カルチャー

2018年9月18日 (火)

映画「輝ける人生(Finding Your Feet)」

00 こういう気軽な映画も良いものですね。夫の浮気を知った初老の女性が、家を出て姉と暮らし始め、姉の仲間やダンスを通じて違った生き方を見つけていくというストーリー。概ね想像通りに展開しますので、ある意味、安心して観ていられます。英国老人の日常生活を眺めながら、芸達者なベテラン俳優の演技を楽しむ映画です。

映画の出だしは、ロンドン近郊イズリントンの瀟洒な邸宅で、ナイトの称号を授与されたマイク・アボットがお披露目パーティを開いている場面。警察署長を勇退した地元名士らしく、妻サンドラの貢献を讃えるスピーチをしますが、その舌の根の乾かぬうちにサンドラの友人と浮気をしています。それを知ったサンドラが家を飛び出し、公営住宅で暮らす姉エリザベス、通称ビフの部屋に転がり込んだところから物語のスタートです。

妹のサンドラは名士の妻として間違いのない、平穏無事な暮らしをしてきましたが、姉のビフは正反対で、以前は反体制活動に勤しみ、今も気ままな独身生活を謳歌しています。サンドラを受け入れてすぐに黒人のボーイフレンドとの関係が描かれますし、後半では恋愛対象は男性に限らないといった話まで出てくるような根っからの自由人です。

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そんなビフの楽しみはハムステッドヒースの池(Mixed Bathing Pond)で泳いだり、老人向けのダンス教室で踊ること。ハムステッドといえば先日観た「ロンドン、人生はじめます」にも出てきましたが、その前作にあたる「ニューヨーク、眺めのいい部屋売ります」の監督リチャード・ロンクレイン(Richard Loncraine)が本作の監督です。

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ビフの部屋で暮らし始めた当初、まだ名士の妻のノリが抜けないサンドラが、自己紹介で“レディ・アボット”と名乗るあたりから話の全貌が見えてきます。つまり、誰かに従属する立場だった彼女が、独り立ち(Finding Your Feet)していくのです。また、そのロールモデルでありメンターであるビフとの関係も変化していき、疎遠にしていた姉妹の絆を再確認することになります。

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その契機となるのがクリスマスのチャリティ活動として路上でダンスを披露したこと。お揃いのTシャツに記されたキャッチフレーズ“Love Later Life”が良い感じですね。ということでこの映画、実はクリスマスムービーです。夢を潰えさせるようなことはありません。

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主人公のサンドラを演じたのは、私生活ではOBEのイメルダ・スタウントン(Imelda Staunton)。「ヴェラ・ドレイク」での名演で知られる英国のベテラン女優です。このブログで取りあげた映画でいうと「ウッドストックがやってくる!」で主人公の母親、「家族の庭」でジェリーの患者、「パレードへようこそ」で炭坑側の福祉委員長を演じ、重要な脇役として作品を支えていました。

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そして姉のビフ役のセリア・イムリー(Celia Imrie)は「マリーゴールド・ホテル」シリーズで恋多き女マッジを演じていた人。つい最近も「マンマ・ミーア!ヒア・ウィー・ゴー」でドナが卒業したニュースクールの学部長を演じ、歌って踊って見せていました。

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ビフのダンス仲間の男性チャーリーを演じたのは、「英国王のスピーチ」でチャーチル、「ジンジャーの朝」でマーク司祭、「ターナー、光に愛を求めて」で主役を演じていた名優ティモシー・スポール(Timothy Spall)。もう1人の男性テッドを演じたデヴィッド・ハイマン(David Hayman)は「ハリー・ポッター」シリーズのプロデューサーとして有名ですが、その昔は「シド・アンド・ナンシー」でマルコム・マクラーレンを演じていたれっきとした俳優です。

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ダンス仲間のわけあり女性ジャッキーを演じたジョアンナ・ラムレイ(Joanna Lumley)は「ウルフ・オブ・ウォールストリート」のエマおばさんだった人で、本作でも“Surely becoming a free woman is better than being a kept lady”というセリフを語ってこの映画の本質を伝えます。

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こういった名優たちの個性的な演技のおかげで、他愛ないストーリーにもかかわらず、なかなか味わい深い作品になっています。ロンドンのピカデリー・サーカスやソーホーの他、ローマのトレヴィの泉やナヴォーナ広場など観光旅行でお馴染みの場所がいくつも出てきますので、インフライトムービーでご覧になるのも良いでしょう。

公式サイト
輝ける人生Finding Your Feet

[仕入れ担当]

2018年9月10日 (月)

