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2020年7月 6日 (月)

映画「ワイルド・ローズ(Wild Rose)」

wildRoseスコットランドのグラスゴーを舞台に、カントリーシンガーになってナッシュビルで歌うことを夢見る若いシングルマザーを描いた物語です。障壁にぶつかるたびに人間的成長を見せていく主人公ローズ=リン・ハーランを、映画「ジュディ 虹の彼方に」でジュディ・ガーランドの世話係だったジェシー・バックリー(Jessie Buckley)が演じ、見事な歌唱力を披露しています。私はトム・ハーパー(Tom Harper)監督の作品を初めて見ましたが、バランス良くまとめられていて、気持ちよく楽しめる映画だと思いました。

映画の幕開けは、ローズが身の回りの品やCDなどを大きなビニール袋に放り込んで荷物をまとめているシーン。実は彼女、麻薬絡みで服役していて、その日が釈放日だったのです。これからはカントリーを聴かなくて済むと看守が軽口を叩いている様子から、あまり深刻な犯罪ではなかったことが伝わってくる場面なのですが、グラスゴーならではというか何というか、彼らの訛りが強すぎてほとんど聞き取れません。

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彼女が犯した罪はスターリングの女性刑務所(HM Prison Cornton Vale)の壁越しにヘロインを投げ込んだこと。頼まれてやっただけで中身は知らなかったと本人は言い張りますが、中の友だちに差し入れしたのかも知れませんし、仲間の繋がりで断れなかったのかも知れませんが、いずれにしてもマイルドヤンキー的な身内意識を感じさせる女性です。とはいえ日本のそれとは違って地元への執着は皆無で、自分はグラスゴーを出てナッシュビルに行くべき人間だと強く思っています。

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14歳のときから地元のクラブ、グランド・オール・オプリ(Glasgow’s Grand Ole Opry)で歌っていたというローズ。現在23歳ですから、1年の服役期間を除いても、8年あまりのキャリアがあります。しかし前科者ということで、古巣の店では雇って貰えず、子持ちであること、前科があることを隠して家政婦として働き始めます。

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職場である邸宅で掃除機をかけながら歌っていると、それを聴いて魅了された子どもたちを経由して、その家の夫人、スザンナから応援されるようになります。さすがにナッシュビル行きの旅費は貰えませんが、BBCに連絡をつけ、ローズが“英国で唯一カントリーを理解していると人”として評価していたラジオD.J.のボブ・ハリス(Bob Harris)と会う機会を与えてくれます。

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ロンドンまで出かけ、BBCのスタジオでアシュリー・マクブライド(Ashley McBryde)のライブを聴き、ボブ・ハリスから、自分で楽器を演奏すること、曲を自作することといったアドバイスを受けてグラスゴーに戻ります。そしてスザンナから、彼女の50歳の誕生パーティで歌い、来客からスザンナへのバースデープレゼント代わりにナッシュビル行きの旅費を募ろうという、クラウドファンディングのようなアイデアを提案されます。

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良い出会いに恵まれ、再び音楽活動に戻れそうな展開ですが、そうは上手くいきません。自分の子ども絡みでちょっとした事件が起こり、スザンナの夫に前科を知られてしまったことから、パーティで歌えず、家政婦の仕事も失います。その後、母親マリオンの紹介で地元のモール、シルバーバーン(Silverburn shopping centre)でウエイトレスの仕事を得るのですが、ナッシュビルの夢からはどんどん遠ざかっていきます。

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パン屋で20年間働いてきたというマリオンは、ローズの服役中は孫たちを預かり、出所後は子ども中心の地道な暮らしをするように諭す真面目な母親です。しばらくの間はローズがスザンナに助けられて夢を追う姿を見守っていましたが、子どもをないがしろにしようとした彼女を見て引導を渡すことになります。

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そのマリオンを演じたのが「ワンチャンス」「ブルックリン」「マンマ・ミーア」のジュリー・ウォルターズ(Julie Walters)。ベテラン女優らしい、奥深い愛情がじわっと伝わってくる素晴らしい演技でした。この映画の本質は、マリオンとローズの母娘の絆の物語なのですが、それがローズの娘ワイノナを加えた親子三代の物語に拡がって感動的なエンディングを迎えます。

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ちなみに娘のワイノナ、デイジー・リトルフィールド(Daisy Littlefield)という子役が演じているのですが、おそらくカントリーシンガーのワイノナ・ジャッドに因んだ名前で、アダム・ミッチェル(Adam Mitchell)演じる息子のライルは、ライル・ラヴェットに因んで名付けられたようです。

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ついでに記せば、彼女の腕のタトゥー“Three chords and the truth”は、ハーラン・ハワード(Harlan Howard)が偉大なカントリーミュージックを定義した有名なフレーズだそうで、終盤のライブシーンで映るケイシー・マスグレイヴス(Kacey Musgraves)などの人気ミュージシャンを含め、カントリー好きの方ならいろいろ発見がある映画だと思います。

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公式サイト
ワイルド・ローズWild Rose

[仕入れ担当]

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