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2020年9月21日 (月)

映画「TENET テネット」

TENET 話題作ですね。6年前の「インターステラー」、3年前の「ダンケルク」に続くクリストファー・ノーラン(Christopher Nolan)監督の最新作。この監督の作品ではいつも同じことを記していますが、ご家庭で観て堪能できる映画ではありません。映画館の巨大スクリーンと臨場感のある音響が必須ですので、できるだけ設備の良い劇場でご覧になることをお勧めします。私はIMAXレーザーで観ましたが、確かにこれまでのIMAXより鮮明さが際だっているように感じました。

物語は往年のスパイ映画の枠組みを踏襲したもので、高い能力をもつCIAのエージェントが、単身、悪の領袖に接触して世界の破滅を防ぐというお話。敵がロシア系でその用心棒が大柄のロシア人だったり、奇想天外な方法で敵の秘密にアクセスしたり、どこかで観たような設定が随所にみられます。

主人公に協力する人たちが敵か味方かわからないというのも、よくある設定ですし、登場人物たちが奪い合うのがプルトニウム241というのもありきたりです。しかし主人公がプルトニウムだと思っていた"あるもの"の正体がアルゴリズム(Algorithm)という装置の一部で、この装置が時間の逆行(Inversion)を可能にするところに新味があります。

Tenet04

なぜ時間が逆行するのか、逆行することで何が起こるかといった部分は非常にややこしいのですが、逆行する時間の中での戦闘シーンという、誰も観たことがない映像を撮ることが監督の目的だと思いますので、細かい理屈や腑に落ちない事項は無視して良いと思います。

Tenet01

ちなみに題名の"TENET"は"教義"や"信条"といった意味ですが、右から読んでも左から読んでも同じ回文であることがポイントで、ストーリー的には時間の逆行の中で10分間(TEN minutes)の作戦(TEN→💥←NET)が行われることと重なってきます。また四方(四隅)から横読みも縦読みもその逆順も可能なラテン語の回文にも関係あるようです。

SATOR
AREPO
TENET
OPERA
ROTAS

ご覧の通り、幕開けの舞台となるオペラや重要な登場人物であるセイター(Sator)の他、贋作作家のアレッポや保税区画の警備会社ロータスといった語句も含まれています。

Tenet02

前置きが長くなりましたが、CIAのエージェントである主人公がオスロのオペラハウス(Operahuset i Oslo)で作戦中に捕らえられ、自白を避けるため自決用の毒薬を飲む場面で映画がスタート。しかしそれは偽薬で、意識が戻ると上司のフェイから、作戦から拷問に至るまで一連の適性試験であり、死んだ男として第三次世界大戦を阻止する特別なミッションを遂行するように指示されます。

Tenet03

この主人公を演じているのが「ブラック・クランズマン」「さらば愛しきアウトロー」のジョン・デヴィッド・ワシントン(John David Washington)で、極秘作戦のエージェントらしく、この役には名前がなく、エンドロールでも"Protagonist"(主役)とクレジットされるだけです。映画の中で敢えてメンションされるとおり、彼が"唯一人のProtagonist"であること自体が一つのポイントになっているのですが、そもそも"Protagonist"に複数形があることが矛盾しているという言葉の議論については映画「博士と狂人」のブログにまわしたいと思います。

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物理学者のバーバラから見せられた時間に逆行する銃弾の組成から、ムンバイの武器商人に行き着きます。警戒厳重な自宅に潜り込む方法を探っているときに出会うのがニールで、彼をパートナーとしてバンジージャンプで武器商人のコンドミニアムに侵入。武器商人の妻であり、実は黒幕であるプリヤと会ったことで、鍵を握る人物がシベリアの地図にない町スタルスク(Stalsk-12)出身の武器商人セイターであることを突き止めます。

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そして主人公が会いに行くのが英国のクロスビー卿。演じているのが「インターステラー」のブランド教授、「キングスマン」や「グランドフィナーレ」でもお馴染みのマイケル・ケイン(Michael Caine)なのですが、彼が食事しているナショナル・リベラル・クラブ(National Liberal Club)のウェイターから始まって非常にポッシュで、主人公はクロスビー卿からブルックス・ブラザースのスーツをdisられます。これも含みのあるシーンなのですが、会話の嫌みったらしさに気を取られて細かい部分を見落としてしまいそうです。

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その後、セイターやその妻キャットに接触する場所が南イタリアのアマルフィ海岸。風光明媚なロケーションが、スパイ映画の王道を往っていますね。キャット役を「コードネーム U.N.C.L.E.」でも悪役のゴージャスな妻役だったエリザベス・デビッキ(Elizabeth Debicki)が演じていて、彼女の美貌がパワーボートやクルーザー、ラヴェッロのヴィラ・チンブローネ(Villa Cimbrone)に馴染みます。

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これで重要な登場人物が出そろい、アルゴリズムの取り合いにセイターとキャットの夫婦関係が絡み合って物語が展開していきます。よくあるスパイ映画のように、出し抜いたと思ったら出し抜かれていたという流れになるのですが、知っておいた方が良いことは、光のドップラー効果を引用して、時間が巡行することを赤、逆行することを青で表現しているということ。それぞれの時間軸に存在する人物が交錯することで伏線が回収されていきます。

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それ以外は、本物の旅客機を建物に突っ込ませたり消防車を使ってカーチェイスしたり、この監督ならではの大仕掛けと撮影監督ホイテ・ヴァン・ホイテマ(Hoyte Van Hoytema)の巧みな映像を楽しむだけです。

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上で紹介した以外の出演者としては、セイター役で「ダンケルク」に続いてケネス・ブラナー(Kenneth Branagh)が出ていて、「オリエント急行殺人事件」でフランス語訛りの英語を喋ってみせた彼が今回はロシア語訛りの英語で演じています。

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その他、ニール役で「ディーン、君がいた瞬間」「グッド・タイム」のロバート・パティンソン(Robert Pattinson)、バーバラ役で「サルトルとボーヴォワール」「ジャコメッティ」のクレマンス・ポエジー(Clémence Poésy)、指揮官アイヴス役で「ノクターナル・アニマルズ」のアーロン・テイラー=ジョンソン(Aaron Taylor-Johnson)、ニールの一味役で「イエスタデイ」のヒメーシュ・パテル(Himesh Patel)が出ています。

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公式サイト
テネットTENET

[仕入れ担当]

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