モナド界隈

2017年8月16日 (水)

ボストン美術館の至宝 展 東京都美術館

アメリカ・ボストン美術館がコレクションする古代エジプト美術、中国美術、日本美術、フランス絵画、アメリカ絵画、版画・写真、現代美術から選りすぐりの傑作品80点を出展し、収集した人物や作品にまつわるストーリーと合わせて紹介しています。

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砂岩でつくられたツタンカーメン王の頭部から、エジプト南部で出土した金と紅玉髄の首飾り、陳容の九龍図巻、モネの睡蓮、ゴッホのルーラン夫妻、アンディ・ウォーホルのジャッキー、サム・テイラー=ジョンソンのサイレントフィルムまで、見どころは数々あるのですが、やはり!一番は日本初公開となる英一蝶の「涅槃図」で決まりではないでしょうか。先月観たタイ展(こちらで紹介)で涅槃像が自分の守護仏と知り贔屓目でみているのかも知れませんが、、、それを差し引いても必見です!!

この仏画を入手し美術館に寄託したのはアーネスト・フランシス・フェノロサ氏。彼は1878年に来日し東京大学で哲学などを講じるかたわら、日本美術の研究や収集に没頭し、岡倉天心らと共に東京美術学校の設立にも尽力した人物です。

作品の高さは2.9メートル、幅は1.7メートルととても大きく、亀裂や汚れ、糊離れなどの劣化もひどかったため、アメリカでも25年以上前に1度公開されたきり展示されることが無かったそう。本展のために1年がかりで解体修理を行い、その様子を映像で紹介していますが、再現した色を6ヶ月もかけて乾燥させたことに驚きました。

悟りに入る釈迦を中心に、嘆き悲しむ菩薩や羅漢を鮮やかな色で描いています。手前には、仰向けにひっくり返った白象や寝転がる獅子、猿やイノシシの親子、スズメやトンボ、カニまで歩いていて、登場人物が多く観飽きることがありません。

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夏休みで混雑していますが、時間をとってじっくり観てみてください。日中よりも夕方あたりに行かれると人が少なめ(展覧会Twitter情報)で良さそうです。

ボストン美術館の至宝 展
http://boston2017-18.jp/
2017年10月9日(月・祝)まで

[店長]

2017年7月27日 (木)

深海 2017 展 国立科学博物館

太陽の光が届かなくなる水深約200メートルから、水圧でたんぱく質さえ壊れてしまい魚が住めないとされる水深約8400メートルを超える世界にまで迫る展覧会です。

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浅い海から落ちてくる生物の遺骸や排泄物を餌にしている深海の生物たち。数少ない獲物を捕るための工夫や生きるための努力を積み重ね進化し続けています。

深海で暮らす生物の90%以上が光るそうです。自力で光るものと、ほかの生物の力を借りて光るものがいて、光る理由には獲物をとらえる、助けをよぶ、敵から隠れるなどがあります。クロカムリクラゲは敵に襲われると体から光の粒をまき散らし、それを囮にして逃げるそう。

会場では、貴重な発光シーンがたくさん見られます。撮影の際、白い光をつかうと多くの生物がストレスを感じて自然体で撮れなかったため、深海の生物が感知できない赤い光を使用。暗闇で美しく怪しく光る映像に目を奪われます。

また生物や資源調査のために活躍している船舶や機器にも注目です。

下の写真は、無人深海探査機「江戸っ子1号」。東京都と千葉県の町工場が中心となって共同開発し、2013年には日本海溝の水深7800メートル付近で生物のハイビジョン撮影に成功しています。

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こちらは、有人潜水調査船「しんかい6500」の1/2模型。

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3人の乗組員が入れるコックピットは、わずか直径2メートルの狭いスペースです。

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深海研究が本格的に始まったのは19世紀末から。まだまだ謎に満ちた世界、興味は尽きません。

深海 2017 展
http://shinkai2017.jp/
2017年10月1日(日)まで

[店長]

2017年7月23日 (日)

タイ 展 東京国立博物館

タイの仏教美術を紹介する展覧会が上野・東京国立博物館で開催中です。日タイ修好130周年を記念して、美しい仏像や名品、日本との関わりを紹介しています。

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古くは5~6世紀に創られた立像から、インド神話に登場する7つの頭を持った蛇神ナーガが仏陀を風雨からお守りしている坐像、右半身がヒンドゥー教の男神シヴァで左半身はその妃パールヴァティーを表したクメール文化の坐像彫刻、優しい微笑みをたたえながら優雅に歩みを進める遊行像までバラエティーに富んでいます。

