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2010年12月30日 (木)

映画「エリックを探して(Looking for Eric)」

Eric1 予告編の「人生なんて意外と小さな勇気で変わるもの」というキャッチコピーと、ゴールシーンの映像に惹かれました。まさに予告編のイメージ通り、観た人を元気にさせる映画です。

ケン・ローチ(Ken Loach)監督というと、アイルランド独立戦争を描いた「麦の穂をゆらす風(The Wind That Shakes the Barley)」や、移民問題を扱った「この自由な世界で(It's a Free World...)」といった、いたたまれない気持ちになるような映画をイメージします。それらとは全然違って、この「エリックを探して」は軽い気持ちで観に行って、楽しく笑える映画です。

同監督の「明日へのチケット(Tickets)」は、セルティック・サポーターの能天気な少年たちが不法移民の厳しい現実に触れる短編でしたが、今回はマンチェスター・ユナイテッド・サポーターの冴えない郵便局員、名選手だったエリック・カントナ(Eric Cantona)をリスペクトしてやまないエリック・ビショップの物語。
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最初の妻であるリリーとは、娘をもうけたものの、すぐに別れてしまい、しばらく会っていません。再婚相手とも別れてしまい、今はその連れ子だった息子二人と暮らしています。

娘から赤ちゃんを預かって欲しいと頼まれ、久しぶりにリリーと会うことになるのですが、立派に生きている彼女をみたエリックは落ち込んでパニックになってしまい、待ち合わせ場所から逃げ帰ってきてしまいます。そこで事故を起こしてしまうシーンで映画はスタート。

いろいろうまくいかなくて、死にたい気分になっているところに憧れのエリック・カントナが現れます。彼のフランス語の格言を交えながらのコーチングで、次第にエリックは積極的に生きるように変わっていきます。その後、息子がギャングと関わりを持ったことで事件が発生し、それを仲間と協力して解決していく物語。
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とっても単純なストーリーです。でも、いい映画だと思います。エリック・ビショップ役のスティーブ・エヴェッツ(Steve Evets)や仲間の郵便局員など、田舎のパブに行けばいくらでもいそうな人ばかりが登場し、リアリティのある会話で笑わせます。そしてハッピーエンディング。誰もが温かい気持ちになれる映画だと思います。
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また、カントナの存在感も魅力です。勇気を持って一歩踏み出すこと。仲間を信頼して強く団結すること。そういう教訓的な素材を用いながら説教くさくならないのは、やはりサッカーをレトリックに使っているからでしょう。

It all began with a beautiful pass. エリック・カントナは自らの数々の名ゴールより、自分の出したパスが記憶に残っていると言います。パスが繋がってゴールが決まるというサッカーの醍醐味が活きている映画です。

ちなみに映画の途中、ビルの外通路で交わす「9ヶ月の出場停止は長かったろう」という会話は、ファウルで退場するカントナに暴言を吐いた観客に跳び蹴り(kung-fu kick)を喰らわせたときの処分のことで、このときの写真はAshというロックバンドのレコードジャケットにも使われています。(この写真

また、映画の終わりに挿入されているインタビューシーンは、この出場停止に際して行われたもので、何の質疑応答もせず、ただ "When the seagulls follow the trawler, it's because they think sardines will be thrown into the sea. Thank you very much."とだけ話して会見を終えてしまった有名なインタビュー(名言?)の映像です。

公式サイト
エリックを探してLooking for Eric

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[仕入れ担当]

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