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2010年9月18日 (土)

映画「ペーパーバード(Pájaros de papel)」

Papel1 現在、新宿でラテンビート映画祭が開催中ですが、そのオープニング上映作品「ペーパーバード(Paper Birds)」を観てきました。

スペイン内戦下、空爆で妻子を失った喜劇役者のホルヘ。1年ほど行方をくらましていましたが、劇団に戻って相方のエンリケと再会し、自らの拙い芸を売り込みに来た孤児、10歳のミゲルと3人で暮らし始めます。

最初はミゲルと暮らすのを嫌がっていたホルヘですが、次第に心を開き、ミゲルに芸を教えるようになります。

内戦下ですから軍は公演内容などを細かく監視しています。劇団には反体制派もいて、エンリケの心配をよそに、内戦を憎むホルヘは軍に対する反感を隠しません。

ステージで歌われるコメディタッチの歌、No se puede vivir con un franco(おそらく「フランコ政権じゃ暮らせない」と「1フランじゃ暮らせない」の意味をかけているのだと思います)はその象徴ですが、この明るい曲調の歌はラストシーンでも印象的に使われます。

常にエンリケとミゲルと共にステージに立ち、ニュース映画に母親が映っていたというミゲルの思いを汲んでその母親に会いに行ったりするうちに、ミゲルとホルヘの間に父子のような関係が生まれてきます。

そんなとき、劇団はフランコ総統が臨席する公演を行うことになり、劇団内の反体制派は総統暗殺を主張し、といった具合に物語が展開していきます。

内戦下の暗い時代を描いた人間ドラマですが、喜劇役者を主人公に据えているおかげで、息苦しい映画ではありません。随所に細かい演出があり、意外な展開もあり、劇団員それぞれの悲喜こもごもが丁寧に描かれている上質な映画だと思います。

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ホルヘを演じたイマノル・アリアス(Imanol Arias)もぴったりの役柄でしたが、ミゲル役の子役、ロジェール・プリンセプ(Roger Príncep:上の写真/下の写真)の好演と、エンリケ役のリュイ・オマル(Lluís Homar:下の写真)の深みのある演技が印象に残りました。リュイ・オマルは「抱擁のかけら(Los abrazos rotos)」主演の他、「バッド・エデュケーション(La Mala Educación)」にも出ているベテラン俳優です。
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ちなみに「抱擁のかけら」には、ロシオ役のカルメン・マチ(Carmen Machi:下の写真)もその劇中劇に登場しますし、ペドロ役のハビエル・コル(Javier Coll)も出ています。
Papel4

上映の前後に、エミリオ・アラゴン(Emilio Aragón)監督と、カルメン・マチの舞台挨拶と質疑応答がありました。監督のお話の中で知ったのですが、監督のお父さんは喜劇俳優だそうで、そこから着想を得ただけでなく、映画の最後の感動的なシーン(たぶんこの劇場)でステージに立つのもそのお父さんだそうです。調べてみたら、Emilio Aragón Bermúdez(通称:Miliki)という有名な方でした。
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映画の内容とは関係ありませんが、この日は、すぐ前の座席で美輪明宏さんがご覧になっていました。お召しになった真っ白なプリーツプリーズのドレスも素敵でしたが、間近に見てもお肌がすごくきれいでびっくりしました。

公式サイト
ペーパーバード(Pájaros de papel)*Facebook
このブログによると2011年に公開が予定されているそうです。

[仕入れ担当]

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