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2015年5月25日 (月)

映画「真夜中のゆりかご(En chance til)」

00未来を生きる君たちへ」でアカデミー賞の外国語映画賞を獲った監督スサンネ・ビア(Susanne Bier)と脚本家アナス・トマス・イェンセン(Anders Thomas Jensen)のコンビが手がけたサスペンスドラマです。

主演は「おやすみなさいを言いたくて」で、ジュリエット・ビノシュの夫を演じていたニコライ・コスター=ワルドー(Nikolaj Coster-Waldau)。本作でも難しい状況におかれた夫を、切なさたっぷりに演じています。

物語は、ニコライ演じる刑事アンドレアスとその同僚シモンが家宅捜査に踏み込み、薬物依存の男女の部屋で汚物にまみれた幼子を見つけるところからスタート。ネグレクト状態の赤ちゃんをかいがいしく抱き上げるアンドレアスは、自分自身も最愛の妻アナとの間にアレクサンダーが生まれたばかりで、海辺の瀟洒な家で幸せそうに暮らしています。

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それとは反対にシモンは、妻や子どもと別居して酒浸りの毎日です。いろいろと思い通りにいかなくて、若干、自暴自棄になっていて、部屋の中も酒瓶で散らかり放題です。そんなシモンの相談相手になろうと努める善良なアンドレアス。

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アンドレアスにも悩みがないわけではありません。アレクサンダーの夜泣きがひどくて、アナが育児ノウローゼ気味なのです。そんな不安定な感覚を、スサンネ・ビア監督は、室内の動きのないシーンにもかかわらず手持ちカメラを使い、微かに揺れる映像で表現します。

赤ちゃんが泣き始めると、アナがベビーカーに乗せて散歩に出掛けたり、アンドレアスが車にのせて出掛けます。寝室の揺りかごで泣き叫んでいたアレクサンダーも助手席に乗った途端、おとなしくなってしまうのが不思議なところ。

この夫婦の家、刑事と専業主婦の世帯にしてはとても豪華ですが、アナの実家の裕福さ、家族との関係が次第に見えてきます。また、出演者のほとんどがデンマーク人なのに対し、アナを演じたマリア・ボネヴィー(Maria Bonnevie)とその父ギュスタフを演じたペーテル・ハーベル(Peter Haber)のみスウェーデン人で、話す言葉もわずかに違うようです。これらがアナの生い立ちと現状を説明していて、ちょっとわかりにくい伏線になっています。

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ある晩、アレクサンダーが突然死します。アナはさらに不安定になり、自殺しかねない様子です。思いあまったアンドレアスはアレクサンダーの遺体を車にのせて、件の薬物依存の男女が暮らす部屋へ。案の定、薬物中毒のトリスタンも娼婦のサネも、幼子ソートスを放置したまま寝入っていて、アンドレアスはこっそり赤ちゃんを入れ替えてしまいます。

当然、目覚めた2人は仰天します。サネは、赤ちゃんの遺体はソートスではないと言い張りますが、死ねば顔も変わるとトリスタンは取り合いません。児童虐待で取り調べを受けたばかりのトリスタンは、再び収監されないように、自分の責任を回避することしか頭にないのです。

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ソートスが誘拐されたという狂言で赤ちゃんの死を隠そうとするトリスタンと、一見、ダメな母親ながら、ソートスが生きていることを信じて疑わないサネ。赤ちゃんを与えることでアナの精神状態を安定させようとするアンドレアスと、それを受け入れようとするアナ。そんな4人のさまざまな思いを、シモンが解き明かしていくというお話です。

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そのシモンを演じたウルリッヒ・トムセン(Ulrich Tomsen)は、「未来を生きる君たちへ」にも出ていましたが、最近では「悪童日記」でドイツ人将校を演じていました。

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アナ役のマリア・ボネヴィーは「ヴェラの祈り」でヴェラを演じていた人で、こういう役が板についている感じです。トリスタン役のニコライ・リー・コス(Nikolaj Lie Kaas)はスサンネ・ビア作品の常連ですね。

そして、ぐちゃぐちゃの泣き顔でサネを熱演していたリッケ・メイ・アンデルセン(Lykke May Andersen)は映画初出演。以前はヴィクトリアズ・シークレットなどで活躍していたファッションモデルだそう。ちなみに彼女自身も2013年に出産したばかりで、赤ちゃんのお父さんは「バスキア」や「潜水服は蝶の夢を見る」の監督として知られるジュリアン・シュナーベル、30歳以上離れた年の差カップルです。

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公式サイト
真夜中のゆりかごEn chance tilfacebook

[仕入れ担当]

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