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2017年12月18日 (月)

映画「オリエント急行殺人事件(Murder on the Orient Express)」

00 アガサ・クリスティが1934年に発表した古典ともいえる推理小説の映画化。監督と主演をケネス・ブラナー(Kenneth Branagh)が務めた他、ジョニー・デップ(Johnny Depp)、ジュディ・デンチ(Judi Dench)、ペネロペ・クルス(Penélope Cruz)といった豪華キャストが競演します。

ほとんどの人が謎解きを知った上で観るわけですから、ミステリー作品とはいえストーリーは重要ではありません。ポイントは撮り方と演技ということになりますので、実力ある俳優をこれだけ揃えた時点で、ある意味、成功なのではないでしょうか。

名優揃いの中でも特に良かったのが被害者ラチェットを演じたジョニー・デップ。アイリッシュ・マフィアを演じた「ブラック・スキャンダル」でも冷徹な視線に静かな迫力を漂わせていましたが、今回も“表面をつくろっているが実は悪人”という風情がじわっと滲み出ていて、皆から憎しまれる人物をリアルに演じていました。

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物語はご存知の通り、中東で仕事を終えた名探偵ポアロがイスタンブールからオリエント急行に乗り、そこで密室殺人に出くわすというもの。小説ではアレッポの帰りだったと思いますが、今回はエルサレムの嘆きの壁の前で名推理を見せ、イスタンブールで休暇を取ろうとした矢先にロンドンへ呼び出されるという設定になっています。

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このエルサレムの名推理のシーン、世相を反映させていると同時に、中東の宗教対立に関する英国の責任という視点を盛り込んでいるような気がします。この場面だけわざわざマルタ島でロケしたというだけあって、単なるイントロの割にしっかり作り込まれています。

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それ以外のほとんどはロンドン近郊ロングクロス・スタジオでの撮影だそうで、イスタンブールのバザールも、列車が出発するプラットフォームも立ち往生する橋桁も、すべてスタジオ内のセットだそう。ご覧になればわかりますが、イスタンブールのシーンや雪崩で立ち往生しているシーンなどセットとは思えない迫力です。

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スタジオ撮影のおかげで客車内を天井からの俯瞰で見せたり、セットならではの撮り方をしています。こういった演出を良いと思うか芝居がかっていると思うかによって、この映画に対する評価が違ってきそうです。

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芝居がかっているといえば、エンディングの謎解きのシーン。客車から降ろされた乗客全員が、トンネルの入口に設えたテーブルに集められるのですが、これがダ・ヴィンチの「最後の晩餐」の構図になっています。その前でケネス・ブラナー演じるポアロがとうとうと語り続け、舞台俳優らしい見せ場を創ります。

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また、ケネス・ブラナーはシェイクスピア俳優ですので、いわゆるイギリス英語を話す人だと思いますが、ポアロはベルギー人ですので訛りのある英語を喋ります。このあたりも厳密に演じていて、一貫してフランス人のような英語を喋っていました。その反面、クスクス笑いながらディケンズ(A Tale of Two Citiesだそう)を愛読するという英国的趣味も見せていて、何か意図があるのかも知れませんが私にはピンときませんでした。

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主な出演者としては、ラチェットの秘書ヘクター・マックィーン役で「スティーブ・ジョブズ」でウォズニアックを演じていたジョシュ・ギャッド(Josh Gad)、執事エドワード・マスターマン役で「グレース・オブ・モナコ」や「英国王のスピーチ」に出ていたデレク・ジャコビ(Derek Jacobi)、バグダッドで家庭教師をしていたメアリ・デブナム役で「スターウォーズ」のデイリー・リドリー(Daisy Ridley)。

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ロシア貴族の未亡人ドラゴミロフ公爵夫人役で「あなたを抱きしめる日まで」「マリーゴールド・ホテル」のジュディ・デンチ、そのメイド役で「思秋期」「マーガレット・サッチャー」のオリヴィア・コールマン(Olivia Colman)、オーストラリア人の教授役で「きっと、星のせいじゃない。」「誰よりも狙われた男」のウィレム・デフォー(Willem Dafoe)、原作にはない元乳母の宣教師ピラール・エストラバドス役で「それでも恋するバルセロナ」「ある愛へと続く旅」のペネロペ・クルスが出ています。

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その他、原作ではインド帰りの軍人だったアーバスノットをインド系の医師に変えてレスリー・オドム・ジュニア(Leslie Odom Jr.)、米国人のハバート夫人役でミシェル・ファイファー(Michelle Pfeiffer)、キューバ系の自動車屋マルケス役でマヌエル・ガルシア=ルルフォ(Manuel Garcia-Rulfo)、ハンガリー貴族のルドルフ・アンドレニ伯爵役でダンサーのセルゲイ・ポルーニン(Sergei Polunin)、その妻エレナの役で「シング・ストリート」でヒロインを演じたルーシー・ボイントン(Lucy Boynton)、オリエント急行運営会社の重役ブーク役で、デイリー・リドリーとの仲が噂されているトム・ベイトマン(Tom Bateman)が出ています。

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エンディングは、事件を解決したポアロがボスニア・ヘルツェゴビナのブロド(Brod)で下車し、次の事件の解決のためナイル川に向かうシーン。つまり続編は「ナイルに死す」ということで、今度はどういうキャスティングで撮るのか、ちょっと気になるところです。

公式サイト
オリエント急行殺人事件Murder on the Orient Express

[仕入れ担当]

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