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2008年12月27日 (土)

映画「チェ 28歳の革命」

チェ・ゲバラの半生を描いた映画「チェ 28歳の革命」の試写会に行ってきました。この映画はもともと、4時間半にわたる長編 CHE を、「チェ 28歳の革命」と「チェ 39歳別れの手紙」の2部構成にしたものです。

前編の「チェ28歳の革命」は、フィデル・カストロとキューバ革命を成功に導くまでの話。原題 The Argentine が物語っているように、アルゼンチン人であるエルネスト・ゲバラ(本名:Ernesto Rafael Guevara de la Serna)が、革命家チェ・ゲバラになるまでの物語です。
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この時期にチェ・ゲバラの映画というと、まるで昨今の金融危機に合わせたかのようなタイミングですが、実のところ米国型資本主義とはまったく関係なく、今年2008年はチェ・ゲバラ生誕80周年、来年2009年はキューバ革命50周年にあたる関係で製作されたそうです。

監督は「トラフィック」や「オーシャンズ11シリーズ」で知られるスティーブン・ソダーバーグ(Steven Soderbergh)監督。チェ・ゲバラを演じるのは個性派俳優のベニチオ・デル・トロ (Benicio Del Toro)。

この映画で2008年カンヌ映画祭主演男優賞に輝いたベニチオ・デル・トロは、チェ・ゲバラの生き写しのようで、特に、国連総会で演説する様は鳥肌ものです。あれだけ賛否両論ありながら、チェ・ゲバラが現代アートから土産物屋のTシャツまで世界中で描かれているのは、あのルックスあってのことでしょう。カリスマ性をもつリーダーには、ある種の外見の良さが必須だと思いますが、ベニチオ・デル・トロは、そのカッコ良さの部分もうまく表現していたと思います。

ただ、キャスティングで疑問だったのが、フィデル・カストロの弟・ラウル役。ロドリゴ・サントロ(Rodrigo Santoro)という、ブラジル出身の俳優さんが演じているのですが、この俳優さん、ニコール・キッドマン(Nicole Kidman)とシャネルのコマーシャルに出ていたり、ラブ・アクチュアリー(クリスマス映画の最高峰ですね!)にイケメン役で出ていたり、ちょー美形。なにか政治的配慮でもあったのでしょうか。フィデル・カストロ役の俳優さんは、結構、似ているんですけど・・・。

また、スティーブン・ソダーバーグ監督のカメラワークが素晴らしい。彼の映画で「イギリスから来た男(テレンス・スタンプ主演)」というのがあり、そのスタイリッシュなカメラワークが好きなのですが、今回も実験的な撮影手法を取り入れて、素晴らしい映像に仕上がっています。

そしてこの映画のもうひとつの良さは、全編スペイン語だったこと。米国で制作されると、えてして英語に変えられてしまうのですが、それで雰囲気が失われてしまう映画もたくさんあります。たとえば今夏に公開されたハビエル・バルデム(Javier Bardem)主演の「コレラの時代の愛」など、ガルシア・マルケスの原作を英訳して映画化したせいで、ちょっと薄味な印象でした。この「チェ 28歳の革命」でも、革命メッセージの Patria o Muerte(祖国か死か)が Homeland or Death などと英訳されていたら、人々の熱気や土地の匂いのようなものが伝わってこなくて、締まらないものになっていたでしょう。

この映画はメキシコから始まります。それ以前のチェ・ゲバラを描いた、ガエル・ガルシア・ベルナル(Gael Garcia Bernal)主演の「モーターサイクル・ダイアリーズ(2004年日本公開)」をご覧になってからこの映画を観ると、チェ・ゲバラの青年時代から39歳で没するまでの生涯を通して知ることができます。

[仕入れ担当]

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