映画「ハンガー・ゲーム FINAL:レジスタンス(The Hunger Games: Mockingjay - Part 1)」
最近このブログを読み始めた方は、普段とは毛色の違う映画を紹介していると思われることでしょう。実は「ウィンターズ・ボーン」でジェニファー・ローレンス(Jennifer Lawrence)の演技に驚いて、それに続く「ハンガー・ゲーム」「ハンガー・ゲーム2」を観てしまい、このまま完結編まで見届けるためにこれを外すわけにいかなかったのです。
という次第で観てきたのですが、本作は「ハンガーゲーム」全4作を観るつもりという方の他にはお勧めしにくい作品です。物語性が乏しい上に、このシリーズの面白さの源泉であり、ジェニファー・ローレンスの持ち味でもある「家族のため犠牲になって闘う」という感動もありません。前2作に比べると見せ場もなくて、ジェニファー・ローレンスが弓を射るのも、練習で1回、実戦で1回のみです。
スタイリストのシナは粛正されてしまったので、演じていたレニー・クラヴィッツ(Lenny Kravitz)も登場しません。そのかわり、第13地区のコイン首相の役でジュリアン・ムーア(Julianne Moore)が出てきますが、「アリスのままで」に比べればほとんど演技していないに等しく、彼女を起用した意味さえよくわかりません。
敢えて観るべき理由を挙げれば、今は亡きフィリップ・シーモア・ホフマン(Philip Seymour Hoffman)の姿が観られる数少ない新作(詳しくは「誰よりも狙われた男」をご覧ください)の一つだということぐらいでしょうか。
あとは、相変わらずキャラ立ちしているエフィー役のエリザベス・バンクス(Elizabeth Banks)がお好きな方とか・・・。
前作は、第75回ハンガーゲームを歴代の勝者を集めた記念大会にして、各地区の英雄たちにつぶし合いをさせようとしたパネム指導者たちの目論見が外れ、ジェニファー・ローレンス演じるカットニスが射った矢でゲームを破綻させたところで終わりました。本作は闘技場から救出されたカットニスが、滅亡したはずの第13地区に収容されているところからスタートします。
第13地区というのはコイン首相率いる反乱軍の砦。フィリップ・シーモア・ホフマン演じるプルータークも実は13地区の参謀で、パネムのゲームオーガナイザーという地位にありながら、スノー大統領を倒して新国家を樹立するため、コイン首相に協力しているのでした。
コイン首相とプルータークは、カットニスを革命のシンボルとして大々的に打ち出そうと考えます。当初は、スノー大統領にとらわれたピーターが気掛かりで消極的だったカットニスも、政府軍に破壊し尽くされた故郷・第12地区を目の当たりにして、反乱軍の象徴になることを決心します。
実際に反乱が始まるのは次作ですので、本作では、カットニスが"The Hanging Tree"という歌を口ずさんだり(米国で大ヒットしたそう)、支配されている地区の病院を慰問したり、彼女が反乱に身を投じる正当性を補強しつつ、傍らのゲイルと囚われのピーターとの間で揺れる乙女心を描くことに重点がおかれます。ですから、イジワルな言い方をすれば、前2作を承けて完結編への期待を盛り上げる、大がかりな予告編といった感じです。
次作の日本公開は意外に早くて、米国公開と同じ今年の11月20日。既に米国では公開に先駆け、NY(Discovery Times Square)で"The Hunger Games: The Exhibition"という特別展が始まっています。来年2月にはサンフランシスコ(Palace of Fine Arts Theatre)での巡回展示が決まったそうで、引き続き米国では注目を集めそうです。
公式サイト
ハンガー・ゲーム FINAL:レジスタンス(The Hunger Games: Mockingjay - Part 1)
[仕入れ担当]
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