映画「判決、ふたつの希望(The Insult)」

00 レバノンの首都ベイルートで暮らす2人の男の諍いが、国論を二分する政治問題につながっていくヒューマンドラマです。民族と宗教が絡み合った法廷劇ですが、人物の描き方も物語の展開も非常に巧みで、地味な印象を良い意味で裏切られます。アカデミー賞の外国映画賞に「ナチュラルウーマン」「ラブレス」「ザ・スクエア」「心と体と」と並んで選出されただけのことはあります。

監督はレバノン出身のジアド・ドゥエイリ(Ziad Doueiri)。タランティーノ作品のアシスタントカメラマンを務めていたそうです。主演はレバノン人役のアデル・カラム(Adel Karam)と、パレスチナ人役のカエル・エル・バシャ(Kamel El Basha)で、カエル・エル・バシャは本作でベネチア映画祭の最優秀男優賞を獲得しています。

映画の幕開けは、自動車整備工場の社長であるトニー・ハンナが政治集会に参加している場面。我々の真の大統領はバシール・ジュマイエルだという演説が聞こえてきますが、キリスト教マロン派の民兵組織・右派政党であるレバノン軍団(Lebanese Forces)の集まりだそうです。つまり一方の主人公、トニーはレバノン人でキリスト教徒です。

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彼が自宅ベランダの植木に水やりしたことで建物の補修工事をしていたヤーセル・サラーメと口論になります。かっとしたトニーが、ヤーセルが据え付けたばかりの排水管をたたき壊し、それに対してヤーセルが悪態をつきます。この些細な出来事がそもそもの始まり。なぜトニーが不機嫌だったかというと、ヤーセルがレバノンへ難民として入ってきたパレスチナ人だから。

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イスラエル建国で難民となったパレスチナ人たちは隣国ヨルダンに逃れ、パレスチナ解放機構(PLO)を組織してイスラエルとの武装闘争を始めます。ところが彼らを支援していたヨルダン政府とも対立するようになり、最終的にヨルダン国内から追放されてしまいます。そこで彼らを受け入れたのがパレスチナ難民に同情的だった隣国レバノン。しかし、多宗教国家として調和を保ってきたレバノン国内でも、主に宗教を原因とするパレスチナ難民との衝突が起こり、それがレバノン内戦に繋がっていくことになります。

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キリスト教徒であるトニーと、イスラム教徒であるパレスチナ人のヤーセルはそのような経緯を抱えています。そのうえ、映画冒頭でのトニーと妻シリーンの会話で明かされるように、トニーの出身地はベイルートから海岸沿いに30Km南にあるダムールの町。この会話では、“もう復興したんだから”云々と軽く触れるだけですが、実は1976年に報復の連鎖が起こった3つの地区、ベイルート東部のカランティナ地区、ダムール、テルザアタルの難民キャンプの1つであり、これが大きな伏線になっています。

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どのような背景があっても、現場監督であるヤーセルが地域住民とトラブルを起こすのは問題です。上司に促されてトニーの整備工場に謝罪に訪れますが、そこでトニーが発したひと言に激情し、彼の腹を殴ってしまいます。肋骨を2本折ったトニーが警察に通報したことで、彼らの対立は法廷に持ち込まれることになります。

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当初は個人的な諍いだったものの、裁判になったことで注目を集め、それぞれの弁護士が宗教、民族、ヒューマニズムといった枠組みで論戦を繰り広げる大がかりな話に膨らんでいきます。

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ここで重要なのは、原告と被告の心にあるのは宗教的な対立ではないということ。実際、ヤーセルの妻はキリスト教徒ですし、トニーもイスラム教に対する反感は示しません。民族の歴史、つまりそれぞれの忌まわしい過去が彼らを突き動かすのです。

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この映画を素晴らしいものにしているのは、まず脚本の巧みさ。複雑な背景を持つ物語を、わかりやすくスリリングに展開させていきます。そして主役2人の佇まい。特にヤーセルを演じたカエル・エル・バシャの憤怒と諦念をたたえた表情には、苦難を耐え抜いてきたパレスチナ人らしい沈黙のリアリティがあります。

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日本人には馴染みの薄いレバノンを舞台に、これまた馴染みの薄いアラビア語で繰り広げられる映画ですが、一見の価値ありだと思います。ちなみに字幕翻訳は先ごろ亡くなった寺尾次郎さん。

目立たないタイトルの割に大盛況で、私が観に行った回は最前列まで満席でした。予約必須です。

公式サイト
判決、ふたつの希望L'insulte

[仕入れ担当]

2018年9月 4日 (火)

おべんとう展 東京都美術館

タイトルを見た時から気になっていました♪ 食べることだけでなく、人と人や社会をつなぐコミュニケーション・ツールとしても活躍する “おべんとう” がテーマです。現代作家のインスタレーションや写真作品などを観て、聞いて、触れて新しい発見を体験します。

