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2020年2月17日 (月)

映画「スキャンダル(Bombshell)」

Bombshell 映画プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインの一件は日本でも大きく報道されましたが、その1年前に起こった女性キャスターへのセクハラ事件を描いた作品です。

シャーリーズ・セロン(Charlize Theron)、ニコール・キッドマン(Nicole Kidman)、マーゴット・ロビー(Margot Robbie)という豪華なキャスティングが魅力の本作、セクハラ事件の舞台が保守系メディア、FOXニュースであることにも注目でしょう。スローガンとして“Fair and Balanced”を掲げながら(この事件後にやめたそうですが)全面的に共和党を支持し、ドナルド・トランプとも友好関係を保っているこのニュース専門放送局の視聴者は、Newsweek誌によると94%が白人だそうです。

提訴されたCEOのロジャー・エイルズ(Roger Ailes)をはじめ、キャスターのビル・オライリー(Bill O'Reilly)、後にトランプ大統領の補佐官に指名される上級副社長のビル・シャイン(Bill Shine)など、FOXニュース幹部たちの価値感が視聴者の感覚にフィットしたからこそ、全米で1〜2位を争う高視聴率をたたき出しているわけで、そういった放送局で人気を得た女性キャスターたちが、違った価値感の世界で高給を得るのは困難です。清濁併せ飲んでFOXニュースで生きるか、すべてを捨てて出直すか、彼女たちを迷わせます。

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セクハラ事件を提訴したのはニコール・キッドマン演じるベテランキャスターのグレッチェン・カールソン(Gretchen Carlson)ですが、映画の軸になるのはシャーリーズ・セロン演じる人気キャスターのメーガン・ケリー(Megyn Kelly)。そしてマーゴット・ロビー演じる架空の人物、新人のケイラ・ポスピシルが物語を動かしていきます。

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なぜ発端となったカールソンが軸にならないのかといえば、彼女はこの後、2千万ドルの和解金および謝罪と引き替えに厳しいNDA(秘密保持契約)を結んだことで何も語れなくなったから。セクハラ事件ではこのNDAが大きな障壁で、ワインスタインの一件についてミア・ファローの息子でもあるジャーナリスト、ローナン・ファロー(Ronan Farrow)が書いた“Catch and Kill”という本があるのですが、それによると被害者がジャーナリストに話したネタを買い取り、弱みを握って被害者を追い込み、示談金と引き替えにNDAを結ばせるという姑息な手口まで使われるそうです。

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また、雇用契約の強制仲裁(Forced Arbitration)条項も問題で、従業員は裁判ではなく民間仲裁人を通じた申し立てを強いられます。つまりハラスメントにあった従業員は会社の弁護士に相談するしかなく、カネとNDAで口を封じられてしまいますので、被害者の証言を得て記事にしたり映画を作ることが非常に難しくなるのです。CNNによるとカールソンは現在、セクハラ条項を強制仲裁の適用除外にする活動(Lift Our Voices)に参加しているそうです。

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話が逸れましたが、こういった事情で当事者たちが事実を語れないため、ケイラ・ポスピシルという架空の人物を設定して、表沙汰にならない部分で何が行われたかイメージできるようにしています。結果的に彼女がいちばんヒドイ扱いを受けることになるわけで、マーゴット・ロビーの熱演も本作の大切な要素の一つです。

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物語はカールソンがエイルズを訴え、同じ扱いを受けているはずの女性社員たちが訴え出てくるか否かを見届けるというシンプルなもの。カールソンが49歳、ケリーが44歳、ポスピシルが27歳ということで、世代交代も絡みます。つまり一番高いポジションにあるカールソンはこれから得られるものがあまりなく、新人のポスピシルは昇進のきっかけを掴もうと野心に燃えているわけで、そもそもの立ち位置が違うのです。

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また会社の方針として女性たちが互いに競い合うように仕向けているのが大きな難関になります。映画で3人が揃う場面は一瞬だけで、セクハラ問題で連帯することの難しさを滲ませます。

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既に多くを得ていながらまだキャリアアップが可能という難しい位置づけのメーガン・ケリーは、弁護士としての倫理観ではカールソンに賛同しつつ、実際の身の振り方で葛藤します。それを支えるのが子どもたちと夫ダグ(Douglas Brunt)の存在。映画では主夫のように見えますが、ブーズ・アレンを経てネットセキュリティ会社のCEOに就き、その会社を売って作家に転身した人だそうです。2012年に“Ghosts of Manhattan”という、ウォール街の債券トレーダーを描いた小説を発表しています。

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ケイラ・ポスピシルは自らの野望と倫理の狭間に立たされることになるのですが、それを見守るのがケイト・マッキノン(Kate McKinnon)演じる同僚のジェス・カー。彼女も実在しない人物だそうですが、民主党支持でレズビアンというFOXニュースには異質なキャラクターで、彼女とケイラの二人が、何も発言できなかった多くの女性社員たちの心の声を代弁します。

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ロジャー・エイルズ役を「女神の見えざる手」に出ていたジョン・リスゴー(John Lithgow)、その弁護士スーザン・エストリッチ役を「アイ,トーニャ」でマーゴット・ロビーの鬼母役だったアリソン・ジャネイ(Allison Janney)が演じ、親会社ニューズ・コーポレーションのルパート・マードック役でマルコム・マクダウェル(Malcolm McDowell)が出ています。

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監督は「オースティン・パワーズ」「トランボ」のジェイ・ローチ(Jay Roach)、脚本は「マネー・ショート」のチャールズ・ランドルフ(Charles Randolph)。この映画でカズ・ヒロがアカデミー賞のメイクアップ&スタイリング賞を獲っていますが、関係者の容姿に馴染みがなく、どの程度すごいメイクなのかよくわかりませんでした。

公式サイト
スキャンダルBombshell

[仕入れ担当]

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