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2011年12月 5日 (月)

映画「サルトルとボーヴォワール 哲学と愛(Les Amants du Flore)」

Beauvoir0 シモーヌ・ド・ボーヴォワール(Simone de Beauvoir)とジャン=ポール・サルトル(Jean-Paul Sartre)の半生を描いた映画です。元々はTV用に制作されたものということで、映画というより、大河ドラマの劇場版といった感じでしょうか。

「サルトルとボーヴォワール」という邦題ですが、主にサルトルの放逸なライフスタイルに振り回されるボーヴォワールの苦悩を描いていくお話です。

そういう意味で、いろいろ含みをもたせた原題「Les Amants du Flore(≒カフェ・ド・フロールの恋人たち)」の方がしっくりくるのですが、予備知識なしではわかりにくいですよね。蛇足ながらカフェ・ド・フロール(Cafe de Flore)はサンジェルマンの老舗カフェの店名。映画「イヴ・サンローラン」でピエール・ベルジェ(Pierre Bergé)がスプーンの背でゆで卵の殻を割っていたお店です。

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ということで物語はセーヌ左岸(Rive Gauche)中心に展開し、全体を通して知的で洒落た雰囲気です。

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冒頭のシーンは、サルトルとボーヴォワールが、ソルボンヌの大学図書館(Bibliothèque Interuniversitaire de la Sorbonne)で出会う場面。まず、この図書館の内装と照明にうっとりしてしまいます。上記サイトの写真を見る限り、現在もあまり変わっていないようです。改修計画があるようですが、こういう設えは残して欲しいものですね。

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時間軸に沿ってライフストーリーを追うだけの作品ですので、映画としては平凡ですが、ボーヴォワールを演じたアンナ・ムグラリス(Anna Mouglalis)の演技は、さすがに見応えがありました。映画「シャネル&ストラヴィンスキー」「ゲンスブールと女たち」のときもそう感じましたが、凛とした存在感だけでなく、強さに隠された繊細な感情を表現することがうまい女優さんだと思います。

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ボーヴォワールはサルトルと、いわゆる「契約結婚(=2年更新のリース契約)」をして、互いを束縛しない関係(non-monogamous)を続けるわけですが、強い意志をもったボーヴォワールにも葛藤があるわけで、この映画では、米国の作家ネルソン・アレグレン(Nelson Algren)との関係に光を当てて、そのあたりを描いていきます。そんな揺れ動くボーヴォワールをアンナ・ムグラリスが上手に表現しています。

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ボーヴォワールの生涯と、ポール・ニザン(Paul Nizan)を始めとする同時代の知識人を手軽に知るにはとても便利な映画だと思います。教育向きか、といわれると、ちょっと刺激的なシーンが多過ぎるような気もしますが、「第二の性」を読むような学生さんならちょうど良いかも知れません。

公式サイト
サルトルとボーヴォワール 哲学と愛

[仕入れ担当]

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