映画「クロワッサンで朝食を(Une Estonienne à Paris)」
御年85歳、ジャンヌ・モロー(Jeanne Moreau)主演のフランス映画です。
エストニア出身の監督も注目されているようですが、そんなことより「ジャンヌ・モローが観られるのもこれが最後かも?」という思いで観に行ったら、いろいろな驚きがありましたので、以下、三大ビックリを挙げます。
1)もの凄い混雑
たまたまシネスイッチのレディースデーだったので、3時間ほど後のチケットを買って、用事を済ませてから観ようと思ったら、行列整理の男性に「次回上映と、その次の回の上映は立ち見になります」と言われ、結局、出直して観ることに……。フランス映画の人気には仰天です。
2)むちゃくちゃ元気なジャンヌ・モロー
これが最後かも、と思って観た私が愚かでした。年齢だけでは判断できませんね。ジャンヌ・モローは、ただ元気なだけでなく、まだまだ「女」を発揮しまくっています。映画で着た衣装は、すべて私物のシャネルだそうですが、これがまた似合うこと。さすがジャンヌ・モロー、フランス女の鑑です。
3)あまりにも単純なストーリー展開
老母を看取ったばかりのエストニア女性アンヌが、パリに出てきて、エストニア出身の裕福な女性のお手伝いさんとして働くという設定のこの映画。その裕福な女性というのが、ジャンヌ・モロー演じる老女フリーダなのですが、奔放な性格が災いして同郷人からも避けられている狷介な老女が、最初は嫌っていたアンヌに次第に心を開いていき、という、驚くほど他愛のないお話です。まぁフランス映画にありがち、といえばそうなのですが・・・。
ということで、実生活でもシャネルと親しかったジャンヌ・モローのスタイルに学びながら、パリの風景を楽しむというのが、この映画の正しい楽しみ方だと思います。
フリーダのアパルトマンに置かれた屏風もシャネルの持ち物だったものだそうで、おそらく、ダグラス カークランドの写真展で見た屏風ではないかと思います(そのブログはこちら)。
ちなみに、撮影は「セラフィーヌの庭」でセザール賞を獲っているローラン・ブリュネ(Laurent Brunet)。エストニア(Tallinn)の夜更けの青や、アンヌが佇むエッフェル塔の夜明けなど、美しい映像も見どころです。
公式サイト
クロワッサンで朝食を(Une Estonienne à Paris)
[仕入れ担当]