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2021年6月14日 (月)

映画「アメイジング・グレイス アレサ・フランクリン(Amazing Grace)」

AmazingGraceアレサ・フランクリン(Aretha Franklin)のライブアルバム「Amazing Grace」は、全米で200万枚以上売り上げ、彼女が1973年グラミー賞の最優秀ソウル・ゴスペル・パフォーマンス賞(Best Soul Gospel Performance)に輝いた名盤ですが、本作は、そのときレコード録音と同時に撮影され、そのままお蔵入りになっていたフィルムを蘇らせたドキュメンタリー映画です。

なぜ半世紀近くフィルムがワーナーブラザースに眠っていたかというと、監督を務めたシドニー・ポラック(Sydney Pollack)が撮影用のカチンコ(clapperboard)を使わなかったため、当時の技術では音声と映像を同期できなかったから。とんでもない大失態ですが、映画を観ればわかるように、映像が傾いていたり、監督が被写体の奥に映り込んでいたり、コップの水をケーブルにこぼして中断したりと全体的に素人っぽい仕事ぶりで、すべての責任は、監督を当初予定されていたジェームズ・シニョレッリ(James Signorelli)からポラックに変更させたワーナーのCEO、テッド・アシュリー(Ted Ashley)にありそうです。

それを音楽プロデューサーのアラン・エリオット(Alan Elliott)が引き継ぎ、デジタル技術を駆使して映画化したのが本作。アレサ・フランクリンの半世紀のキャリアで最も売れたアルバムのライブだけあって、Queen of Soulと呼ばれるに相応しい圧倒的なパフォーマンスが見られます。

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彼女の歌唱力は言わずもがなですが、進行役を務めたジェームス・クリーブランド(James Cleveland)の軽口が絶妙な上、彼のピアノ、コーネル・デュプリー(Cornell Dupree)のギター、チャック・レイニー(Chuck Rainey)のベース、バーナード・パーディー(Bernard Pretty)のドラムをはじめ、ケニー・ルーパー(Kenny Luper)のオルガンやパンチョ・モラレス(Poncho Morales)のパーカッションが絶妙にマッチします。またアレクサンダー・ハミルトン(Alexander Hamilton)率いるサザン・カリフォルニア・コミュニティ聖歌隊(The Southern California Community Choir)のコーラスも素晴らしく、映画全編が見せ場、聴かせどころになっています。

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ライブ会場になったのはL.A.のニュー・テンプル・ミッショナリー・バプティスト教会(New Temple Missionary Baptist Church)。ゴスペルのライブ盤制作にあたり、コンサート会場ではなく、教会で歌いたいというアレサ・フランクリンの希望に沿ったものだそうです。1972年の1月13と14日の二日間にわたって録音・撮影されたもので、映画の中でも二日目の曲目を案内する場面がみられます。ストリートビューで見ると(→こちら)大した教会ではなさそうですが、L.A.にあるバプテスト教会だという観点から選ばれたのでしょう。

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よく知られているように、アレサ・フランクリンの父親C・L・フランクリン(C. L. Franklin)はデトロイトのニュー・ベセル・バプテスト教会(New Bethel Baptist Church)の牧師で、彼女はそこでゴスペルを歌って育ちました。当初はポピュラー・シンガーとしてデビューしましたが、ヒット曲を連発した後、ジャズからソウルに移行し、次第にゴスペル色を強めていきます。その一つの区切りとなったのがこの「Amazing Grace」のライブ録音。ちなみにジェームス・クリーブランドは60年代からニュー・ベセル・バプテスト教会に所属し、C・L・フランクリンの下で音楽ディレクターを務めていたという身内のような人だそうです。

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そういった経緯で行われたライブですので、客席を埋めた聴衆のほとんどがこの教会の信者と思われる黒人の男女ですが、そのなかに文字通り毛色の違う白人が混じっていて、よくみるとミック・ジャガーとチャーリー・ワッツ。当時、サンセット・サウンド・スタジオ(Sunset Sound Recorders)でアルバム「メイン・ストリートのならず者(Exile on Main St.)」のオーバー・ダビングを行っていたそうで、噂を聞きつけてサンセット大通りからサウス・ブロードウェイの教会まで(車で20-30分)駆けつけたのでしょう。

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確かに彼らのような大物がわざわざ聴きに来るだけの価値あるライブだと思います。まさにアレサ・フランクリンの凄さを見せつけられた感じです。中でもタイトルになっている「Amazing Grace」は鳥肌が立つほどの熱唱で、キリスト教徒でない私でさえ、神秘的な体験をした気分になりました。一見の価値ありだと思います。

公式サイト
アメイジング・グレイス アレサ・フランクリン

[仕入れ担当]

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