« ストールとピアスのいい関係、公式サイトで特集中! | トップページ | イヌイエディションズ2021春夏新作:暑い夏が待ち遠しい!ビーチタオル♪ »

2021年4月26日 (月)

映画「サンドラの小さな家(Herself)」

HerselfDV夫との別居でシングルマザーとなったサンドラが、2人の娘と暮らすための家をセルフビルドで建てようとする物語です。世代間で受け継がれていく暴力、働きながら子育てする困難、公営住宅や福祉の問題などを織り込みながら、ダブリンの片隅で行き抜こうとする女性を描いていきます。

監督は「マンマ・ミーア!」「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」のフィリダ・ロイド(Phyllida Lloyd)で、脚本は本作の主演女優でもあるクレア・ダン(Clare Dunne)。同監督が手がけたオールフィメール版「ヘンリー四世」で彼女がハル王子を演じた縁が本作の製作に繋がっていったようです。

Herself01

映画の始まりは、クレア・ダン演じるサンドラが小さな娘2人、長女エマと次女モーリーと部屋で遊んでいる場面。そこに夫のガリーが帰宅し、外で遊ぶようにと娘たちを追いやってからサンドラを詰問します。車のシートの下に家出用のへそくりを貯めていただろうという言いがかりです。そして激しい暴力を振るうのですが、娘たちが出て行く際、サンドラはエマに“Black Widow”という暗号をつぶやいていたため、計画通りエマが近所の店で警察を呼んでもらい、そのおかげでサンドラの命が救われます。

Herself12

娘2人を連れて家を出たサンドラですが、公営住宅の順番待ちはたいへんな長さで、しばらくは3人でホテル住まいです。また別居時の取り決めで週末は娘2人を元夫に預けなくてはいけません。ガリーは会う度に復縁を迫りますし、以前と変わらずパパに懐いているエマと違い、モーリーはパパの実家に行くことを嫌がります。モーリーは体調が悪いからと偽ってガリーに預けない日が続いたことが、後々、問題になるのですが……。

Herself03

サンドラの収入源は、従軍した南アフリカで腰を痛めたという医師ペギーの家政婦と、横柄な店主が経営するパブのウェイトレス。子育てしながらダブルワークというだけでも大変なのに、雇用主がどちらも居丈高なので気を遣います。ヘトヘトになりながら、何とか日々の暮らしを維持しているサンドラ。とりたてて稼げるスキルのないシングルマザーには厳しい世の中です。

Herself02

ある日、エマが学校で習ったという聖女ブリジッドの話をしたことをきっかけに自分で家を建てようと思いつきます。こっそりペギーのPCで検索してみると、建築家ドミニク・スティーブンス(Dominic Stevens)のサイトに行き当たり、35,000ユーロ(約450万円)で建築できることがわかります。早速、公的支援でホテル暮らしを続けるより、セルフビルドの家に住んだ方がコストを抑えられると行政に掛け合いますが、もちろん簡単に話が進むわけありません。

Herself07

しかし、検索履歴からサンドラの望みに気付いたペギーが、裏庭の空き地を提供し、資金も貸してくれることになります。サンドラの母親も彼女に仕え、信頼関係を築いていたことから、その恩返しに彼女を支援しようという申し出です。

Herself04

喜び勇んでDIYショップに向かいますが、オンデュリン波板が何かもわからず、基礎用の生コンを袋で買おうとして店員に呆れられます。それをレジ列の後ろから見ていた建築業者エイドが、対応が無礼だと店員に苦言を呈したことで2人は知り合い、サンドラの押しの強さに折れて手伝ってくれることになります。

Herself06

ボランティアの他、パブの同僚やママ友も助けてくれて家は着々と建っていくのですが、ガリーとの間で親権問題が再燃し、その関係で福祉の問題も絡んできてサンドラは再びピンチに陥ります。それを何とか乗り越え、カーデガンズのDreamsがかかってハッピーエンディングかと思いきや、それではあまりにも安易だと思ったのでしょう。最後の最後でもう一波乱あります。

Herself10

ペギーやエイドの親切をはじめ周りの人たちの無償の奉仕、ペギーの娘やガリーの母親との関係改善まで、全体的に“出来すぎた話”が続いていきますが、大勢の協力についてはアイルランド人が大切にしてきた助け合いの精神、打ち上げの席でエイドが口にするメハル(Meitheal)を描いているそうです。元々は農民の互助慣行のようですが、そういったアイルランド文化を織り込みたかったようで、サンドラが歌う「オーグリムの乙女(The Lass of Aughrim )」も凝った伏線ではなく単に伝統を示しただけだと思います。

Herself11

あまり有名な俳優は出ていませんが、ペギーを演じたハリエット・ウォルター(Harriet Walter)は「ベロニカとの記憶」で主人公の元妻役だった人、エイドを演じたコンリース・ヒル(Conleth Hill)は「砂漠でサーモン・フィッシング」で上司役だった人です。

公式サイト
サンドラの小さな家Herself

[仕入れ担当]

« ストールとピアスのいい関係、公式サイトで特集中! | トップページ | イヌイエディションズ2021春夏新作:暑い夏が待ち遠しい!ビーチタオル♪ »

フォト