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2015年5月 5日 (火)

映画「Mommy/マミー」

00 やはり天才なのでしょう。これまで「わたしはロランス」「トム・アット・ザ・ファーム」と観てきたグザヴィエ・ドラン監督(Xavier Dolan)ですが、本作もまた20代半ばという年齢が信じられない完成度の高さです。

そういえば今年のカンヌ映画祭で、83歳のゴダール監督と共に審査員賞を受賞して話題になっていましたね。ゴダールの年齢まで創り続けるかどうかわかりませんが、この監督の作品はずっと観続けることになるだろうと思いながら観ていました。

物語は母と息子の深い愛情を描いていくもので、ある意味、シンプルですが、そのぶん夾雑物を除いて純度を高めた感じです。

それに貢献しているのが、下の写真のように映し出されるアスペクト比1:1の映像。インスタグラム・アスペクトと呼ばれるそうですが、左右に余裕がないため、観客の視点と意識は、狭い画面の限られた情報に集中することになります。その上、あの独特の色彩感覚で撮られた映像ですから、否が応にも引き込まれていってしまいます。

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ダイアン・デュプレ、通称ダイはケベック州で暮らすシングルマザーです。夫はHeater-Waverという電子レンジのようなものを発明して成功を収めたものの、米国から流入した類似製品に追いやられて事業がうまくいかなくなり、3年ほど前に亡くなっています。その後、1人息子のスティーヴは、ADHD(多動性障害)と診断されて施設に入れられたようです。

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映画の幕開けは、ダイがスティーヴを施設から引き取りに行く場面。ここで、スティーヴが施設で放火事件を起こしてけが人を出したこと、心の病を抱えた児童の親が養育を放棄できるようにするS14という法律が制定されたことが観客に伝えられます。二つとも、物語の核心となる重要な情報です。

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自宅での母と息子2人の生活が始まるのですが、勤め先で問題が起こってダイは職を失います。昔のよしみで翻訳の仕事を貰おうと懸命に努力するダイ。そんな折、スティーヴと衝突し、その一連の出来事の中で向かいの家の主婦、カイラと知り合います。

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以前は教師として働いていたものの、急に言葉が出なくなり、今は自宅療養中だというカイラ。コンピューター関連の仕事をしている夫と幼い娘の3人暮らしです。といっても、映画の中では直接言及されませんが、画面に映り込む家族写真を見ると、もともと3人家族ではなかったようで、どうやら吃音症の原因もそれに関係ありそうです。

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スティーヴとカイラが打ち解けたことで、ADHDの思春期の男の子の勉強を、吃音症の主婦がみてあげる、という生活が始まります。お互いの存在が、それぞれの心の病を癒していくような関係。ダイも掃除の仕事を得て、危ういバランスながら、このまま安定に向かいそうにも見えますが、放火事件の被害者から訴えられたことで物語は違った方向に動き始めます。

10

結末の受け止め方はさまざまだと思います。また受け止め方によって、さまざまな視点から賛否ありそうです。私は、母子2人の生き残りをかけた選択だと思いましたが、いずれにしても母の愛が印象的な作品です。そこに欠落感を抱えた別の母親が加わることで物語を重層化していくあたりも、ドラン作品らしいところです。

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ダイを演じたのは、「マイ・マザー(J'ai tué ma mère)」でも母親役を演じたというアンヌ・ドルヴァル(Anne Dorval)。去年観た「私の、息子」のような母親の一方的な愛情とは異なり、本作は母親と息子の双方が強い愛情で結びつくお話ですが、やはり母の強さを感じさせる配役が必要で、そういう意味でぴったりの女優さんです。

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カイラ役はスザンヌ・クレマン(Suzanne Clément)が演じています。「わたしはロランス」のフレッド役でカンヌのある視点部門の主演女優賞を獲得していますが、本作でもリアルな演技を見せています。

そして、スティーヴを演じたのはアントワン=オリヴィエ・ピロン(Antoine-Olivier Pilon)。強い視線が印象的で、よくこんな人を見つけてきたという感じです。ちなみに、空想シーンで彼のかわり登場するイケメン男性は、一瞬、ドラン監督のようにも見えますが、実はスティーブン・シュヴラン(Steven Chevrin)というモデルさんだそう。ドラン監督が直々にtweetしていました。

08

また、相変わらず選曲のセンスも抜群です。特にオアシスのWonderwallやラナ・デル・レイのBorn to Dieは、映像との調和が素晴らし過ぎて、しばらく記憶に残りそうです。

公式サイト
マミーMommy

[仕入れ担当]

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