タイの人たちは自分の生まれた曜日を知っていて、曜日毎に違う姿の守護仏を拝むそうです。第一会場の最後に、生まれた曜日や守護仏、ラッキーカラーが分かる展示がありますので調べてみてください。

ちなみに火曜生まれのわたしは、守護仏が涅槃像でラッキーカラーはピンクでしたので、日本人で初めて上座仏教の僧侶となった釈興然(しゃくこうねん)が、タイから持ち帰ったという仏陀涅槃像を拝んできました。

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ほかに、仏塔に納められていた黄金の数々も見どころです。
14世紀半ばから400年もの長きにわたり国際貿易国家として栄えたアユタヤ王朝で創られた、黄金に宝石を象嵌した舎利塔や、王権の象徴となる冠、靴、象のミニチュアなど、優美な装飾にみとれてしまいます。

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7月28日(金)、29日(土)、8月25日(金)、26日(土)は、「トーハク BEER NIGHT!
午後4時から8時30分まで、タイ展会場:平成館の前庭にビールやタイ料理の屋台が並ぶビアガーデンがオープンします♪ 根津のモナドからもお散歩がてら行けますので、ぜひ遊びにいらしてください♪♪

タイ ~仏の国の輝き~ 展
http://www.nikkei-events.jp/art/thailand/
2017年8月27日(日)まで

[店長]

2017年6月30日 (金)

アルチンボルド 展 国立西洋美術館

楽しみにしていた展覧会の一つです。16世紀後半、ウィーンとプラハのハプスブルグ家で宮廷画家として活躍したジュゼッペ・アルチンボルド(Giuseppe Arcimboldo)の奇抜な油彩が東京・上野に揃います。

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本展のポスターになっている春・夏・秋・冬の四季と、大気・火・大地・水の四大元素を表現した8枚の連作はもとより、本や樽などのモノを組み込んで、その人物の職業を表した肖像画もユーモアたっぷりです。本人が怒ってしまうのでは?と心配になるほど誇張された作品もありますが、当時宮廷内では、とても似ていると評判だったそう。

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画業のほかに、祝祭の企画演出も手掛けていたアルチンボルド。皇帝主催の騎馬試合のために描いた美しい飾り馬具のデザインや、ズッキーニのようなズボンをはいたコックの衣装など、知的で遊び心にあふれたデッサン集も見どころです。

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展示会場に入る手前に、自分の顔でアルチンボルド風の絵をつくれるコーナーがあります。ぜひ鑑賞前に試してみてください♪額の前に立つと、似ているような?似ていないような??ポートレートが写し出されます♪♪

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アルチンボルド 展
http://arcimboldo2017.jp/
2017年9月24日(日)まで

[店長]

2017年6月24日 (土)

カフェ&バー ぎんか ボリューム満点のランチ

この春オープンしたばかりのカフェ&バー「ぎんか」へ出かけてきました。昨年冬にリニューアルした「谷中魚善」(改装前の記事はこちら)の2階にあり、昼はランチメニューやデザートがいただけるカフェとして、夜はお酒が愉しめるバーとして営業しています。

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陽光が差し込む明るい店内は落ち着いた家具で設えた和モダン。4人がけテーブル4卓の他にカウンター席があり、お一人でも数名のグループでもゆっくりできそうです。

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この日いただいたのは、日替わりランチセット(15時までコーヒー付き)さばの塩焼き。ふっくら焼かれたサバに野菜が添えられ、キュウリとみょうがの和え物、厚揚げと糸こんにゃくの煮物、お味噌汁がつきます。お昼はしっかり食べたいという方にオススメ♪

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こだわりの珈琲や黒豆アイスなどドリンク&デザートも充実していますので、散策中の休憩にも良さそうです。

cafe&bar ぎんか
http://www.cafe-ginka.jp/
台東区谷中1-2-10 2階
03-5809-0685
営業時間:11時~22時(日曜のみ20時まで)

[店長]

2017年6月 4日 (日)

バベルの塔 展 東京都美術館

東京都美術館で開催中の「バベルの塔」展に行ってきました。15世紀後半から16世紀にかけて栄えたネーデルラント美術の変遷を、絵画、版画、彫刻の約90点でたどる展覧会です。