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オランダの作家マライエ・フォーゲルサングの《intangible bento》は、お弁当箱の中に入り込み、そこに住む精霊のメッセージを聴きながら探検するというインスタレーションです。香りのするブースや、参加者たちがお弁当の思い出を短冊に綴るブースがあり、懐かしい記憶を辿ります。

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小山田徹氏の《お父ちゃん弁当》は父親である美術家の小山田氏が、小学2年生の娘さんのアイデア画に基づき、幼稚園に通う息子さんのために作ったお弁当の数々です。

下の写真は、割れたたまごを表現していますが、アイデアが斬新! 娘さんからの「作れる?」という挑戦状のようでもあります。

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悪い顔をしたパンダのほか、お昼ごはんを食べる時間を示した時計や、桜島の噴火をデザインしたものもあります。フタを開けたときの息子さんの驚いた顔や笑った顔、指示が難解すぎて困っているお父ちゃんの顔が思い浮かぶようです。

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江戸時代にお花見や舟遊びに使われていた豪華なお弁当箱や、少女漫画のキャラクターがプリントされたアルマイトのお弁当箱、世界各国のユニークなカタチのお弁当箱も観られます。

おべんとう展
http://bento.tobikan.jp/
2018年10月8日(月・祝)まで

[店長]

2018年9月 3日 (月)

映画「スターリンの葬送狂騒曲(The Death of Stalin)」

00 スターリンの突然の死に右往左往するソビエト中枢部を描いた映画です。ブラックコメディと紹介されていますし、邦題からもユーモラスな印象を受けますが、史実を参照しながら恐怖政治の時代を描いたもので、本質的には笑えない話だと思います。独裁者の取り巻きたちの愚しい行動が、現代社会のあれこれを思い浮かべさせ、冷ややかな笑いを誘うタイプの作品です。

映画の始まりはクラシック音楽のコンサート中継をしているTVディレクターの部屋に独裁者スターリンから電話がかかってくるシーン。折り返し電話するように言われ、その通りにすると、コンサートの録音が聞きたいので遣いの兵士に渡すようにとのこと。生中継で録音してなかったとは言えませんので、帰ろうとする観客を引き留め、楽団にもう一度演奏させて録音します。ディレクターの慌てふためいた対応で、粛正の嵐が吹き荒れる時代の空気感を伝えます。

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その頃、スターリンは取り巻きたちと宴会中です。場を盛り上げようと皆が頑張っている中、間の悪い話題を振って空気を冷やすマレンコフが笑えます。食事が終わり、取り巻きたちが帰ろうとすると、スターリンから映画を観ていくように薦められ、ジョン・フォード監督、ジョン・ウェイン主演の西部劇を観ることになります。先が読めてしまう映画に退屈しながらも我慢して観る取り巻きたち。これが米国が最初の水爆実験を行った翌年、米ソが対立していた時期の話だと知って観ると作り手の皮肉がわかるというものです。

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夜更け過ぎにお開きになり、1人で寝室に入ったスターリンがコンサートの録音盤を聞き始めた途端、大きな音をたてて倒れます。しかし、ドアの外に立つ衛兵たちは恐くて部屋を覗くこともできません。結局、失禁して意識を失っているスターリンを見つけたのは朝食を運んできたメイド。先ほど帰ったばかりの取り巻きたちが続々と集まってきます。

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彼らの関心は、スターリンが快復するのか、このまま逝ってしまうのかということ。もしこれで最期なら後継者選びという難関が待ち構えていますので身の振りようが違ってきます。とはいえ、まだ生きていますのでまずは治療なのですが、多くの医師が医師団陰謀事件で粛正されるかシベリア送りになっていて、残っている医師を拉致してきて診させるしかありません。そういったバタバタが重なって手遅れになったのか、数日後にスターリンは亡くなります。

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副首相だったマレンコフ、NKVDへの影響力を背景にスターリンと共に粛正を進めていたベリヤ、中央委員会第一書記のフルシチョフといった面々が互いの腹を探り合いながら合従連衡を始めます。マレンコフに正統性があるとはいえ、人望も政治的能力も低かった彼は、集団指導体制でこの局面を乗り切ろうとするわけですが、ベリヤやフルシチョフにもそれぞれの立場と組織があります。その結果が、共産主義を標榜する集団のお約束、仲間割れと粛清です。

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監督を務めたアーマンド・イアヌッチ(Armando Iannucci)は、本作を構想した背景として、モスクワのホテルに掲げられていたスターリンの肖像画を挙げています。西側諸国でヒトラーやムッソリーニの肖像画を飾っていたら非難の的でしょうが、モスクワでは当たり前にスターリンを讃えていることに仰天したというわけです。そういえば中国も毛沢東の肖像画を飾っていますね。時代が変わり、体制が変わったように見えても、その本質は変わらないのかも知れません。

