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2020年1月14日 (火)

映画「フォードvsフェラーリ(Ford v. Ferrari)」

ford 米国での大ヒットを受け、今年度アカデミー作品賞候補に躍り出た作品です。先が読めるストーリーながら、演技と撮影の妙で引き込まれていってしまいます。車マニア向けと思い込んで観ないのは損。永年ゴールド免許を誇る(つまり運転していない)私でさえ、迫力満点のレースシーンには目が釘付けになりました。音響と映像が重要な作品ですので、IMAXシアター等できるだけ設備の良い劇場でご覧になった方が良いと思います。

物語は1966年のル・マン24時間レースの裏話。フォードが米国車として初めて優勝しただけでなく、3位まで独占するという快挙を成し遂げたチームを率いたキャロル・シェルビー(Carroll Shelby)とドライバーの一人だったケン・マイルズ(Ken Miles)の友情、ケンの妻と息子の家族愛が描かれていきます。

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キャロル役のマット・デイモン(Matt Damon)、ケン役のクリスチャン・ベイル(Christian Bale)が共に主演ということですが、やはり「ザ・ファイター」「アメリカン・ハッスル」「マネー・ショート」「バイス」と役に合わせて変貌してきたクリスチャン・ベイルの演技が光ります。ケンの妻モリー役は「マネーモンスター」で矢面に立たされるCOOを演じていたカトリーナ・バルフ(Caitriona Balfe)、息子ピーター役は「クワイエット・プレイス」の少年ノア・ジュープ(Noah Jupe)で、彼らの存在がシンプルな展開に深みを与えます。

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キャロル・シェルビーは1959年に米国人として初めてル・マン24時間レースで優勝したドライバーですが、心臓に持病があり、引退後の1962年にシェルビー・アメリカンというレーシングカー製造業者を立ち上げます。エンジンの供給を受けるなど創業当時からフォードとは繋がりがあったようですが、同じ頃、フォードはフェラーリ買収に動いていて、それに失敗したことで自らGT40を開発してル・マンへの参戦を決めます。既にコブラで実績のあったシェルビー・アメリカンの協力を仰いだ結果、1966年に上記の優勝に漕ぎ着けることになります。

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なぜフェラーリを買収しようとしたかというと、ベビーブーマーの最初の世代が免許取得年齢に差し掛かり、スポーツタイプのかっこいい車が売れるだろうと考えたから。1964年にリー・アイアコッカのイニシアチブでマスタングを売り出したフォードは、ル・マンに勝つことでブランド力を高めようとしたわけです。シェルビー・アメリカンを引き込んだのもリー・アイアコッカの戦略の一つだったわけですが、映画ではレーシング部門の責任者だったレオ・ビーブと意見が食い違い、会長職にあったフォード二世を挟んで右往左往することになります。

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アイアコッカというと、ご存じのようにクライスラーの立て直しで経営の神様のように扱われることになる人ですが、この映画では、冒頭の社内プレゼンで勢い込んだものの、後は周囲の様子を伺うばかりの口だけ男として描かれます。悪役っぽい役回りのレオ・ビーブの方が、実は企業人として有能だったのではないかと思わせるあたりが皮肉です。また、フォード二世に対する評価として、エンツォ・フェラーリが言い放つ“所詮二代目”という言葉もフォードの実態を物語ります。

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こういった社内政治の世界と対極にあるのが、イタリア・モデナに本拠を構えるフェラーリ社であり、キャロル・シェルビー率いるシェルビー・アメリカンで、どちらも創り出すものがすべてという組織。中でもテストドライバー兼メカニックとして参加していたケン・マイルズは、組織や権威に忖度することなく、ひたすら結果にこだわり続けます。そのせいで、フォードがフェラーリと決裂したように、シェルビー・アメリカンもケン・マイルズも度々フォード幹部とぶつかることになります。

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この短気で職人肌のケン・マイルズの生き方を、圧倒的な演技力で表現したクリスチャン・ベイル。そして彼を信じて支える妻モリーと息子ピーターの佇まい。慎ましくも温もりある家族の姿がベタな設定ながらとても感動的で、地獄のようなレースシーンとの間に絶妙な緩急をつけます。

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この迫力あふれる映像を撮ったのは「ネブラスカ」「ミケランジェロ・プロジェクト」などのフェドン・パパマイケル(Phedon Papamichael)。監督は「17歳のカルテ」「グレイテスト・ショーマン」のジェームズ・マンゴールド(James Mangold)です。

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フォード二世を演じたのは「マネー・ショート」でクリスチャン・ベイルと共演していたトレイシー・レッツ(Tracy Letts)。このところ「レディ・バード」の父親役、「ペンタゴン・ペーパーズ」のワシントン・ポスト会長役など映画で大活躍していますが、本来は舞台中心の人で「8月の家族たち」の原作者でもあります。

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その他、リー・アイアコッカ役は「ウインド・リバー」で被害者の恋人役だったジョン・バーンサル(Jon Bernthal)、レオ・ビーブ役はジョシュ・ルーカス(Josh Lucas)、キャロル・シェルビーの右腕として働くメカニックのフィル・レミントンをレイ・マッキノン(Ray McKinnon)、フォードのドライバーだったダン・ガーニーを彼の息子であるアレックス・ガーニー(Alex Gurney)が演じています。

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公式サイト
フォードvsフェラーリFord v. Ferrari

[仕入れ担当]

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