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本展の目玉であるブリューゲルの油彩《バベルの塔》は24年ぶり、ブリューゲルが手本としていたヒエロニムス・ボスの油彩《放浪者》と《聖クリストフォロス》は日本初公開となります。空想の世界を写実的に描いた作品の数々は、とてもユニークです。

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壮大な構図と美しい色彩で描かれた《バベルの塔》。オリジナル絵画に近寄って細部まで観察するのは難しいかも知れませんが、関連企画の「Study of BABEL」では、東京藝術大学COI拠点が制作した拡大複製画と立体化した塔を間近から観ることができます。

原画を300%拡大させた複製画は、科学分析結果をもとに支持体の板の質感や筆のタッチ、使われている絵具まで精緻に再現したそうです。

下の写真が立体化された塔ですが、高さ3メートル30センチもあります。この制作には約20名が関わり3ヶ月を要したとか。

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塔の中には面白い仕掛けがあります。デジタル映像で働く人たちをユーモラスに表現しているのですが、会場にあるタブレットで顔を撮影すると、私たちも塔の中で働く1人になれます。ぜひチャレンジしてみてください。

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6月16日(金)と30日(金)は、夜間開館時に東京都美術館から拡大複製画と立体化された塔のあるギャラリーまで、バベルの塔を模した灯りが並び明るく道を照らします。

バベルの塔 展
http://babel2017.jp/
2017年7月2日(日)まで

関連企画:Study of BABEL
http://innovation.geidai.ac.jp/information/170418/
会場:東京藝術大学COI拠点 Arts & Science LAB. 1F エントランスギャラリー
2017年7月2日(日)まで

[店長]

2017年2月19日 (日)

ティツィアーノとヴェネツィア派展 東京都美術館

日伊国交樹立150周年を記念した展覧会です。イタリア・ルネッサンス美術において15世紀後半から16世紀にかけて活躍したヴェネツィア派の巨匠ティツィアーノ・ヴェチェッリオを中心に、ティツィアーノの師ジョヴァンニ・ベッリーニや後輩ヤコポ・ティントレットの作品など、70点あまりの絵画と版画を紹介しています。

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明るく大胆な色使いで、伸びやかなタッチが特徴のヴェネツィア派絵画。なぜサイズの大きなフレスコ画ではなく、小さなカンバスの油彩画が多いのか?ティツィアーノとライバル関係にあったミケランジェロ率いるフィレンツェ派との違いは?など、本展の分かりやすい解説で理解が深まります。

日本初公開となるティツィアーノの傑作「ダナエ」や、その威厳と風格に圧倒される肖像画「教皇パウル3世の肖像」、人気の構図でいくつも描かれたという晩年の作品「マグダラのマリア」は必見です。

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本展では2月26日と3月26日を、ローマ神話に出てくる花の女神を描いたティツィアーノ初期の代表作「フローラ」にちなんだ語呂合せで、フローラの日としています。この日は、通常520円の本展音声ガイドが半額の260円(フローラ)に♪

また会場入口横には、2月28日(火)まで、冬のヴェネツィアを彩るカーニバルをイメージしたフォトスポットがあり♪♪カーニバルの本場ヴェネツィアから届いたという仮面やマントが無料で貸し出されますので、ご家族やご友人同士で記念撮影するのも面白そうです。

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ティツィアーノとヴェネツィア派展
http://titian2017.jp/
2017年4月2日(日)まで

[店長]

2017年2月 5日 (日)

テーブルウェア・フェスティバル2017

たまには違った分野に触れてみようと、東京ドームで開催中のテーブルウェア・フェスティバルに行ってきました。

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球場のグラウンドいっぱいに窯元や陶磁器ブランドが出展していて、終了時間までかなり賑わっていました。食器の人気にビックリしつつウロウロしていると、やっぱりいろいろと欲しくなってしまいます。

テーブルウェアとカタカナになっていますが、見応えがあるのは洋食器より和食器でしょう。小さな窯元がたくさん出展している他、名産地の組合が大きなブースを構えています。

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長崎・波佐見焼の即売コーナーで日常遣いのうどん鉢を手に入れて満足していたら、その隣に多治見(美濃焼)のブースを発見。きれいなディスプレーと熱心な説明に誘われて、思わず小鉢や豆皿などを買い込んでしまいました。

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そして小規模なブースが並ぶ一角へ。窯元それぞれに個性があって、時間が経つのも忘れて見入ってしまいました。