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スターリンの娘スヴェトラーナや息子のワシーリーも出てきます。特にワシーリーは典型的なバカ息子として描かれていて、ある意味、映画の面白さに貢献しています。ちなみにワシーリー、40歳の若さでアル中で亡くなっています。ついでに書けば、スヴェトラーナが釈放を求めるアレクセイ・カプレルは映画監督で彼女の初恋の相手、当時はヴォルクタの強制労働収容所にいました。

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原作はフランスのファビアン・ニュリ(Fabien Nury)とティエリ・ロバン(Thierry Robin)によるグラフィックノベル“La mort de Staline”。出演者としては、スターリンをアドリアン・マクローリン(Adrian McLoughlin)、マレンコフをジェフリー・タンバー(Jeffrey Tambor)、ベリヤをサイモン・ラッセル・ビール(Simon Russell Beale)、フルシチョフをスティーヴ・ブシェミ(Steve Buscemi)が演じている他、物語の要となるピアニスト役でオルガ・キュリレンコ(Olga Kurylenko)が出ています。

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史実的な正確さはわかりませんが、いずれにしても利害関係者の身勝手な発言からしか窺い知れない出来事ですので、細かいことは笑い飛ばしても問題なさそうです。私のようにロシア史の知識がない人間がざっくり歴史のハイライトを知るには良い映画だと思います。

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公式サイト
スターリンの葬送狂騒曲The Death of Stalin

[仕入れ担当]

2018年9月 2日 (日)

特別展 昆虫 国立科学博物館

地球上に存在する生物種の半数以上を占めるといわれる “昆虫” をテーマにした展覧会に行ってきました。エアコンの送風技術に活かされているトンボのハネ、痛みの少ない注射針のヒントになっている蚊の口など、神秘的な体のしくみや、能力、生態についてを標本や巨大な模型、貴重な映像などで学んでいきます。

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4.8億年も前に出現してから、したたかに生き延びた昆虫は、現在確認されているだけでも100万種以上。頭の上にアンテナを立てたようなヨツコブツノゼミ、お尻から細長い産卵管を垂らすウマノオバチ、身を守るために擬態するオオコノハムシなど奇妙なカタチをしたヤツがいれば、鮮やかなボディをもつプラチナコガネやホウセキゾウムシ、美しい色柄のチョウもいます。それぞれ噛む、吸う、舐めるための口をもち、幼虫から成虫までの過程で身体だけでなく口のカタチも変態していくのだそうです。

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世界で最大級のチョウとして知られているのは、アゲハチョウ科のトリバネアゲハの仲間。ハネを広げた時のサイズはオスが220mm、メスは280mmに達するそうですが、あまり大きいと不気味に見えるかも知れません。。。

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こちらは三角ケースといわれるもので、蝶などを採取したときに三角紙に包んで持ち運ぶときに使います。

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捕まえたチョウを標本にするには、まず胸部を指で圧迫して殺虫。展翅板に身体を固定してから、針先などでハネや足のカタチを整え乾燥させるそうです。

数万点におよぶ標本コレクションの中には、管理担当者が最後まで公開をためらったという世界に一つだけのヤンバルテナガコガネのホロタイプ標本もあり。

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未知なる昆虫の世界に夢中になります。

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特別展 昆虫
http://www.konchuten.jp/
2018年10月8日(月・祝)まで

[店長]

2018年8月30日 (木)

建築の日本展 森美術館

縄文時代の住居から世界が注目する今の日本の建築まで、伝統をもとにした独創的な発想と表現を貴重な図面や模型、映像や体験型のインスタレーションを通して紹介しています。100のプロジェクト、400点を超える展示物は見応え十分です。

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伝統的な日本の建築といえば木造建築。江戸時代の大工の棟梁たちに代々受け継がれた秘伝書など、木組や屋根の文化を読み解く章は興味深い内容が盛り沢山です。

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さまざまな建築物の模型も見どころの一つ。千利休が豊臣秀吉のために建てたと伝えられる国宝の茶室《待庵》は原寸大で、《丹下健三氏の自邸》は3分の1スケールで小田原の宮大工たちが再現したそうです。現存しない丹下氏自邸は図面や写真でしか見たことがなく、入り込めそうなほど大きな模型で見るのはもちろん初めて。木の香りも楽しみながら、美しい空間を堪能しました。

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名作の家具に触れながら書籍を閲覧できるブックラウンジや、自分好みの家をデザインできるipadアプリもあります。吉村靖孝氏の《HouseMaker》で気軽に遊んでみましたが、階高を上げて、床のレイアウトを決め、開口部を増やしているうちに建築費がとんでもないことに・・・!

