María Pagés - World premiere of "MIRADA" in Japan
スペインでの買い付け時、今回も前回もMiguel Povedaのカンテを聴くチャンスがあったのにどちらも行けず、そのリベンジというわけではないのですが、Bunkamuraのマリア・パヘス(María Pagés)来日公演「ミラーダ(Estreno internacional de MIRADA en Japón)」に行ってきました。
マリア・パヘスは、1963年セビージャ(Sevilla)出身のバイラオーラ。彼女の出身地に本拠を置くマリア・パヘス舞踏団の設立20周年を記念して、今回の来日公演が行われました。
まさにポスターにある通り、しなやかな肢体と圧倒的な存在感。そして美しく無駄のない動き。マリア・パヘスは、指先の繊細な動きから、手足の長さを活かした大胆な動きまで、どこまでも自在に身体を操って踊ります。他に男女4人ずつの踊り手がいるのですが、マリア・パヘスと同じ舞台で踊ると、すっかりかすんでしまいます。
また衣装と絡めた演出も素晴らしかったです。たとえば背景に投影された布地が、するするっと中央に集まったかと思うと、同じ布のショールをまとったマリア・パヘスがステージ中央で踊り出すといった趣向。バタ・デ・コーラを着て踊る「オリーブの木のシギリージャ」も、ポスター写真に使われているサンサンース「白鳥」を踊る衣装も素敵でした。
音楽もさまざまで、過去20年間の公演旅行の思い出がテーマだという「ラジオ」では、ベルリーニの「ノルマ(清らかな女神)」からピアソラやトム・ウェイツに繋がっていったり、衣装や照明と同様にとても多彩です。とても贅沢な1時間半でした。
いつまでも拍手が鳴り止まない感動のステージ。渋谷の雑踏に出ても、頭の中ではAy que calóがリフレインしていました。また機会があればぜひ観に行きたいと思います。
[仕入れ担当]