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2013年10月21日 (月)

ラテンビート映画祭「エリ(Heli)」

Heli0 今年のカンヌ映画祭で公式上映され、監督のアマ・エスカランテ(Amat Escalante)が最優秀監督賞を受賞したメキシコ映画です。

このとき、映画で描かれる残虐シーンに賛否両論があったと報道されていましたが、実際、それほどひどいものでなく、中南米のニュースで目にするような映像が一部で使われている程度です。スプラッター映画は絶対に観ない私でも、目を覆うことなく観賞できるレベルでした。

テーマはメキシコの田舎町、グアナフアト州の厳しい現状。腐敗と貧困がはびこる土壌で、暴力に支配されながら不安な日常を生きる人々をリアルに描いていきます。

映画のオープニングは、ピックアップトラックの荷台に横たわる傷だらけの2人が、足蹴にされながら運ばれていくシーン。そしてその1人が歩道橋から吊り下げられます。メキシコのドラッグ抗争のニュースを見たことがある方ならご存じの通り、裏切者や敵対勢力に対する彼らの見せしめの一つです。

その後、この状況に至るまでのストーリーが描かれ、この状況を締めくくる結末に向かって話が展開していきます。

Heli4

ポスターでは少女が1人、砂漠を歩いていますので、彼女が主人公のエリだと勘違いしそうですが、彼女はエリの妹のエステラ。彼女と、彼女の兄のエリ、その妻のサブリナと生まれたばかりの赤ちゃん、兄妹の父親の5人家族と、エステラのボーイフレンドのベト(アルベルト)が主な登場人物です。

Heli1

エステラは12歳の学生、エリもベトも17歳。高校を出たエリは、父が働く自動車工場で夜勤の仕事をしており、アルベルトは見習い兵として軍の訓練を受けています。これ以外の仕事がほとんどあり得ないような寂れた町ですので、2人とも立派な部類なのかも知れません。

Heli2

政府は麻薬撲滅を進めており、押収した薬物や海賊品などを焼却するイベントを行ないますが、腐敗がはびこる地域ですから、それを横流しして儲ける人たちもいます。軍の厳しい訓練に嫌気が差し、エステラと他の町に行って結婚したいと願うベトは、彼らが隠したコカインの横取りをたくらみます。

Heli3

その結果が、オープニングのシーン。エステラも連れ去られますが、警察も政府も何もかも信用できませんので、容易に解決に至るわけありません。そんな八方ふさがりの世界で暮らすということが、一体どういうことなのか、乾いた映像が静かに捉えていきます。

Heli6

一昨年のラテンビート映画祭で上映された「MISS BALA/銃弾」もそうでしたが、こういった映画はあまり日の目をみない日本。「エリ」も、いまだ劇場公開の予定がないようですが、サンダンス映画祭でNHK賞を受賞した脚本だそうですので、そのうちBSあたりでご覧になれるかも知れません。

Heli5

公式サイトなし
エリ(ラテンビート映画祭2013の紹介ページ)

[仕入れ担当]

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