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坂茂氏の《静岡県富士山世界遺産センター》や、隈研吾氏の《梼原 木橋ミュージアム》など日本各地の建築物をめぐる旅に出かけたくなります。

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建築の日本展 その遺伝子のもたらすもの
https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/japaninarchitecture/index.html
2018年9月17日(月)まで

[店長]

2018年8月29日 (水)

映画「追想(On Chesil Beach)」

00 イアン・マキューアン(Ian McEwan)の小説の映画化です。原題は小説も映画も同じで、チェジル・ビーチという地名が醸し出す風情で読者を惹きつけるわけですが、それでは日本人に響かないと思ったのでしょう。邦訳された小説の題「初夜」は内容そのもので、要するに結婚したばかりの若い男女の一晩の物語。主な舞台はホテルの一室ですが、ところどころに出会いから結婚に至るまでの出来事が挟み込まれ、2人の背景が見えるようになっています。

映画の脚本も原作者が担当したせいか物語の内容も進み方もほぼ小説と同じです。大きく違うのはエンディングで、映画のタグライン“This is how the entire course of a life can be changed: by doing nothing”に絡めて言えば、小説では答えを出さないまま終わり、映画では結果が具体的に示されます。このあたりは賛否が分かれそうですが、後日談は小説を読んだ人へのサービスなのかも知れません。いずれにしても読者(登場人物の背景がわかる人)が観ることを想定して創られた映画だと思います。

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物語は1962年のチェジル・ビーチ、作者の言葉を借りればドーセット州アボツべリーの南1マイルの海岸の小高い草地に建つホテルの客室で、新婚の2人がディナーをとる場面から始まります。まだ性に対して閉鎖的な時代ですので、この後に繰り広げられることについて期待と不安を抱えながらの食事で、ワゴンを押してきたウェイターとのやりとりを含めていろいろとチグハグです。

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実は新郎エドワード、ホテルに泊まることさえ初めてなのです。ここが英国文学らしいところなのですが、新婦フローレンスは街なかに暮らす裕福な実業家の娘、エドワードは丘陵の小さな村に暮らす教師の息子という格差が物語のベースになっています。これが2人の交際の障壁となり、それを乗り越えて結婚に至ったわけですが、物質的な結びつきより精神的な結びつきを重視した彼らが、肉体的な結びつきの局面で困難に直面することになります。

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文化的格差でいえば、映画には出てきませんが、エドワードが初めてフローレンスの自宅、ポンティング家に招かれたとき、ヨーグルトというのはジェームズ・ボンドの小説でしか知らなかった食べ物で、口にするのは初めてでした。その朝食の席でバゲットをクロワッサンと呼んだ逸話は映画でもさらっと触れられますが、彼はそのときまでミューズリもアンチョビーもラタトゥイユもブイヤベースも見たことがなかったし、まだ外国に旅行したことがないと言って家族に驚かれたりしているのです。

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エドワードは、オックスフォードの街から10kmほど南東の丘陵にあるタービル・ヒース(Turville Heath)で育ちました。母親が事故で脳に障害を負っている関係もあるのか、学校教師の父親と2人の妹と非常に慎ましい暮らしをしています。最初に会ったときの服装についてフローレンスが語るシーンがありますが、街まで出かけて行く際も、ひざ当てをしたグレイフランネルのズボン、爪先に穴があきかけたズック靴という装いです。

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対するフローレンス、父親ジェフリーはポンティング・エレクトロニクス社の会長、母親ヴァイオレットはオックスフォード大学でライプニッツのモナドやカントの定言命法を教えているという家庭で、娘のフローレンスが父親の支援を受けながらヴァイオリニストを目指しているという設定も頷けます。少女の頃から父親のヨット、シュガー・プラム号でフランスのカルトレ(Barneville-Carteret)まで行ったり、旅行にも慣れています。

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2人とも大学はロンドンですが、エドワードはカムデンタウンの叔母の家から自転車でブルームズベリーのUCLに通い、フローレンスはアルバートホール近くの女子学生寮から王立音楽大学(RCM)に通って練習に明け暮れていましたので、学生時代に接点はありませんでした。彼らの出会いは卒業後、フローレンスが活動していた核兵器廃絶運動(CND)の集会に、エドワードが気まぐれで入り込んだこと。といっても、エドワードも当時の学生らしく核兵器に危機感をもち、CNDの会費を納めている会員でもありました。そこで一瞬にして恋に落ち、紆余曲折を経てチェジル・ビーチに至るのです。