そこで惹かれたのが、瀬戸焼・翠窯(すいよう)のカレー皿。シンプルなようで味わい深さを感じる陶器です。既にいろいろ買っていたのでちょっと迷いながら、やはりこういうものは一期一会だと即決。

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と思っていたら、この窯元、4月から御徒町の2k540にお店を出すそうです。とりあえず2点いただいたのですが、つかい勝手が良かったら追加しようと思います。

このフェスティバルでは、テーブルコーディネート・コンテストの優秀作が展示されている他、陶磁器ブランドなどのセッティングも見られます。いちばん上の写真は伊勢志摩サミットで使われた大倉陶園の食器だそう。

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また、さまざまなイベントがあり、私が行ったときは黒柳徹子さんのトークショーが行われていました。

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テーブルウェア・フェスティバル2017〜暮らしを彩る器展〜
https://www.tokyo-dome.co.jp/tableware/

[仕入れ担当]

2017年1月 5日 (木)

世界遺産 ラスコー展 国立科学博物館

旧石器時代美術の最高傑作といわれるラスコー洞窟の壁画が、上野・国立科学博物館で観られると話題になっています。

クロマニョン人の壁画が残っている洞窟は、フランスやスペインを中心に300以上あるそうですが、ラスコーはその中でも飛び抜けて優れているもの。2万年前の氷期、マンモスやオオツノジカなど今では絶滅した大型動物が歩き回っていた時代に、その動物たちをモチーフにして描いた彩色の壁画です。

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会場には、前後左右に伸びる洞窟の全体像が分かるよう縮小サイズの模型が展示されています。

洞窟の中は、高さ7メートル・長さ20メートルほどもある広い空間もあれば、這わなければ行けないほど狭い部分もあり。ライオンやヤマネコなどネコ科の動物のみが描かれた空間や、長い角をもつ不思議な生き物が描かれている空間など、無数の動物や記号のようなものが描かれています。

下の写真は、会場に再現された牝ウシとウマの壁画です。クロマニョン人はまず壁に彫器で線刻し、指を使うほかに、動物の毛でつくられた筆、スタンプ、吹きつけなどの技法を駆使して、赤、黒、茶、黄色、紫など、さまざまな色で描いたそう。

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暗闇の中に浮かび上がる演出は、まるでオリジナルの洞窟の中で見ているようです。

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世界初公開となるラスコー洞窟で発見された顔料や石器のほか、日本初公開となる美しい毛並みをなめるバイソンの彫刻作品や、槍投げの補助具に装飾された動物彫刻など旧石器時代の芸術を紹介し、謎に包まれたクロマニョン人の正体に迫ります。

フランスで制作された映像やゲームをつかった解説もあり、ご家族で楽しめる展覧会です。

世界遺産 ラスコー展 クロマニョン人が残した洞窟壁画
http://lascaux2016.jp/
2017年2月19日(日)まで

[店長]

2016年12月11日 (日)

クラーナハ展 国立西洋美術館

16世紀前半に活躍したドイツ人画家、ルカス・クラーナハ(Lucas Cranach)の日本初となる大回顧展です。宗教改革の舞台となったドイツ北東部のヴィッテンベルクで、ザクセン選帝候につかえ宮廷画家として活躍する一方で、自営の工房を持ち大勢の弟子をかかえ膨大な数の絵画を受注生産していた実業家でもあります。

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肖像画を得意とし、神話に出てくるヒロインたちを官能的に表現したクラーナハ。描かれている洗練されたファッションにも注目です。

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クラーナハに影響を受けた近現代のアーティストたちの作品も見どころとなっています。「ザクセン公女マリア」のポストカードをアトリエに貼っていたというピカソのリトグラフや、「アダムとイブ(堕罪)」にならってデュシャンがアダム役をつとめたマン・レイの写真、森村泰昌氏が「ホロフェルネスの首を持つユディト」に扮するセルフポートレートなど、モチーフとなっているクラーナハの作品と交互に鑑賞できます。

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なかでもイラン人アーティストのレイラ・パズーキが行った絵画コンペティションで、中国人画家たちが一斉に模写したという95枚の「正義の寓意」は圧巻です。作品を大量生産していたクラーナハへのオマージュとも皮肉とも受け止められます。

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油彩や版画約100点が世界10カ国以上から集められたこの展覧会。クラーナハが描く魅惑的な女性たちの虜になるのは間違いありません。

クラーナハ展 500年後の誘惑
http://www.tbs.co.jp/vienna2016/
2017年1月15日(日)まで

[店長]

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