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2020年6月 8日 (月)

映画「ハリエット(Harriet)」

 width= ミネソタ州の事件の波紋が全米に拡大している昨今ですが、この映画は黒人が家畜のように売買されていた約150年前、地下鉄道(Underground Railroad)の車掌(conductor)として、その後は南北戦争の指揮官や解放運動の活動家として、奴隷の自由化に携わった女性の伝記映画です。

地下鉄道というのは奴隷を救い出して自由にする活動をしていた組織で、イーサン・ホーク主演の「魂のゆくえ」では彼が牧師を務める教会が地下鉄道の歴史遺産という設定になっていました。

本作の主人公は、メリーランド州ドーチェスター郡で黒人奴隷の娘として生まれた女性。本名をアラミンタ・ロス(通称ミンティ)というのですが、ジョン・タブマンと結婚して姓が変わり、奴隷解放運動に身を投じてからは母の名前をとってハリエット・タブマン(Harriet Tubman)と名乗るようになります。

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一家の奴隷主であるブローダス氏の父親は、ミンティの母親が45歳を迎えたら解放することに同意していたのですが、その証拠を氏が握りつぶし、ミンティたちは脅しに屈する形で奴隷として暮らしていました。

ですから1847年のブローダス氏の死去で一家は転機を迎えるはずでした。ところが氏の息子であるギデオンは、彼らの財政的事情もあってミンティの売却を決めます。ミンティは、姉たちと同じく、売られたら永遠に家族に会えないことを知っています。残された道は逃亡しかありません。

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北上して州境を越え、奴隷制度が廃止されていたペンシルベニア州に入れば自由黒人に紛れて暮らすことが可能になります。南北戦争前ですから、自由黒人といっても必ずしも安全ではないのですが、そのあたりの事情は、誘拐されて奴隷として売られてしまった自由黒人を主人公にした「それでも夜は明ける」で詳しく描かれていました。

それはさておき、命からがらフィラデルフィアに辿り着いたミンティは、奴隷解放運動をしていた自由黒人のウィリアム・スティルと知り合います。そして自由黒人のマリー・ブキャナンを紹介され、彼女が経営する下宿に部屋を借りて賃金を得られる仕事を始めます。マリーは実在の人物ではないそうですが、生まれながらの自由黒人で自らの資産を持つ女性と知り合ったことが、ハリエット(既に名前を変えています)の価値感を大きく変えていくという点で重要な登場人物です。

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そしてスティルの組織に加わり、地下鉄道の車掌として、黒人奴隷たちを連れ帰る仕事を始めます。何度も南部と往復しながら一度も捕まることなく、古代エジプトから民を率いて脱出した預言者になぞらえてモーセ(Black Moses)と呼ばれたそうです。

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そういった活躍をスリリングな展開を絡めながら描いていく本作。伝記映画ですから、若干ベタ過ぎるきらいもありますが、米国では新紙幣のデザイン候補に挙がるほど知名度の高い女性であり、彼女の生涯の一端に触れる良い機会を与えてくれる映画だと思います。

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ちなみに新紙幣の話は、2016年にオバマ政権の財務長官だったジェイコブ・ルー(Jack Lew)が彼女を20ドル札の肖像に採用する計画を発表しましたが、2017年にトランプ政権の財務長官になったスティーブン・ムニューシン(Steven Mnuchin)は、検討するが約束はできないという後ろ向きな姿勢を示しています。

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主役のハリエットを演じたシンシア・エリボ(Cynthia Erivo)はブロードウェイで活躍しているロンドン生まれのミュージカル女優だそうです。当初はヴィオラ・デイヴィスが予定されていたこの役を英国人が演じることに批判もあったそうで、新紙幣の一件と同じく米国の偏狭な一面が伝わってきますね。

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その他の重要な役どころでは、下宿屋のマリー役を「ムーンライト」「ドリーム」のジャネール・モネイ(Janelle Monáe)、ウィリアム・スティル役を「オリエント急行殺人事件」で医師役だったレスリー・オドム・Jr.(Leslie Odom Jr.)が演じています。また、ハリエットを執拗に追い続けるギデオン役で「ベロニカとの記憶」の核となる人物を演じていたジョー・アルウィン(Joe Alwyn)が出ています。

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公式サイト
ハリエットHarriet

[仕入れ担当]

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