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フローレンスを演じたのは、イアン・マキューアンの「つぐない」でも主人公の少女時代を演じていたシアーシャ・ローナン(Saoirse Ronan)。このところ「ブルックリン」「レディ・バード」でアカデミー賞の主演女優賞にノミネートされるなど、めきめきと存在感を高めてきました。エドワードを演じたのは「ベロニカとの記憶」で主人公の青年時代を演じていたビリー・ハウル(Billy Howle)で、ジュリアン・バーンズ、イアン・マキューアンと英国を代表する小説家の作品に出てきたわけですが、次作はシアーシャ・ローナン主演のチェーホフ「かもめ」だそうで、あの生真面目な雰囲気が文芸作品にフィットしやすいのかも知れませんね。

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そして彼らの周りをかためるのは、フローレンスの父ジェフリー役のサミュエル・ウェスト(Samuel West)、母ヴァイオレット役のエミリー・ワトソン(Emily Watson)、エドワードの父ライオネル役のエイドリアン・スカーボロー(Adrian Scarborough)、母マージョリー役のアンヌ=マリー・ダフ(Anne-Marie Duff)といったベテラン俳優たち。おかげで英国映画らしい雰囲気を楽しめます。

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ヴァイオリン奏者としてクラシック音楽にしか関心のないフローレンスに対し、エドワードの好みはロックで、時代とともにチャック・ベリー“Roll Over Beethoven”からT・レックス“20th Century Boy”へと移っていき、21世紀をエイミー・ワインハウス“Wake Up Alone”に代表させたのも良い選曲だと思いました。

公式サイト
追想On Chesil Beach

[仕入れ担当]

2018年8月27日 (月)

映画「オーシャンズ8(Ocean's Eight)」

00 「オーシャンズ」シリーズのスピンアウト作品です。2008年にバーニー・マックが亡くなり、3作目の「オーシャンズ13」でシリーズ打ち切りと言われていましたが、犯罪集団をすべて女性に変えて戻ってきました。物語としてはオリジナル版の「オーシャンズ11」を上書きするような内容になっています。監督は「ハンガー・ゲーム」のゲイリー・ロス(Gary Ross)。

オープニングはダニー・オーシャンの妹、服役中のデビー・オーシャンが仮釈放前のインタビューを受けるシーン。オレンジ色の囚人服で神妙な受け答えをしていますが、次のシーンで仮釈放になる際はガラッと様相を変えていて、これからの展開に期待をもたせます。

そのデビーを演じたのはサンドラ・ブロック(Sandra Bullock)。すぐにケイト・ブランシェット(Cate Blanchett)演じる相棒ルーに連絡をとり、刑務所内で練りに練ったという犯罪プランを披露します。この流れは「オーシャンズ11」の始まりと同じですが、犯罪の目的が盗みだけでなく私情絡みというあたりもよく似ています。エンディングの装いを含めて、オリジナル版へのオマージュたっぷりの作品です。

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今回の狙いはカルティエの地下金庫に眠る1億5000万ドルの宝飾ネックレス、トゥーサン(Toussaint)で、これをメットガラで共同ホスト(co-host)を務める女優のダフネ・クルーガーに着けさせてパーティの最中に盗んでしまおうというもの。メットガラというのは、メトロポリタン美術館の服飾研究所が開催する展覧会のために行われるファンドレイジングパーティーで、ご興味ある方は映画「メットガラ ドレスをまとった美術館」をご覧になると良いと思いますが、その主催者であるヴォーグ誌のアナ・ウィンター(Anna Wintour)と同研究所のアンドリュー・ボルトン(Andrew Bolton)も本作にカメオ出演しています。

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さて、どうやって女優ダフネ・クルーガーにトゥーサンを着けさせるか。そのためには自分たちの息のかかったデザイナーに彼女のドレスをデザインさせ、コーディネートするアクセサリーとしてトゥーサンを推すのが近道です。そのデザイナーとして白羽の矢を立てられたのがローズ・ワイルで、90年代に活躍したものの、このところ低迷していて、税金滞納額が500万ドルに膨らんでしまったというアイルランド系デザイナー。売れてないとはいえ、毎年イースターをアナ・ウィンターとケント州で過ごすほど仲が良いところが今回の作戦に最適なのです。

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デビーとルーは早速ローズのコレクションを見にいきます。そこでランウェイの向こうを指さして“ほらあそこにいるのがオマハ銀行の人たち。この期に及んで彼女にお金を貸すのはあの銀行ぐらいでしょ”という会話が交わされます。米国で Omaha bank というと、きらぼし銀行とかスルガ銀行のようなイメージなのかも知れませんが、日本人にはわかりにくいジョークですね。

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同様にわかりにいジョークだと思ったのが、ダフネ・クルーガーの記者会見のシーン。記者から誰の(ドレス)を着るか訊かれて、“うーん、ラ・ペルラ。黒よ”と答えるのですが、La Perla が下着ブランドだと知らないと、はぐらかしている感じが伝わりませんよね。そういった予備知識を必要とするジョークが至るところに散りばめられています。

