ・レニー(Bárbara Lennie)はスペイン・マドリード出身の女優。このブログでは店員役で出た「私が、生きる肌」や麻薬捜査官役で出た「エル・ニーニョ」もご紹介していますが、強く印象に残るのはゴヤ賞の主演女優賞に輝いた「マジカル・ガール」のバルバラ役でしょう。

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その夫、マリアノを演じたクラウディオ・トルカチル(Claudio Tolcachir)は「失われた肌」にも出ていたというブエノスアイレス出身の俳優、コスタス医師を演じたダニエル・アラオス(Daniel Aráoz)は「ル・コルビュジエの家」で強面の隣人を強烈な個性で演じていたアルゼンチン・コルドバ出身の俳優です。

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[仕入れ担当]

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