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ダフネ・クルーガーをアン・ハサウェイ(Anne Hathaway)、ローズをヘレナ・ボナム=カーター(Helena Bonham Carter)が演じていて、それだけでも豪華なキャスティングなのですが、犯罪チームに加わるハッカー役がリアーナ(Rihanna)というのも贅沢なジョークです。というのは、リアーナは前記の映画「メットガラ……」の最も重要な出演者で、ヴォーグ誌のスタッフが“リアーナに一曲歌わせるには30万ドルから40万ドルかかる。呼びたければ higher level ask(≒トップからの依頼)が必要”と言って、アナ・ウィンターに直接電話させるシーンが出てきます。そんなセレブが泥棒の一味を演じれば間違いなく内輪ウケするでしょう。

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それ以外のチームのメンバーは、インド系の宝飾職人アミータを演じたミンディ・カリング(Mindy Kaling)、故買屋かつヴォーグ編集スタッフにまぎれ込むタミーを演じたサラ・ポールソン(Sarah Paulson)、アジア系の掏摸コンスタンスを演じたオークワフィナ(Awkwafina)と多様性を重視。サラ・ポールソンは白人ですが、映画「キャロル」で演じていたアビーそのままに性的多様性を象徴する存在です。

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オークワフィナは話題作「Crazy Rich Asians」にも出ている最近売り出し中の人です。本職はラッパーで、クィーンズ育ちという、それらしいバックグラウンドを持っていますが、本名ノラ・ラム(Nora Lum)という小柄な中華系女優。ちょっとお下劣なラップで注目を集めるまで普通にオフィスワークをしていたそうで、本作のロケ地の近くで働いていたとインタビューで答えていました。

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その他にダコタ・ファニング(Dakota Fanning)やジェームズ・コーデン(James Corden)が出ていますし、パーティシーンのゲストとして大勢がカメオ出演しています。アン・ハサウェイと同じテーブルにはケイティ・ホームズがいる他、ゼイン・マリクやキム・カーダシアン、マリア・シャラポワやセリーナ・ウィリアムズといったセレブたちがメットガラらしさを盛り上げます。デビーはドイツ人セレブを装って忍び込んだようで、ハイディ・クルムとドイツ語で喋っていました。ちなみにサンドラ・ブロックの母親はドイツ人で彼女も12歳までニュルンベルグで育ったそうです。

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もちろん物語そのものも小気味よい運びで爽快です。各自が自然な姿に戻っていくエンディングも素敵でした。

公式サイト
オーシャンズ8Ocean's Eight

[仕入れ担当]

2018年8月26日 (日)

ショーメ 時空を超える宝飾芸術の世界 三菱一号館美術館

1780年パリで生まれたジュエラー、ショーメの大規模な日本初展覧会を観てきました。豪華絢爛なジュエリーをはじめ、絵画、工芸品、デザイン画、写真など未公開の貴重な資料を含む300点もの作品が長い歴史と伝統を伝えます。

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圧巻は、歴史上もっとも美しいデザインとされる20点のティアラと、ティアラのマイヨショール(模型)300点がずらりと並ぶ部屋。繊細な造りの中で一部だけ微かに揺れる仕掛けのトランブルーズや、美しい輝きを放つブリオレットカットのダイヤモンドやカラージェムストーンなど、独創的で卓越した技術力に見惚れてしまいます。

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ショーメの顧客は、マイヨショールが飾られたサロンで好みのデザインを選ぶそう。

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自然を模したショーメの主要なレパートリーから、クモの巣を表現した大胆なデザインまで幅広いコレクションに驚かされます。

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まるでパリの宮殿に迷い込んだような感覚になる部屋や、3Dを駆使した演出など美しい空間構成にも注目です。時空を超えて浮かび上がるコレクションの数々にうっとりします。

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ショーメ 時空を超える宝飾芸術の世界 1780年パリに始まるエスプリ
https://mimt.jp/chaumet/
2018年9月17日(月)まで

[店長]

2018年8月20日 (月)

映画「マンマ・ミーア!ヒア・ウィー・ゴー(Mamma Mia! Here We Go Again)」

00 あれから10年。ドナとソフィの母娘が帰ってきました。前作と同じく南欧の美しい島を舞台にABBAの楽曲をふんだんに使った陽気なミュージカルが展開します。

物語の時代は前作から5年ほど経った2005年頃。メリル・ストリープ(Meryl Streep)目当てで観に行くと、出だしでびっくりしてしまうのですが、既にドナは亡くなっています。ホテルはアマンダ・セイフライド(Amanda Seyfried)演じるソフィーが継いでいて、今は改装オープンに向けてパーティの準備中です。

ソフィーの3人の父親のうちピアース・ブロスナン(Pierce Brosnan)演じるサムは近くに住んでいますが、コリン・ファース(Colin Firth)演じるハリーは日本で商談中、ステラン・スカルスガルド(Stellan Skarsgård)演じるビルはスウェーデンで授賞式があってパーティに出席できません。その上、ニューヨークにいる夫のスカイまで予定が変わって帰れそうにありません。

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ソフィーを励まそうと早々に島にやってきたのはドナと一緒に歌っていたダイナモスの仲間たち、ジュリー・ウォルターズ(Julie Walters)演じるロージーと、クリスティーン・バランスキー(Christine Baranski)演じるターニャだけですが、その後、嵐がやってきてパーティが開催できるかどうかも怪しくなってきます。

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こう書くと、ソフィーとサム、ロージーとターニャしか出てこないのかと思われそうですが、ちゃんと最後は全員勢ぞろいしますし、ドナの母親ルビーという無茶苦茶な役回り(演者の実年齢は3つしか違いません)でシェール(Cher)まで登場しますのでご心配なく。

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ついでに書くと、ホテルのマネージャー、フェルナンド・シエンフエゴスという謎めいた男の役でアンディ・ガルシア(Andy Garcia)も出ていて、たいへん豪華なキャスティングになっています。謎めいた男といっても姓のCienfuegos(キューバにある地名です)を直訳すると“100の炎”ですから、すぐにどんなキャラクターかわかってしまいそうですが・・・。名前の方はご想像の通りABBAの“悲しきフェルナンド”です。

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メリル・ストリープが出ていると言ってもその出演場面はほんの少し。ほとんどの部分で、ドナの若かりし頃を演じたリリー・ジェームズ(Lily James)中心に物語が展開します。「ベイビー・ドライバー」で注目を集め、「ウィンストン・チャーチル」で秘書のレイトン嬢を演じた最近売り出し中の女優さんですね。

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本作は現代と、ドナがオックスフォード大学ニュースクールを卒業した1979年頃の2つの時代を並行して描く作りになっていて、いろいろと思い悩む現代のソフィーと、奔放に行き抜いていく同じ年頃のドナを対照的に見せていきます。

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ですから、ドナだけでなく、ロージーとターニャも、サム、ハリー、ビルもダブルキャストになっていて、それぞれアレクサ・デイヴィーズ(Alexa Davies)とジェシカ・キーナン・ウィン(Jessica Keenan Wynn)、ジェレミー・アーヴァイン(Jeremy Irvine)、ヒュー・スキナー(Hugh Skinner)、ジョシュ・ディラン(Josh Dylan)という若手俳優が演じています。

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もちろんそこで描かれるのは、ソフィーの3人の父親とドナの出会い。リリー・ジェームズ演じるドナがとても活き活きしていて、もう1人の主役であるソフィが霞んでしまうほど魅力的です。

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3人の男を次々と乗り換えていくわけですから、冷静に考えるとひどい女ですが、 芯の強そうな表情といい、豪快な笑い方といい、彼らを虜にしてしまうのも納得させられます。ほぼ彼女のための映画と言って良いでしょう。

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最初に登場する卒業式のシーンでぐっと惹きつけられ、ハリーと出会うパリのシーンで一気に魅了されます。ちなみにハリーと歌って踊る“恋のウォータールー”の場面のピアニストはABBAのベニー・アンダーソンだそう。このダンスでリリー・ジェームズが爪先を骨折したと報道されていましたが、ミュージカル映画の真骨頂ともいえるような熱演でした。後半に出てくる桟橋の“ダンシング・クィーン”と並んで本作最大の見せ場だと思います。

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この映画は東京国際フォーラムで開催されたジャパンプレミアで観たのですが、その際の演し物としてLittle Glee Monsterというボーカルグループのパフォーマンスがありました。よくあるアイドルグループかと思ったらとても歌が上手で、彼女たちが歌う“ダンシング・クィーン”に会場4000人が喝采を送っていました。本作のジャパン・アンバサダーを務めているそうです。

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その他、ゲストとして吉本興業の横澤夏子さんが来ていて、私はわかりませんでしたが、どこかに出演していたそうです。おそらくコリン・ファース演じるハリーが日本の会議室で契約書の読み合わせをする場面で、交渉相手として「修道士は沈黙する」で日本の大臣を演じていた伊川東吾(Togo Igawa)と「エベレスト 3D」で難波康子さんを演じていた森尚子(Naoko Mori)も登場しますので、ファンの方は探してみてください。

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ということで、何も考えずに気持ちを盛り上げたいときにお勧めの1本です。ロケ地となったクロアチアのヴィス島も素晴らしくて、一度行ってみたいと思いながら観ていました。

公式サイト
マンマ・ミーア!ヒア・ウィー・ゴーMamma Mia! Here We Go Again

[仕入れ担当]

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